STORES.jpのブラケットがスタートトゥデイから独立、代表交代

ECのミカタ編集部

 株式会社ブラケット(以下、ブラケット)が、経営陣による事業継続を前提とした株式を取得する取引であるマネジメント・バイアウトを実施した。そして、親会社であるファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイ(以下、スタートトゥデイ)が保有しているブラケット株式の全株式を買い取ったと発表している。

 また、ブラケットの代表取締役を、創業者の光本勇介氏から塚原文奈氏に交代することも併せて公表した。

ブラケット、スタートトゥデイ完全子会社化のメリット

 ブラケットの主な事業として、オンラインストアを作ることができる「STORES.jp」の運営が挙げられる。「STORES.jp」とは、「誰でも簡単に数分でオンラインストアが作れる」をコンセプトとし、最短2分で作成可能だ。

 2012年9月にサービス提供をスタート、2013年8月にスタートトゥデイの完全子会社へ。子会社になった当初は、約4万店のオンラインストアが開設されていた。そこから店舗数、流通総額、売上、営業利益といった部分で総合的に成長を遂げてきた。現在に至っては開設店舗数は、約70万店にものぼるという。

 ここまで成長したのは、スタートトゥデイの完全子会社化したことが大きいだろう。もともと子会社化に至った要因として、「STORES.jp」で解説している店舗の約70%がアパレルカテゴリー関連だったことや出店店舗からの販売支援サービスや物流サービスの需要が高まっていたことがある。

 そんな中連携することで、スタートトゥデイにとっては「ファッション分野以外の新しい分野への進出検討のきっかけ」に、ブラケットにとっては「「STORES.jp」に付随する広範囲での様々なサービス展開のきっかけ」となるため、2013年8月に完全子会社化へ踏み出した。

ブラケットの独立後、「STORES.jp」の発展は?

 そして今回、スタートトゥデイが保有しているブラケット株式の全株式をブラケットが買い取った。

 代表取締役兼CEOであった光本勇介氏は、ブラケットの経営基盤となる複数のサービスの立ち上げを行ってきた知見を活かして、取締役会長として携わりながら新規事業を生み出すことに専念するとしている。また、新しく代表取締役兼CEOを務める塚原文奈氏は、2012年にブラケットに参画した後、光本氏と共にサービスの拡大へと導いてきた経緯がある。

 マネジメント・バイアウトを実施し、代表者交代を行うことにより、ブラケットはよりスピーディーで融通性のある経営判断を行うことができるようになるだろう。ブラケットはスタートトゥデイの子会社として積んだ経験を活かし、「STORES.jp」を中心としてインターネットビジネスによる新しい価値の提供に遮二無二突き進むとしている。

 スタートトゥデイの子会社になり、「STORES.jp」の出店店舗を始めとした数字を伸ばしてきたブラケット。よりスピード感を持って経営判断できるようになった今、さらにサービスを充実させていくことだろう。「STORES.jp」は誰でも手軽にオンラインストアを作ることができるサービスのため、ECに参入する個人や事業者も増えるはずだ。今後の盛り上がりに期待したい。


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