動画やインフルエンサーはECにどう活用できるか

ECのミカタ編集部

 世界中で動画によるマーケティングが注目されているが、日本でもYouTuberが人気を集めるなど、インフルエンサーを活用した動画マーケティングの需要が高まってきている。ECにおいては、動画マーケティングをどのように活用することができるのだろうか。

インフルエンサーをキャスティング!iCON Suiteとは

 YouTuberと企業を繋ぐiCON CASTを運営するTHECOO株式会社(以下、THECOO)は、C Channel100%出資のインフルエンサーマーケティング会社、Yellow Agency株式会社と業務提携を行い、インフルエンサーを活用したプロモーション支援事業「iCON Suite(アイコン スイート)」を開始した。

 「iCON Suite」は、消費者に大きな影響力を持つインフルエンサーのファンの性別や年齢などを分析し、企業がプロモーションを行う際にターゲットとする消費者の属性に適したインフルエンサーを、その分析データに基づきキャスティングするサービスである。

 企業による今までのインフルエンサーのキャスティング基準は、インフルエンサーのファン数やインフルエンサーの漠然としたイメージで行われることが一般的であったが、今回新たにリリースされる「iCON Suite」では、ファンの属性、インフルエンサーのジャンル、コンテンツに対するコメント数、いいね数、リツイート数を総合した影響力で調べることができる。
 
 企業はこうした分析データをもとに、自社の商品やサービスにあったインフルエンサーを選定することができるので、最善な形で消費者へとアプローチできるのだ。今後は、日本だけではなくアジア圏でもサービスを展開していくとのこと。

 そして、こうした動画によるマーケティングを、既にECで活用している企業がある。

Bolomeやワンドウも。ECの弱点を動画がカバー

インターネット上での買い物となるECは、消費者が商品の用途やサイズ感などを充分に理解しきれないという弱点がある。なので、その弱点をカバーし“商品を知ってもらう”という点で、ECと動画は相性が良い。

 動画を活用している企業といえば、株式会社Bolomeの「Bolome」や、Inagora株式会社の「豌豆公主(ワンドウ)」があげられるだろう。両社は、スマートフォンのアプリ上で日本の良質な商品を中国へと販売できるプラットフォームを展開しており、そのマーケティング方法として動画を活用している。

 「Bolome」や「ワンドウ」の場合、日本の商品を中国消費者へと販売する“越境EC”であるため、商品の魅力を正しく伝えるということがより求められてくる。そのため、ここでもKOLと呼ばれるインフルエンサーが起用されており、消費者の購買行動に働きかけている。

 こうした「Bolome」「ワンドウ」による動画の活用方法は、国内EC事業者にとってもヒントとなるだろう。ただ商品やサービス説明のために動画を取り入れるのではなく、そこに適したインフルエンサーを活用することが、動画の効果を倍増させる秘訣となりそうだ。

 また、その適したインフルエンサーを選定するために、「iCON Suite」が活用できるのだろう。ただやみくもに流行にのることが正解ではない。活かせるツールをどのようにすれば最大限活用できるのかを考えることが、成功への近道なのではないだろうか。

 今後、「iCON Suite」は企業のマーケティングにどのような影響をもたらすのか。期待がかかる。

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