【完全ガイド】失敗しないメール管理ツールの選び方

ECのミカタ編集部

メール管理ツールの選び方

「メール」対応を後回しにする店舗は成長できない

 EC店舗においてお客様とのコミュニケーションに重要な役割を果たしているのが「メール」だ。24時間365日連絡を受けることができるメールは、EC店舗の利便性を活かす連絡手段と言える。しかし、EC店舗は少ない人数で運用していることが多い。店舗が成長する時や繁忙期など、注文が増えるのは嬉しいが、同時に問い合わせも増えて対応が後回しになりがちだ。

 一方で、お客様が店舗に求めるスピードは早くなり続けている。その背景としては、スマートフォンの普及により、情報検索も買い物も連絡手段もスマホ1つで完了するようになったことがある。また、大手モールや大手企業がスピードを売りにするサービスを展開し、定着してきたこともあるだろう。EC通販において問い合わせ対応が遅かったり不快なものであったりした場合、9割以上の人が他の店舗で買い物をするというデータもある。

メール対応、お客様が離れる5つの主原因

 お客様からのメール対応で、トラブルとなりやすいのは以下のような点だ。

・対応漏れ
・対応の遅れ
・二重対応
・スタッフによる対応品質のばらつき
・担当者不在による情報共有不足

しかし、日々の業務に追われる中で、どんなに頑張っても、どんなに注意しても、これらを人の手だけで解決するののは限界がある。そこで、注文数が伸びるEC店舗が導入しているのが「メール管理ツール」だ。

 実は、一般的なメーラーのほとんどは、個人対個人のやり取りに適したもので、お客様からの問い合わせに答えるといった、個人と企業のやり取りには不足がある。「メール管理ツール」は、お客様からのメールを店舗全体で共有し、対応状況を把握、管理するためのツールだ。これにより、EC店舗で起こりがちなメール対応の問題を解決することができる。

どう選ぶ?メール管理ツール

 メール管理ツールにはどのようなものがあるのだろうか。代表的な3つのサービスについて見ていきながら、このツールを選ぶ際のポイントをまとめていく。

 ツールを選ぶ前にまず、自社のEC店舗がどのような形態で運営しているのか、今後どのような形を考えているのかを明確にすると良いだろう。具体的には、以下のようなポイントがある。

・店舗数と店舗形態(自社店舗、モール出店など)
・店舗で使用しているメールアドレス数
・メール対応担当のスタッフ数
・日毎、月毎のおおよそのメール数
・予算の範囲

これらを明確にした上で、自社の店舗が求める状態に合ったサービスを検討していく。今回は、代表的なメール管理ツールとして、「Mail Dealer(メールディーラー)」「Re:lagion(リレーション)」「サイボウズ メールワイズ」の3つのサービスについてまとめていく。

メール管理ツール、3つのサービスの特徴まとめ

 メール管理ツールの基本的な機能としてまず、届いたメールを全体で共有し、そのメールに誰がどう対応しているのか、全体で把握し管理できるという点は共通している。また、テンプレートによりある程度メールの品質を標準化できるという点も、基本的な機能だ。

 これら基本的な機能をどう使っていけるか、また基本から派生してどのような機能が連動しているかに、各サービスの特徴が現れてくる。どのサービスを利用するのが良いかは、当たり前だが自社の店舗の運営状況によるので、導入を検討する際にはそれを見極めることが重要だ。そのために参考になる情報をお伝えする。

各サービスのまとめ、機能一覧表は次ページへ

現場の声を反映、スタッフが使いやすい「Mail Dealer」

現場の声を反映、スタッフが使いやすい「Mail Dealer」11年連続で売上シェアNo.1のメールディーラー

 「Mail Dealer(メールディーラー)」は、株式会社ラクスが開発・提供しているメール管理ツールだ。その特徴としては、メール管理ツールとして一番長い経験を持ち、導入社数約5,000社という、多数の事例とそれに基づくノウハウが蓄積されている点が挙げられる。そのため、様々なステージの店舗に対応が可能だ。元々は自社で使用していたシステムで、顧客からの要望を受け販売を開始、当初からEC店舗の利用が多かった。

 その中で、10年以上に渡りEC店舗の現場の声を反映した機能追加、システム改善を行っており、現場のスタッフが日々の業務の中で使いやすいという点が優れている。例えば、お客様との過去のやり取りをワンクリックで表示できたり、テンプレートのうちから条件にあった文面を推薦する機能などがある。各種受注システムとの連携により注文伝票画面を相互呼び出しも可能で、注文状況を確認しながらのメール対応が簡単にできる。

 最近では新機能として、メールの誤送信防止や、添付ファイル自動暗号化、ドラッグ&ドロップ操作などが追加された。また、電話サポートが充実しており、設定支援やアクティブサポートも行っている。

※本記事経由のお申込で、初期費用50,000円が半額25,000円になる特典あり。ただし下表では初期費用なしの最安プラン「楽天プラン」をご紹介しております。詳細はお問い合わせください。

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キャリアメール、SNS・LINE対応の最新システム「Re:lation」

キャリアメール、SNS・LINE対応の最新システム「Re:lation」最短1日で使いこなせるほど洗練されたUI/UX

 「Re:lation(リレーション)」は、(株)インゲージが提供しているメール管理ツールだ。その特徴としては、EC店舗をメインターゲットとし、顧客満足度向上のためには顧客対応力の向上が必要だという考えから開発されている点が挙げられる。

 EC市場では、ここ数年でモバイル経由の利用が急増し、店舗への連絡もモバイルで行われるようになった。連絡の面だけで言えば、これはスマホ普及前からの傾向と言えるだろう。しかしモバイルのメールアドレスへの返信では、メールが正しく届かないという事態も発生していた。そこでリレーションでは、モバイルのメールアドレスにも確実に届く仕組みを作った。これは他のメール管理ツールにはないリレーション唯一の対応だ。さらに最近のスマホの普及に伴う変化にも対応し、TwitterやLINEでお客様とのコミュニケーションも可能になった。こういったEC市場の変化を的確に捉えた機能が、リレーションの大きな特徴だ。

 EC店舗は、小さな規模で始めるということが多い。リレーションには永久無料のフリープランがあるため、そういった小規模のEC、スタートアップの店舗でも気軽に導入することができる。また、メール対応履歴をタイムラインで確認することができるため、過去のやり取りを瞬時に把握できる。少人数だからこそ、一人一人のお客様の心をしっかりと掴むことが重要であり、そのためにメール対応を的確かつ迅速に行うことは欠かせない。

小規模でも導入しやすい「サイボウズ メールワイズ」

小規模でも導入しやすい「サイボウズ メールワイズ」1ユーザー500円で2名から利用可能なメールワイズ

 「サイボウズ メールワイズ」は、サイボウズ株式会社が開発・提供しているメール管理ツールだ。その特徴としては、ECやカスタマーセンター以外にも対応できる業務の応用範囲の広さが挙げられる。サイボウズでは創業時からグループウェアのライセンス販売をネット上で行っており、顧客の増加と共に、問い合わせ対応の遅れや対応漏れ、二重対応など、まさに現在のEC店舗が抱える同じ問題が起こるようになった。そこで自社用のメール管理システムを開発したが、グループウェアと共にメディアへ取り上げられたことで多くの反響があり、製品化に至ったのが「メールワイズ」だ。

 「メールワイズ」最大のメリットは、圧倒的なコストパフォーマンスにある。クラウド版は1ユーザー500円で2名から利用可能だ。別途費用も必要なく、インターネットにアクセスできる環境があれば簡単に導入、利用できる。その利便性と手軽さにより、「メールワイズ」は現在、クラウド版・パッケージ版を合わせて7,500社を超える企業に導入されている。

 また「メールワイズ」は、サイボウズの主製品の1つである「kintone」と機能を連携している。「kintone」とは、顧客マスタや受注管理などの業務アプリを自由に作成できるサービスだ。「メールワイズ」と連携することで、「kintone」でカバーした管理業務をより効率化してワンストップで行えるだけでなく、メールワイズの対応履歴一覧と連動して表示と問い合わせ内容を閲覧できるようにしたり、「kintone」に登録した顧客リストを使ってダイレクトに一斉送信するところまで対応できるのだ。

※ 2016年11月上旬に、iPhone用アプリ「メールワイズ for iOS」がリリースされる。

「サイボウズ メールワイズ」詳細資料はこちら
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メール管理ツール、3つのサービス一覧表

メール管理ツール、3つのサービス一覧表

 上表は、3社のサービスを一覧化したものだ。どのサービスが一番良いというわけではなく、各社それぞれに得意な点が違い、上表はそれを視覚的に分かりやすくしたものなので、詳細は前述の紹介と以下の説明を参考にしていただきたい。

 開始時期としては、メールディーラーが3社の中で最初で、実績の面でも導入社数約5,000社と多くの企業で導入されている。EC企業はもちろん、それ以外のジャンルの企業にも導入が進んでいる。リレーションは2014年開始と比較的新しいサービスだが、導入社数約2,200社と早いスピードで導入が進んでいる。EC企業の導入が多いのも特徴だ。メールワイズは、EC企業以外にも幅広いジャンルの企業で活用される傾向にあり、導入社数は約7,500社と多くの企業で利用されている。

 また、前述の各社のサービス紹介と重複する部分もあるが、メールディーラーは複数の受注システムと連携しているのも特徴で、EC企業にとって利便性の高いサービスと言える。リレーションの特徴的な点としては、携帯メールにもきちんとしたメールが送れる機能や、Twitter、LINEでの連絡にも対応していて、スマホ利用率の高まるEC市場に対応したサービスと言える。メールワイズは自社サービスのkintoneとの連携や、iPhoneアプリのリリースなどが特徴と言える。

 サポート体制としては、メールディーラーは長年の実績と蓄積されたノウハウの基、専任スタッフが丁寧かつ素早い対応を行うことで定評がある。リレーションではチャットによるサポートを行っており、EC業界の最先端を取り入れた体制を組んでいる。メールワイズでは導入前後の個別相談会や、製品ブログなどで導入企業の疑問などに対応している。

 最後に初期費用と月額費用だが、条件によって様々なプランや設定があるため、上表では各社が公表している一番安いプランを記載している。

 以上を見ていただくと、全ての店舗にとって一番良いというサービスはなく、自社に合ったサービスを選ぶことの重要性が分かってくると思う。数あるECサイトの中から自社のECサイトを選んでくれたお客様に、自社のECサイトの魅力をしっかりと知ってもらい、長い関係性を育むためにも、このタイミングでぜひ「メール」対応を見直していただきたい。


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