SNS広告で効果を出すにはクリエイティブが肝!生活者に深く届くクリエイティブで効果改善に成功した企業が語るそのポイントとは?

今崎 裕二

はじめまして。
アライドアーキテクツアドテク事業部の今崎です。
私からは計3回にわたってSNS広告を上手に活用し、成果につなげられている企業様の事例をご紹介致します。第1回目となる今回はドコモ・ヘルスケア株式会社コンシューマー事業部、コンシューマービジネス部部長である松島りんご氏にお話しを伺いました。

クリエイティブの検証、改善でCVR130%、CPA41.5%改善、獲得件数は16倍に。

クリエイティブの検証、改善でCVR130%、CPA41.5%改善、獲得件数は16倍に。

今崎-はじめに、ドコモ・ヘルスケアさんのご紹介と今回販促施策を実施されたムーヴバンド3の紹介をしていただけますか。

松島-弊社は、ドコモとオムロン ヘルスケアの合弁会社で、モバイルが得意なドコモと健康に関する機器の製造市場で大きなシェアを持っているオムロン ヘルスケアとが協力し、ヘルスケアの市場において大きなビジネス展開をしたいと考えて作った会社です。主に、モバイル面を中心にしたヘルスケアのサービスと、モバイルと連携するデバイス・機器の製造販売とサービス提供をしております。

今回SNS広告での販売促進を行った、ムーヴバンド3は主に歩数を中心とした活動量と睡眠の状況を測れるウェアラブル端末です。よくあるウェアラブルの活動量計はスポーティーなものが多くて、スーツに合わない、普段使いしにくいという声がありました。そこで、どんな服装・TPOにも合せやすい普段使いのウェアラブル端末として、オムロン ヘルスケアとムーヴバンド3を共同開発しました。

* 「ムーヴバンド」は、ドコモ・ヘルスケア株式会社の登録商標です。

手首につけるだけで毎日の歩数と睡眠の質がわかる。大人に似合うウェアラブル活動量計。『LACOSTE』とのコラボレーションモデルも。

今崎-2017年1月くらいから弊社にて広告運用の支援をさせて頂きました。特にFacebookでのクリエイティブ検証を重点的に支援させていただきましたが、弊社とのお取組み以前貴社でご利用されていたクリエイティブの傾向や当時の効果についてお聞かせ下さい。

松島-もともとのクリエイティブはロゴが入っていて、どちらかというときれいにデザインされたものでした。イメージ先行型で、“商品のイメージ”、“かっこよさ”をアピールしたいというクリエイターの思いが強く出ているクリエイティブになっています。

当時はまだプロモーション初期で、認知を獲得していくという段階でしたので、正直あまり販売にはつながっていませんでした。

イメージ先行のクリエイティブでは成果が出ないということは分かっていましたが、ではどういう素材を使えばいいのか、そもそも何で訴求すべきか社内でも議論が分かれていました。そのような中、睡眠改善の訴求をベースにした広告素材や、一般の方のSNS投稿に近いような写真、ラコステの店鋪スタッフが写ったデザイン性訴求写真などを用いてA/Bテストを行い、どのようなクリエイティブが当たるのか、効果を見ながら絞っていったことが効果の改善につながったと思います。

商品を実際に使っていただいたユーザーさんからは、睡眠管理機能が一番面白いと言われるので、PDCAを回す前は「睡眠」で訴求するのが一番響くのではと思っていました。ただ結果として、普段の生活に溶け込んでちょっと体調を良くしたいといったイメージが伝わる「普段使い」クリエイティブの数字が良かったのです。他サービスでは通常100、200のパターンを数ヶ月にわたって次々にテストしていくのですが、SNSで獲得を狙ったムーヴバンドは高速でPDCAを回せたため、比較的早く、数字が出るものを見つけることができました。

(左)過去SNS広告に活用していたクリエイティブ、(右)改善後のクリエイティブ

今崎-検証の早さと質が、他の広告媒体よりもFacebookでは早くできたということですね。実績はいかがでしたでしょうか。

松島-実績値で見ますと、訴求軸を変えたことで利用シーンが分かりやすくなり、CVR(コンバージョン率)は1.3倍に引き上がって、獲得単価としては4割弱の改善ができました。従来のクリエイティブと比較すると件数も16倍ということで、効率の改善と件数の拡大ができたといえると思います。

あとは、広告の遷移先であるランディングページも同時に改善を進めました。元々はランディングページも同様に、商品のデザインを前面に押し出すような写真を活用していましたが、普段つけているシーンが想像できるようなクリエイティブを追加することで、クリック率が改善したのです。製品特性的にも価格帯的にも、ムーヴバンドは年にいくつも買うものではないので、それを見据えて遷移先ページもセットで改善したのは成功した要因のひとつだと思います。

Facebookで効果の高いクリエイティブはLINEにも展開可能!

今崎-Facebookで6ヶ月間検証を行って目標のCPAを達成した後、LINEでの広告展開も実施されたとお聞きしました。その時の効果についてお聞かせ下さい。

松島-ほかの商材を含めLINE広告をしたのは初めてだったので、出し始めは結果がいいのか悪いのか、正直分からなかったですね。ただ、早くからいい数字が出はじめたので、可能性が広がりました。Facebookでの検証を持ってLINEへ展開したら、結果がきちんとついてきたということですね。一つの試金石になりました。今まで持っていなかった獲得基盤を作れたと思います。今では他のアプリ広告への展開でもLINE広告活用を考えています。

今崎-「普段使い」「生活に馴染む」というキーワードは、どの媒体でも当たるという実感値はありますか?

松島-SNS系にはなじむかもしれません。投稿されているものに近いもの、フィードになじむというのが今の広告の王道なのかなと思います。それを考えるとLINEもFacebookと同じようにUGC(※)に近いものがウケるということに違和感はないですね。

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UGCとは:User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ(詳しくはこちら)
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今崎-ユーザーからすると、いかにフィードになじむか?はどの媒体でも重要なポイントだと思います。

Letroを活用したUGC収集で社内の発想にはない新しい切り口のクリエイティブを獲得

今崎-今回のLINE広告に関する取り組みで、弊社独自のシステムであるLetro(レトロ:Instagramに投稿されたUGCをSNS広告クリエイティブとして活用できるサービス)をご利用いただきました。こちらは検証したクリエイティブではなく、ユーザー投稿をそのまま広告クリエイティブに活用した結果、より効果が上がったという事例になると思いますが、これに関する御社の評価はいかがでしたか。

松島-SNSに広告施策を寄せる中、消費者に身近に感じてもらい、より親近感を持ってもらい、情報を深く届けるための手段として良いものだと思います。消費者の投稿した写真をそのまま広告クリエイティブとして活用できるので、社員が思う「お客様の生活や利用に近い写真」より、リアルなクリエイティブになるのはいいなと思いました。例えば社員が考えるフィードに馴染む画像は、実際に装着して撮影しているような発想に留まるのですが、利用者から集まった写真は、「ロゴが可愛い、と商品を並べて撮っている写真」もありました。そういう写真は、社員の発想にはなかったですし、消費者として商品の良さを分かってくださっているお客様が撮ることで、かっこよさやファッショナブルさがより伝わる写真になるのかなと思います。

今崎-Letro(レトロ)を使うと、いい意味で意図しないクリエイティブが上がってくるので「こういう撮り方をするのか」という新しい発見がありますよね。

松島-そうですね。箱がかわいいのでそこにフォーカスした写真なんかもありました。新しい発想、捉え方など、社内にない切り口のクリエイティブを簡単に収集できるのがよいと思います。

画像を公募することで自分たちが思っていなかったようなクリエイティブが何パターンも集まる、いろんな切り口での訴求軸をユーザー自ら考えてくれることで表現の幅が広がるのはいいことだと思いますね。

今崎-最後に今後の広告展開についてお聞かせ下さい。

松島-マス広告を活用し、ある程度認知されないと買われない商品というものも確かにあるとは思いますが、弊社の商品がマス広告に合うのかどうかは再考が必要だと思います。弊社は、ヘルスケアの女性向けアプリを作っており、「ヘルスケア情報を求めていて、且つ女性をターゲットに…」といった形で先ほどもお伝えした通り狙ったターゲットの獲得を行いたい弊社は、マス広告が必ずしも効率的なわけではないと考えています。

セグメントを切ったSNS広告の中でもLINEやFacebookをきちんと活用し、認知まで役割を担わせる方が近道だと考えています。ヘルスケアのアプリは、その悩みを持っている人に寄り添わないと、使い続けてもらえません。そういう背景もあって、マス広告に費用をかけるよりは、SNSを中心に活用していこうと思っています。

まだ新しい会社で、いろいろなことにチャレンジできる環境があるので、今後もどんどん新しいことに取り組んでいきたいと思っています。

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Letroとは:
「Letro」は、Instagram上にユーザーが投稿した商品・サービスの写真を短時間で収集しSNS広告のクリエイティブに活用できるサービスです。Facebook広告APIと連携し、投稿者からの利用許諾の取得からSNS広告出稿までをワンストップで行うことが可能です。2016年8月のサービス開始以来、大手食品メーカーや化粧品メーカーなど多数の企業に導入されています。
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弊社アライドアーキテクツのアドテク事業部では主にクリエイティブの側面から企業様の広告のご支援を実施させて頂いております。創業から一貫してSNSを基軸に事業を展開している弊社ならではの視点で、ユーザーコンテンツのクリエイティブ活用やSNS広告に特化したLPの制作も行っております。

Letroを活用したSNS広告運用についてのお問い合わせはこちら。
https://ecnomikata.com/support_company/contact.php?company_id=442

<プロフィール>
松島りんご氏(写真右)
ドコモ・ヘルスケア株式会社コンシューマー事業部
コンシューマービジネス部部長 

▼インタビュアー
今崎裕二(写真左)
アライドアーキテクツ株式会社 
アドテク事業部


著者

今崎 裕二 (Yuji Imasaki)

2015年、アライドアーキテクツに新卒入社。
一年目は弊社基幹事業である「モニプラファンブログ」の
コンサルタントとして70社の顧客を担当。
その後「モニプラファンブログ」の営業を経て、2016年よりAD-Tech事業部にジョイン。
現在は通販企業様を中心としたダイレクトレスポンスの新規提案を行う営業としてマーケティング支援に従事。

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