TVを見てWebで買う人を可視化「TVエビス」発売

福島 れい

トライステージ×アドエビス共同研究による「TVエビス」

 リスティング広告やTVCM、チラシ等、多くの企業が複数のチャネルを用いて、商品やサービスの宣伝活動を行っているが、各チャネルの効果測定を正確に行うのは難しい。例えば、TVCMで商品を宣伝したとする。このCMを見たユーザーは手元のスマートフォンで商品を検索したり、直接店頭に出向いて購入するか、もしくはTwitterなどのSNSで検索をかけるかもしれない。ユーザーの行動を軸に考えると、どの行動においてもTVCMがきっかけになっているのだが、現状行われているマーケティング手法では、検索からのアクセスはリスティング広告の、店頭での購入はポスターやポップの、TwitterからのアクションはSNSの効果として集計され、TVCMの効果としては認識されにくいという現状がある。

 そこで、ダイレクトマーケティング企業を支援する株式会社トライステージ(以下、トライステージ))と株式会社ロックオンは、共同で研究開発を進めていたテレビ通販マーケティングの効果測定を可能にする「TVエビス(テレビエビス)」を発売した。

 TVエビスは、従来Web上の効果測定を行うアドエビスとトライステージが保有するテレビ放送枠ごとの購買データ及び、テレビ通販自称を通じて培った様々なノウハウとを掛け合わせることでTVCMとWebの両メディアの相関関係をテレビ枠ごとにリアルタイムに成果を可視化することができるサービス。TVエビスを用いることで、これまで実現できなかったTVとWebのクロスチャネルによるマーケティングのPDCAサイクルの実現とROIの改善につながることが期待できる。

 新規顧客の集客を増やすため、広告を活用した宣伝活動に力を入れている企業は多いことだろう。出稿する広告数を増やせば、集客数が増加するのは事実だが、その中にはそれほど大きな効果を発揮していない広告も含まれている可能性も大いにある。広告を出稿して満足するのではなく、その効果測定までをしっかり行い、より効果の高いものを選択することが、ROIを高め、企業の長期的な成長につながるのではないだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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