買い物リストの自動作成でCVR10%向上、PC版登場!

ECのミカタ編集部

欲しかった商品が埋もれ、購入を断念した話

 先日の筆者の体験を聞いていただきたい。

 とある友人の誕生日が近かったため、PCにてマグカップを探していた。複数のECサイトを開き、比較し「先ほどのECサイトで見た商品にしよう!」を思い、該当ECサイトを訪れた。そして心に決めたマグカップを探したのだが…、見当たらない。先程までじっくり見ていたのに。購入すると決めたのに。結局、他のECサイトの商品を購入し、プレゼントとして贈った。

 皆さんも、このような経験はないだろうか?

 PCでECサイトを開き商品を探すのは、複数のECサイトのタブを開き比較検討できるため、便利である。しかし、多くの商品の情報が消費者を取り巻くため、後から欲しい商品を探すとなっても埋もれて見つからなくなってしまう場合も多い。(そう、筆者のように。)

 そして結局どうしても見つけることができず、または探す手間がめんどくさくなってしまい、購入を諦めてしまうのだ。これは非常にもったいない機会損失なのではないだろうか。消費者は購入する気があったのだから。

 しかし、このような問題を解決してしまうサービスがリリースした。それがEmotion Intelligence株式会社(以下、emin社)が提供する、「Interest Widget(インタレストウィジェット)」のPC版である。

CVR率が10%アップする「Interest Widget」とは?

 もともとemin社は、「Webブラウザ上のユーザーの無意識の行動から次の行動を予測する」という領域に注目して、ECサイト向けクーポン配布最適化サービス「ZenClerk」シリーズを提供している。

 ZenClerkシリーズとは、レスポンスモデリングという機械学習スタイルを利用して、クーポンを配布する時のユーザー反応を予測する。そして好意的な反応を示すであろう人のみに向けてクーポンを配信するサービスである。商品を購入するつもりでサイトを訪れた人へクーポンを配信してしまうリスクを避けることができるため、余計な販促費を使う必要がなくなる。

 そして今までのZenClerkシリーズと組み合わせることによって、相乗効果を期待することができる「クーポンがなくても実施できるCVR向上サービス」のうちの1つとして、「Interest Widget」 の開発に至った。

 ここで興味深いのが、「Interest Widget」開発の経緯。ある日、emin創業者がハンバーガーショップで食事をしていたらしい。その時、女子高生2人組がバイト探しのサイトを見ながら「さっきいいなあと思ったバイト、全然見つからないよ」と話していたそう。しかし探していたバイトは結局見つからずに、諦めてしまった。その姿を見た創業者が「無意識的に気になっていたコンテンツを提示することができれば、もう少しで顧客になり得た滞在ユーザーの機会損失を防げる」ということに気づき、開発に至ったという。

 そして2016年7月にリリースしたスマートフォン版の「Interest Widget」に加え、今回新たにPC版を提供開始した。これにより、PC・スマホ共通して利用可能になった。

 「Interest Widget」は、ECサイトで気持ちよく買い物をするための『お買い物リスト自動作成機能』である。ユーザーは自分でお気に入りリストを作る必要がなくなる。また、無意識に長い時間をかけて見ていた商品を、後から手軽に見つけ出すことができる。その理由は、「ユーザーが興味を持って閲覧していた商品」を機械学習エンジンの『Emotion I/O』が自動的に見分け、ECサイトを訪問したユーザーのブラウザ上にお買い物リストとして表示するのだ。

 このサービスが開発されるまでは、ECサイトにて「この前気になっていた商品が見つからない」「欲しいものリストを自分で管理するのは面倒」などといった声が多かったという。過去に見た特定の商品に辿りつくためには、時間と労力をかける必要があったのだ。しかし「Interest Widget」は、このようなユーザーの悩みを解決し、ECサイトのCVRを上げるサービスである。そしてスマートフォン版では実際に、平均10%程度CVRが向上しており、ユーザーの潜在的な興味商品を顕在化させている。

「Interest Widget」の詳しい説明はこちら

「Interest Widget」機能、6つの特徴

「Interest Widget」機能、6つの特徴実際の表示イメージ

 本サービスには、特徴的な機能が6つある。

①ユーザーが興味を持っていた商品が一定数溜まると、ユーザーのブラウザ上に自動で商品リストを提示する。
 機械学習エンジン『Emotion I/O』が興味を持って商品を見ているユーザーの動きを検知し、一定数の商品をじっくり見ると、ユーザーのブラウザ上にメッセージを表示する。そして、ユーザーへパーソナライズされた商品リストが提示される。

②閲覧履歴・お気に入り機能では賄いきれなかった、興味がある商品をフォローする。
 機械学習エンジンによって、自動で「興味がある商品」のみ保存する。そのため、潜在的な興味商品をユーザーへ再提案することが可能である。

③機械学習エンジンが導いた「興味スコア」を自動で算出する。
 『Emotion I/O』は、ユーザーが興味を抱きながら商品を見ているといった動きを見つけ出すだけでなく、過去の他ユーザーの購買行動から算出した「興味スコア」が高い順にリスト化される。

④クーポンとの併用が可能。
ZenClerkを導入している場合、ユーザーの迷いが発見された際に『Emotion I/O』が自動でクーポンを提示する。そこでポイントなのが、「Interest Widget」内でクーポンが表示されるということ。ユーザーはシームレスにクーポンを利用することができるため、購買行動を後押しすることができる。

⑤非会員ユーザーでも利用することができる。
 非会員・非ログインユーザーでも利用することができ、前回サイトへ訪問した際に作成された「じっくり見た商品のリスト」を再訪問時にも引き継ぐことができる。

⑥2種類のタグを設置するだけ。
 トラッキングタグ、コンバージョンタグの2種類を設置するだけで、手軽に導入することができる。また、ZenClerkもしくはzenclerk liteを利用していれば、そのまま「Interest Widget」の利用が可能だ。

PCでの購買行動の特徴

 ではなぜ今回、スマートフォン版のみならず、PC版をリリースするまでに至ったのだろうか。PCでの特徴的な購買行動として、筆者がそうしたように新しいタブで商品ページを開いたり、他ECサイトや検索サイトで商品を検索・比較する等がある。それは、PCがスマートフォンよりもタブの切り替えのストレスが少ないため、ユーザーは比較行動を行いやすいからだ。

 しかしユーザーに多くの情報が集結することにより、興味がある商品を後に思い出す際に、ユーザー自身で閲覧履歴から探し出さなくてはならない。するとそこまでたどり着かないユーザーが発生し、機会損失が発生してしまうのだ。

 そこでPC版「Interest Widget」を利用することにより、ユーザーの潜在的な興味商品を顕在化することができる。一度ユーザーが興味を持った商品のため、自然に提案し、購入まで促すことが可能なのだ。

 本サービスは、ユーザーへ心地よい買い物体験を提供する。そしてそれは最終的にECサイトの売上へとつながっていくだろう。消費者は買い物において、こういった心地よさを求めているのではないだろうか。筆者は一消費者として、ECサイトへお知らせしたい。


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