EC必見!「宅配クライシス」攻略法

湊 重幸

配送料金とともに、宅配クライシスの大きな要因となっているのが「再配達問題」です。今、この再配達問題を撲滅する手段として、「宅配ボックス」が注目を集めています。宅配ボックスの導入が広がりを見せる中、ECショップとして対策をとっておくべきことはあるのでしょうか。答えはもちろんイエスです。
最終回の今日は、TERAOKAの「Smart Qbing」、「SPK-25」の導入メリットのおさらいを兼ねて、これからお客様に選ばれるECショップとなるためのポイントについてまとめました。

「Smart Qbing」、「SPK-25」導入のメリットをおさらい

これまでの3回にわたるコラムで、送料値上げに対抗する現実的な手段として、TERAOKAの「Smart Qbing」、「SPK-25」をご紹介し、その機能や導入メリットについてお伝えしてきました。「Smart Qbing」、「SPK-25」について、ここでもう一度おさらいしてみましょう。


【Smart Qbing 導入のメリット】

・正確で迅速な荷物のサイズ測定が可能になります。従来、多くの人手と時間を要した計測作業も、「Smart Qbing」を用いれば、短時間かつ誤差のほとんどない正確な計測ができます。

・「Smart Qbing」導入によって、手作業によるサイズ計測が不要になれば、ベテランスタッフには商品梱包など、人でなければできない作業に従事してもらうことができます。丁寧に梱包された商品が届けられれば、顧客満足度アップにもつながります。

・荷物のサイズ計測は、本来であれば物流ドライバーの行う業務です。それをECショップが肩代わりできれば、物流会社からの送料アップと相殺で送料据え置き、場合によってはコストダウン交渉を申し入れるネタにもなるでしょう。


【SPK-25 導入のメリット】

・箱の大きさが送料に直結してくるこれからの宅配物流で、ムダに大きな箱の利用はコストアップの原因ともなります。凹凸があって手作業ではサイズが測りにくい荷物も、「SPK-25」であれば、最適・最小の箱サイズが瞬時にわかります。

・サイズ計測を人の手で行うと、個人差や計測ミスなどが生じがちですが、機械であれば、誰が計測しても、同じ結果が得られます。同じ荷物なのに、使用する箱サイズが異なる(=送料が異なる)といった人為的なミスを未然に防ぐことができます。

・適正サイズの箱に入れることができれば、その分、ムダな緩衝剤を購入する必要もなくなります。緩衝剤の在庫を確保しておくことも不要になり、コストや保管スペースの削減ができます。

ECショップ、購入者、物流会社の3×WINを実現!

今後、送料の負担がECショップだけでなく、購入者にも求められるようになれば、少しでも安い送料のところから購入したいと思うのは消費者心理として当然のこと。他店と比べて、送料の安いショップを選ぶことができるのは、購入者にとって、今まで以上に大きなメリットになります。

正確なサイズ計測、最小・最適な箱サイズでの梱包を行えば、ECショップが購入者に必要以上に高い送料を請求することもなくなります。また、大きな箱で届く荷物に使われていた緩衝剤が少なくなれば、購入者がその処分にかけていた手間とコストが削減できます。

「Smart Qbing」、「SPK-25」は、ECショップだけでなく、商品を購入するユーザーにもメリットをもたらすのです。

物流会社にとってもメリットがあります。コストダウンを実行するためには避けて通れない「サイズ計測」を、ECショップに行ってもらうことができれば、ドライバーの負荷が大幅に軽減されるでしょう。

「Smart Qbing」や「SPK-25」による正確なサイズ計測は、ECショップ、購入者、物流会社の3者、いずれにもメリットをもたらします。

物流クライシスにおけるピンチを、win×3に変えることのできる強力な助っ人。それが「Smart Qbing」と「SPK-25」なのです。

これからの物流のキーワード「宅配ボックス」

物流コストと同様に、宅配クライシスの要因となっていたのが「荷物の再配達」。不在宅への再配達によって勤務時間が延び、残業や長時間労働が発生しています。

宅配大手のヤマト運輸では、正午から午後2時までの時間帯を配達指定時間から外し、さらに再配達の受付締切時刻を1時間繰り上げて午後7時にしました。ドライバーの時間外労働は改善されつつありますが、再配達自体が激減するまでにはいたっていません。

そこで「再配達撲滅の切り札」として期待されているのが、「宅配ボックス」です。

パナソニックが販売している宅配ボックスの2016年の受注件数は、毎月400~500個程度でしたが、2017年3月には、2,000個以上の注文が殺到したといいます。また、同社が行った実証実験では、実験開始時に49%あった再配達率が、4か月間の平均で8%まで減少。「核家族には大変助かる」「時間指定を気にしなくても注文できるようになった」など、実験に参加した利用者からも、宅配ボックスの有用性について評価する声が上がっています。(※)

このように、利用者にとっても利便性のある宅配ボックスは、特に一人暮らし世帯が増える傾向にある現代、急速に普及していくことが予想されます。スムーズに荷物を受け取るためには、今後は「注文した商品が、宅配ボックスに入るかどうか」も、配送料を決めるときの重要なポイントになってくる可能性があります。

TERAOKAの「SPK-25」でサイズを計測し、その商品が宅配ボックスで受け取れることが情報として提示できれば、ECショップはもちろん、購入者にとっても物流ドライバーにとっても安心です。
(※ Panasonic株式会社による「宅配ボックス実証実験」最終結果報告より)

お客様に選ばれるECショップへ!TERAOKAが応援します

宅配物流の改革はまだ始まったばかり。宅配ボックスの利用をはじめ、今後は共同配送や適正配車などのシステム化もますます進むことでしょう。AIや自動運転などの技術が宅配物流の業界にも生かされる時代はそう遠くないはずです。そのような技術を取り入れながらも、これから宅配物流は健康体を取り戻す努力を進めていくでしょう。

そのときにこそ、荷物のサイズ計測と箱の最小・最適化は必要不可欠。人も物流も健康体でいるためには、身体測定が基本です!

TERAOKAは、荷物のサイズ測定技術でこれからの物流・宅配業界に貢献しながら、成長をめざすECショップを応援していきます。


著者

湊 重幸 (Shigeyuki Minato)

建設業界、FA業界を経て寺岡精工に入社後は、生産管理や宅配スーパー、情報システムなど21年にわたってロジスティクス部門に携わってきた、物流のエキスパート。

TERAOKAのソリューションによって、物流コストにあえぐECショップから1社でも多く宅配クライシスから救うべく、今日も奮闘中。

https://www.teraokaseiko.com/jp/business/logistics/