LINEのビジネスプラットフォーム化?一部機能解放!

ECのミカタ編集部

 LINE株式会社は、同社が提供するコミュニケーションアプリ「LINE」のビジネスプラットフォーム化に向け、LINEと企業のWebサービスを連携させシームレスな体験を提供する「Official Web App」の本格ローンチを今秋に予定している。これに先駆け、8月22日より一部機能の解放を開始した。

LINEのビジネスプラットフォーム化に向けた動き 「Official Web App」とは?

 LINE株式会社が2016年3月24日に開催したビジネスカンファレンス「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」において、ユーザーがLINEを起点に企業の様々なサービスを、これまで以上に便利に、簡単に、楽しく利用できるようになる世界の実現を目指し、LINEのビジネスプラットフォーム化に向けた「ユーザーと企業を繋ぐオープン化戦略」を発表したことは記憶に新しいのではないだろうか。

 そして、この取り組みの一環に、自社のWebサービスとLINEアカウントを連携させ、LINEアカウントを起点に集客・アクション誘導・リピート促進まで、ユーザーの行動をLINEアプリ上でシームレスな完結を支える仕組みとして「Official Web App」の提供を予定している。この機能により、ユーザーは他のアプリやサービスの追加インストール・利用登録を行う必要なく、LINEアプリ1つで様々なサービスを簡単かつ便利に利用できるようになる。

▲Official Web Appによるビジネスの広がり

 「Official Web App」の3つの標準搭載機能は以下の通り。
 1.「LINEログイン」
 LINEアカウントの認証情報(登録メールアドレス・パスワード)を利用し、連携サービス利用時に同意するだけで新規会員登録プロセスを省略することができる。煩雑な会員登録が無くなれば、さらなる購入率向上につながるだろう。

 2.「LINEビジネスコネクト」
 APIを利用し、利用企業が保有・利用する外部システムと接続することで、特定のユーザーに限定した情報発信や双方向の効果的なコミュニケーションを可能にすることができる。

 3.「プロフィール+」
 商品やサービスの予約・購入・問い合わせの際に、あらかじめLINEに登録しておいた情報をユーザーの意思に基づき簡単に利用・入力できるサポートツール。

 このように、「Official Web App」の標準機能だけでも、ユーザーにとって便利で親しみのあるショッピング空間を提供することができるのだ。また、そのことにより、企業はさらなる売り上げ拡大を期待できる。

 さらに、LINEの決済サービス「LINE Pay」やポイントサービス「LINEポイント」、スタンプカード機能「ショップカード」などとも連携可能で、これにより、商品・サービスの予約や購入がよりスムーズになるだけでなく、コンバージョン率が向上し、ポイント・スタンプカード等のインセンティブの付与によりリピート率増加も見込むことができる。

 なお、「Official Web App」の利用には、LINEの公式アカウント・LINEビジネスコネクト・LINE@(認証済み/プロプラン)のいずれかのアカウント登録が必要なので、要注意である。

LINEが活発なビジネス空間へ

 これまでは一部企業及びASPに対し、先行で機能の提供を行い、サービスの実装や導入申し込み受付を行っていたようだが、今回、より広く導入を促進することを目的に、「Official Web App」の一部機能に対応した部分の解放を開始したそうだ。そして、今後は「LINEログイン」及び「LINEビジネスコネクト」を標準搭載したWebサービスをLINE上で提供するという。また、「プロフィール+」機能の提供を含む「Official Web App」本格ローンチは今秋を予定しているそうだ。

 また、「Official Web App」は、一部ASPとパートナーシップを結び、自社で連携機能を開発することが難しい企業・サービスに対しても導入促進の支援を行なっていくそうだ。「Official Web App」に対応するサービスを提供するASP一覧は以下の通りである。

 毎日の生活がLINEで始まり、LINEで終わると言っても過言ではないくらいに、日本国内の「生活インフラ」としてLINEは定着している。そして、今や国内利用者数は6800万人以上、つまり日本の人口の50%以上にも上るということである。また、マクロミル社の調査によると、企業からの投稿を閲覧したことがあるというユーザーは50.9%ということから、多くのユーザーがLINEを通じ、企業の情報に接していることがわかる。このように、現在でもビジネスの空間として利用されているLINEだが、これからビジネスプラットフォーム化が進めば、さらなる利用者増加と活発なビジネス空間の形成が期待できる。

 コミュニケーションの空間としてだけではなく、ビジネスの空間として利用されているSNSの今後のさらなる動向に注目し、自社に最適なSNSを選択することができれば、EC事業者はさらなる売上拡大を目指すことができるだろう。


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