ECの購買行動は「口コミ」が鍵?人に薦めたい商品とは【ジャストシステム、マイボスコム調べ】

ECのミカタ編集部

 新しい商品を購入するときに、何となく参考にする「口コミ」。それは、ECで商品を購入するときも同様であり、むしろ、実際に商品の実物を見ることができないECだからこそ、口コミを見てしまうかもしれない。そもそも、口コミは、人に薦めたいからこそ書くのだ。そうであれば、何が薦めたいもので、何が薦めたくないものなのだろうか。

 株式会社ジャストシステムが実施した「商品による口コミ意欲の非対称性に関する実態調査」を基に真相に迫る。

人に薦めたいものは太鼓判を押している飲食店?

人に薦めたいものは太鼓判を押している飲食店?

 大事なイベント時には、必ずお気に入りの洋服を着ていく。この「洋服」に対して、同じアイテムの購入を他の人に「薦めたい」と回答した人は18.5%、「薦めたくない」と回答した人は23.3%であった。性別で見ると、「薦めたくない」と回答した人の割合は女性では26.9%で、男性の19.9%を上回った。要するに、女性は男性に比べて、自分の勝負服と同じ洋服を周囲が着ることを嫌がる傾向にあるようだ。

 さらに、それを「マイカー」にすると、同じ車種の購入を他の人に「薦めたい」と回答した人は15.9%、「薦めたくない」と回答した人は20.1%となった。また、「キッチン用品」では、機能的なキッチン用品を他の人に「薦めたい」と回答した人は28.7%、「薦めたくない」と回答した人は17.4%という結果が出た。

 その他に、よく利用する「飲食店」は、41.1%が他の人に利用を「薦めたい」と回答した。性別では、女性のうち「薦めたい」と回答した人は46.6%で、男性のうち「薦めたい」と思う人(36.5%)を上回った。女性は、美味しさやコストパフォーマンスに自ら太鼓判を押している飲食店を人に教えたがる傾向が強い。

 最後に、口コミをする傾向について、「相手がメリットがある場合でも、アイテムによっては教えるかをためらうことがある」と回答した人は32.9%だった。

商品の購入時に口コミを参考する人は5割超!

 上記の調査で人に薦めたいものと薦めたくないものが分かったが、今度は実際にその「口コミ」を見て商品を購入する人はどれくらいいるのだろうか。マイボスコム株式会社が昨年に実施した「ネット上の口コミ」を元に調べていく。

 商品の購入やサービス利用時に口コミを参考する人は55.8%だった。その口コミを得る場所として、「商品・サービスに関する情報サイト」「商品比較サイト」「ECサイトの口コミレビュー」などが挙がった。いずれにしても、2割弱から3割弱の利用という結果になっている。なお、自ら口コミを書き込む人は4割弱と、口コミを参考する人に比べて低いことが判明した。

 多数の人が口コミを参考にするのは、「価格.com」や「Amazonのカスタマーレビュー」、「食べログ」、「ぐるなび」など多数の商品や店舗が掲載されているサイトだ。一方、情報源として「Q&Aコミュニティ」「SNS」「Twitter」の利用率が低いことから、レビューをする環境が整っているサイトが重宝されている。

 また、実際に「口コミをみて買うことを決めた」と回答した人は34.5%、「口コミでの評判がよい方を買った」と回答した人が33.5%となった。さらに、「口コミをみて買うことをやめた」と回答した人は28.2%だった。やはり、口コミが商品購入に影響していることが分かる。

口コミの利点についての回答者のコメントは…

ユーザー1人1人が楽しく買い物できるように

 ECで商品を購入する際に「本当に購入して良いのか」と悩んだことはないだろうか?商品の説明や写真で良さは分かったものの、実際に手に取ってみないと分からないこともあり、それが悩みの種となる。それが、実際に購入して利用した人の口コミが背中を押す。もちろん、良い口コミも悪い口コミもあるが、それを含めて考える材料となるため、悪い口コミだとしても聞きたいものだ。

 この2つの調査を受け、EC店舗ができることは、ユーザー同士のコミュニティの場を作ることだ。それは、口コミだったりメッセージやり取りだったりと様々な方法が考えられる。なお、そのような場を設けた場合、常に様子を見ておくことが大切だ。「不快な思いをしているユーザーが居ないか」をチェックし、ユーザー全員が楽しく買い物ができるようにすることがEC店舗の大切な役割だ。


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