【ECで地方創生】ふるさと納税・お取り寄せグルメ 比較(株式会社マクロミル調べ)

ECのミカタ編集部

 株式会社マクロミルは、「お取り寄せグルメ」と「ふるさと納税(返礼品)」の利用状況について調査を行った。調査は、20歳~69歳の男女を対象に実施。調査期間は2016年9月15日(木)~9月16日(金)。有効回答数は1,000人。

「ふるさと納税」を利用する目的は○○

「ふるさと納税」を利用する目的は○○「ふるさと納税」を申し込んだ理由

 2016年も後半に入り、「ふるさと納税」という言葉を耳にすることが多くなった。ふるさと納税は、個人が2,000円を超える寄附を行ったときに住民税のおよそ2割程度が還付、控除される制度であり、加えてその土地の名産品が返礼品として貰えるため、二度嬉しいこの仕組みが人気を集めている。

 当調査内「ふるさと納税を申し込んだ理由」という質問でも、「返礼品が魅力的だから」といった回答が70.6%にも及んだ。ふるさと納税の本来の目的である「都道府県・市町村への寄付」よりも、大多数の人が「返礼品」を目的に申し込んでいる様子が伺える。

 このような結果から、「ふるさと納税」を利用する目的と地方の名産を取り寄せる「お取り寄せグルメ」との目的が似通っている印象を受ける。「ふるさと納税」と「お取り寄せグルメ」それぞれを、利用者はどのように目的をすみわけて利用しているのだろうか。また、品物を選ぶ消費者心理を理解することは、EC店舗にとってどのようなメリットがあるだろうか。

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EC店舗も無視できない、地方創生がもたらす恩恵

EC店舗も無視できない、地方創生がもたらす恩恵リピート意向

 まず、「お取り寄せグルメ」と「ふるさと納税」の利用状況について、「お取り寄せグルメ」は48%が「経験あり」と回答しているのに対し、「ふるさと納税」は8.5%に留まった。少ない割合に見えるが、実際のところ、2015年のふるさと納税は約1,653億円(前年比約4.3倍)もの実績がでており、申込者は年々増えている。

 また、「ふるさと納税を今後も申し込みたいか」という質問に対して、78%もの人が「今後も申し込みたい」と回答しており、ふるさと納税は今後も順調に伸びていくと考えられる。

取り寄せたことのあるもの

 「お取り寄せグルメでお取り寄せしたことのあるもの」「ふるさと納税の返礼品として受けとったことがあるもの」という、品物のジャンルを問う質問に対しては若干の違いが感じられる。基本的にはそれぞれ肉や魚が人気だが、ふるさと納税のランキングには入っていない「お菓子・スイーツ」が、お取り寄せではランキング1位となっている。

 これは、お取り寄せグルメを取り寄せる目的が「自分のため」など個人での消費であるのに対し、ふるさと納税は「家族のため」といった、比較的日常で利用できるものが積極的に選ばれていることからも考えられるだろう。

取り寄せる際重視すること

 そして「何を重視して品物を選ぶのか」という問いでは、ふるさと納税の返礼品で27.2%の人が「お得さ」を最も重視しているのに対し、お取り寄せグルメは「味」が最も重視されている。よって、お取り寄せグルメは、ふるさと納税の返礼品よりも比較的高価なものが選ばれているのではないかと思う。

 このように、「ふるさと納税」や「お取り寄せグルメ」で、利用者がどのような目的をもって、どういった品物を選んでいるかを知ることは、EC店舗にとってマーケティングになるのではないだろうか。

 また、地方創生といったテーマでも、「ふるさと納税」や「お取り寄せグルメ」は大きな意味を持っている。「ふるさと納税」はイメージがつきやすいかもしれないが、「お取り寄せグルメ」においてはEC店舗のプロモーション次第で「この地域はこの品物」といったように、自社の商品がその地域の名品として認識される可能性もあるだろう。

 そして、その地域の名品となれば「お取り寄せグルメ」のみならず、「ふるさと納税」の返礼品として自治体に選出されるかもしれない。一見、ECとは関係ないように思えることからもしっかりと情報を集め、自社のプロモーションに活かしていくことが、他店舗と差をつける方法のひとつといえるのではないだろうか。


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