Instagram「#」、ユーザーの購買行動のヒントに(PASTURE調べ)

ECのミカタ編集部

最近、利用者が増加している「Instagram」。以前まではモデルやタレントの利用が目立っていたが、最近では一般のユーザーもオシャレに写真を投稿するようになった。今回は、Instagram利用者の現状とハッシュタグ「#」の調査について取り上げ、ユーザーの満足度について考えていく。

Instagram利用者は増加傾向!広告を戦略に?

 株式会社ジャストシステムが実施した「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年7月度)」によると、20代女性のInstagram利用率が48.0%だった。2016年1月度調査では28%であったため、急激に増加したことが分かる。一方、男性でも同様に20代のInstagram利用率が最も高かったが、女性とは違い25%に留まった。

モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年7月度)の詳細はこちらへ

 Instagram利用者の増加を受け、最近ではInstagram広告を利用する企業や会社も増加している。同社の同調査5月度によると、Instagram広告経由でサイトを閲覧したことがある人は30.5%、「いいね」をしたことがある人は25.8%となった。また、動画を視聴したことがある人は22.7%、シェア・コメントをしたことがある人は19.5%だった。

 やはり、Instagramを利用している最中に自分が気になる店舗や商品が出てきたら、気になってクリックしてしまうものなのだろう。そしてサイトに訪問し、そのまま商品を購入する可能性が高い。このように、Instagramは商品の購買行動に繋げることができ、かつ、Instagram利用者も増加傾向にあるため、今後、Instagramを活用した売上向上のための戦略を立てることもできるのではないだろうか。

モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年5月度)の詳細はこちらへ

Instagram「ハッシュタグ#」で多い投稿は?

 Instagramの機能として「ハッシュタグ#」がある。これは、他のユーザーの写真と関連を付けるために利用するものだ。例えば、Instagram内で「#チョコレート」と検索をすれば、チョコレートでタグ付けされた写真が多数出てくる仕組みとなっている。そのハッシュタグについて株式会社PASTURE(以下、PASTURE)が調査を実施した。今回の調査は、「Instagramハッシュタグレポート2016 No.13 資生堂篇」である。

 「#資生堂」と同時に付けられたハッシュタグのランキング30では、数多くの中国語や台湾語がクランクインした。その中でも、上位3つを占めるのは「代購」であった。この「代購」とは「代わりに購う」つまり、日本で代わりに資生堂の商品を購入し、Instagram上で販売することである。「台湾代購」と「日本代購」と共に、中国語や台湾語での投稿があったため、両方とも日本の資生堂の商品を代購し、台湾や中国へInstagramを通して販売していることが分かる。

 また、資生堂が元となっているブランドがクランクインしていた。その中でも、サイト上で作った似顔絵にマジョリカマジョルカのメークが施したり、同コスメが入ったギフトセットも作れる「マジョリ画」が人気だ。また、「マキアージュ」「ソフィーナ」も同時投稿されている結果となった。

PASTURE調べ

 さらに、上記のグラフより、「#資生堂」の投稿数と中華圏の訪日外客数を比較すると、相関関係があることが分かる。なお、グラフの青色は2016年の#資生堂のハッシュタグ投稿数の推移を表し、黄色は2016年の中華圏(中国、台湾、香港)からの訪日外客数の推移を表している。このグラフから、#資生堂の投稿数は中華圏からの旅行者数に大きく影響を受けていることが判明した。

 今回の調査により、ハッシュタグによって「どこの国のユーザーが購入するか」ということが明確になることが分かる。もし、ECで新商品を発売するときや、日本ではなく海外で商品を発売するときにInstagramのハッシュタグ検索をしてみると、利用が高いユーザーを絞ることができる。今回の調査に関して言えば、やはり、中華圏のユーザーに日本商品は好感を持たれやすいため、商品がヒットするターゲット層としてはまだ十分に可能性があるだろう。

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