「金融サイト詐欺」にご注意を!ECができる詐欺予防【BBソフトサービス調べ】

ECのミカタ編集部

知らぬ間に増えていく「インターネット詐欺」

 インターネットの利用が盛んとなっている今、それと同様にインターネット詐欺も日々増えていく。そのインターネット詐欺には、他のウェブサイトを装い、個人情報をだまし取るフィッシング詐欺や、加入に同意していないにも関わらず、有料会員登録の代金を請求するワンクリック詐欺などがある。さらに、ECで代金未払いや商品未配送により金品を不正に得ることも、インターネット詐欺に含まれる。

 そのインターネット詐欺について、ソフトバンクグループのBBソフトサービス株式会社(以下、BBソフトサービス)が「Internet SagiWall™」で検知したデータを基に毎月詐欺リポートを公開している。先月の7月度のインターネット詐欺リポートが公開されたため、7月度に加え、前月の6月度と合わせながら紹介していく。

6月度は、季節関連の商品が詐欺の対象に・・・

 6月度の総検知数は198万2,775件であり、前月比14.1%減少した。種類別構成比は、ワンクリック・不当請求詐欺サイトが87.58%(前月比5.02ポイント増)、フィッシング詐欺サイトが10.04%(前月比2.7ポイント減)であった。また、マルウエア感染サイトが1.22%(前月比0.06ポイント減)、ボーガスウエア配布サイトが0.82%(前月比1.58ポイント減)、ぜい弱性悪用サイトが0.32%(前月比0.68ポイント減)という結果になった。

 6月度は5月度に比べて若干減少したものの、実際に動画サイト閲覧で架空請求詐欺被害に遭い、100万円を超える電子ギフト券を購入させられる事件が発生した。また、梅雨・暑さ対策関連グッズの詐欺サイトも増加していた。このような詐欺サイトでは、商品を購入しても商品が届かないなどの被害に遭う危険性がある他、入力したメールアドレスやパスワード、住所、氏名、クレジットカード番号などの有益な個人情報を搾取される。それにより、なりすましによる不正な商品購入や、個人情報がブラックマーケットで売買される危険性があるのだ。

 梅雨の季節でもあり、また、徐々に気温が上昇していく季節でもあるため、ユーザーはその対策グッズを購入し始める。それに目を付け、詐欺を仕掛ける犯罪者が多かった。そのような6月度だったが、果たして7月度はどうだっただろうか。

7月度の詐欺は再び増加傾向に、初めて検知された詐欺

7月度の詐欺は再び増加傾向に、初めて検知された詐欺BBソフトサービス調べ

 7月度の総検知数は198万6,117件であり、前月比0.2%増加した。種類別構成比は、ワンクリック・不当請求詐欺サイトが80.61%(前月比6.97ポイント減)、フィッシング詐欺サイトが13.84%(前月比3.80ポイント増)であった。また、マルウエア感染サイトが1.17%(前月比0.05ポイント減)、ボーガスウエア配布サイトが3.04%(前月比2.22ポイント増)、ぜい弱性悪用サイトが1.34%(前月比1.00ポイント増)という結果になった。

 今回の7月度では、大手企業名をかたる違法な消費者金融サイトを検知した。今までは、国内で発生するフィッシング詐欺サイトや偽販売サイトなどの一般的な詐欺サイトが多々あったが、今回初めて違法な金融サイトを検知した。

 違法な金利で融資を行う、いわゆるヤミ金融は一般消費者を狙う違法な行為だが、騙して金銭を搾取する詐欺に当たるものではなく、この詐欺リポートの対象ではない。しかし、ヤミ金融業者が海外のウェブサーバーを使用し、頻繁にドメインや事業名を変更しながら集客を行っているなど、検知対象としてきた詐欺サイトと類似する特徴が見られたため、今回検知されたのだ。

ECがユーザーを守るためにできることとは

 違法な金利で融資を行う事業者が、足がつきにくい考案をしてきた結果、ネット詐欺の犯罪者とサイト運営手法が類似してきたことが考えられる。認可業者のサイトを間違って利用してしまうと違法な利息を請求されるだけでなく、個人情報が他の犯罪に悪用される危険性がある。

 7月度では、今までは検知されることはなかった、金融サイトが挙がった。一見、ECには関係が無いようにも思えるが、金融サイト詐欺のトラウマによりECから離れるユーザーも出てくる可能性もある。一度、詐欺に遭うとトラウマになることがほとんどだろう。

 そのようなユーザーに対して、ECは何ができるのだろうか。例えば、ECで商品を購入する際の画面に、金融サイト詐欺が発生していることを伝える文章を掲載する。その文章の文字を赤くしたり、文章を枠で囲ったりと目立つように工夫するとユーザーの目に行きやすい。すると、ユーザーは詐欺に遭わないように警戒をし、さらに、詐欺を知らせてくれたECのことを信頼し、今後も利用するようになるだろう。このようなちょっとしたことでも、大切なユーザーを詐欺から守ることに繋がるはずだ。


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