LINE公式アカウントの友だちを増やす方法

田中 恵

ソーシャルメディアは顧客との関係を築き、ブランドの認知度を高めるための強力なツールとなっています。EC事業者にとってSNSの運用は極めて重要であり、中でもLINEは圧倒的な利用者数と幅広い世代が利用し、日常生活に深く浸透していることからも、顧客との接点を強化し、競争力を高める上でLINE公式アカウントの活用は不可欠と言えます。

この記事では、EC事業者がLINE公式アカウントを活用する上での土台ともいえる友だち追加数を増やすための施策について、また、友だち追加後のコミュニケーションのヒントについて紹介していきます。

LINE公式アカウントの友だちを増やす施策

多くのEC事業者が活用しているLINE公式アカウント、うまく友だち数を増やすことができていますでしょうか?実際EC事業者が行っている友だち追加施策は以下の5つが主流となります。

1)店舗で友だち追加を促す
2)ウェブサイトで友だち追加を促す
3)商品発送時に友だち追加を促す
4)広告を利用して友だち追加を促す
5)新規会員登録導線で促す


それぞれ具体例とともにメリットまたはデメリット、その後のコミュニケーションなどをご紹介します。

1)店舗で友だち追加を促す

店舗をお持ちのEC事業者であれば、店舗内のPOPなどで友だち追加QRコードを設置しています。ただPOPやチラシを設置するだけでなく、例えば友だち追加のインセンティブとしてクーポンをプレゼントするなどのキャンペーンを絡めると友だち追加数は増える傾向です。

また、スタッフへの告知や案内方法の教育などの工数がかかりますが、店舗スタッフがお会計時に案内するとより効果的です。

画像引用:LINEヤフー for Business

いずれのパターンもPOPやチラシに一度印刷したものは簡単に修正できないので、QRコードの間違い、キャンペーンの訴求内容の誤字脱字など記載には十分注意しましょう。

2)ウェブサイトで友だち追加を促す

ECサイトで友だち追加用のURLまたはQRコードを設置して友だちを増やす方法です。

ECサイトのトップページやLP上で目を惹くバナーで告知したり、購入後のサンクスページ、ポップアップなどで告知し、友だち追加を促します。

画像引用:LINEヤフー for Business

これらの告知だけでも自然と友だちは増えていきますが、以下のような様々なキャンペーン施策と絡めて使っていただくとより友だち数は増えます。

①プロモーションコードや特典の提供
友だち追加の特典としてすると特典や割引コードを提供することで、友だち追加のきっかけをつくります。

②独占情報や限定コンテンツの提供
LINE公式アカウントを友だちでいることのメリットを提供し、訴求することで、友だち追加のきっかけにだけでなく、友だちでい続けることのインセンティブにもなり、ブロックを防ぐことにもつながります。
例えば、商品の先行予約や限定セールの情報やスマホの壁紙画像など友だちでないと受け取ることができないオリジナルコンテンツを提供します。

③診断コンテンツやゲームなどを活用したキャンペーン
ユーザーが友だち追加することで診断コンテンツやゲームに参加できるキャンペーンを実施することで、ユーザーの参加意欲を高めることができます。また、診断コンテンツやクイズを通じてブランドの知名度向上やファンのコミュニティ形成にも繋がります。

これらの施策は、ユーザーの友だち追加意欲・モチベーションを高めることができますが、施策によって友だち追加した後に、ユーザーが実際に商品を購入してくれた数、売上、ブロック率などの数字を踏まえ、継続的な改善を行うことが重要です。

3)商品発送時に友だち追加を促す

購入した商品の発送時に、商品と一緒に友だち追加QRコードの入ったチラシを同梱するのもおすすめです。
購入した商品が届いた直後のモチベーションの高いお客様に対して、LINE公式アカウントの友だち追加を効果的に告知できます。

4)広告を利用して友だち追加を促す

広告予算があれば、LINE広告で友だちを増やすこともできます。
「友だち追加広告」は、 LINE広告プラットフォームを通じてLINE公式アカウントの友だち獲得ができるLINEならではの広告商品です。「エリア」や「性別」、「年齢」、「興味関心」などでターゲティングできることから関心度の高い友だち獲得が見込めます。

画像引用:LINEヤフー for Business

ディスプレイ広告やリスティング広告とは違い、友だち追加がコンバージョンポイントになります。計測できる主な数値は、インプレッション、クリック数(友だち追加数)とシンプルなので、広告運用経験がなくても取り組みやすい広告商品です。

実際の友だち追加単価は、ターゲティングや日予算、入札金額とクリエイティブの品質などによって変わってきますが、目安としては@200~400円程度になります。

広告予算を準備する必要があることから、活用のタイミングは、以下のようなキャンペーンと絡めてご利用いただくことがおすすめです。

例)
セール前の新規顧客獲施策として
新商品リリース時の認知度向上のために
サイトリニューアルに際して

5)新規会員登録導線で促す

新規会員登録導線での友だち追加の特徴は、クーポンなど一時的なインセンティブ目的の友だちやLINE広告経由の友だちとは異なり、ECサイトをすでに認知し、ECサイト起点でサービス利用のモチベーションの高いユーザーを中心に友だち追加を促せる点です。

そのため友だち追加後のブロック率も低く、ID連携率も高い傾向があります。

具体的には、ECサイトにLINEログインを導入する方法です。
LINEログインを活用した新規会員登録では、フローの中で、LINE公式アカウントの友だち追加とLINEのID連携が自然な流れで完了します。
ソーシャルログインであるLINEログインを活用することで、新規会員登録を簡単にしながら、会員登録後は友だち追加とID連携のすべてが完了するので、自然と友だちが増えていきます。

LINEログインによる自動友だち追加・ID連携フローのイメージ

友だちを獲得した後は

一言で友だちといっても多種多様です。

●すでに自社のサービスを認知しているユーザーなのか
●主に店舗を利用するユーザーなのか、もしくはECを利用するユーザーなのか
●最近ECではじめてご購入いただいたユーザーなのか、いつもご利用いただくユーザーなのか
●他

友だち追加いただいた後は、すべての友だちに一律のコミュニケーションを行うのではなく、友だちにあわせたメッセージ配信で中長期的な関係性を保つことが重要です。

今回おすすめするのが、「友だち追加経路」を利用したセグメント配信です。
ツールの導入も不要で、LINE公式アカウントの管理画面から配信できる標準機能ですので、すぐに試せる点もおすすめの理由です。

友だち追加経路ごとに配信内容を出し分けることで、次のアクションに繋げるコミュニケーションとなり、費用対効果の高いメッセージ配信ができます。

● 例)店舗で友だち追加したユーザーに絞って、オンラインストアのURLを案内しEC利用を促す
● 例)店舗で友だち追加したユーザーに絞って、再来店を促進するクーポンを配信する
● 例)LINE広告で友だち追加した方に、よりブランドやサイトを知ってもらうためのステップ配信を行う
● 例)ECのバナー経由で友だち追加した方に、会員登録を促すメッセージを配信する

▼友だち追加経路を設定して簡単にセグメント配信を行う方法

最後に

LINE公式アカウントでは、顧客との直接的なコミュニケーションを通じてブランドの認知度を高め、顧客ロイヤルティを向上し、最終的には売上につなげることが重要です。
友だちを増やすと同時に、ユーザーにとって満足度の高いメッセージ配信をして、貴社のファンを増やしましょう。


著者

田中 恵 (Megumi Tanaka)

株式会社ソーシャルPLUS CSチーム
ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のCS(カスタマーサクセス)として、LINEのIDを活用したマーケティング活動を支援。
これまではコールセンターのアウトソーシング事業、広告代理事業のセールスとして大手通信キャリア、メーカー、金融、不動産などの幅広い業界の、マーケティング領域の提案からカスタマーサポートに従事している。

◆「ソーシャルPLUS」公式サイト
https://www.socialplus.jp

◆「CRM PLUS on LINE」公式サイト
https://crmplus.socialplus.jp

◆LINE公式アカウント徹底活用ブログ
https://blog.socialplus.jp/