通販大好き県、第1位は〇〇?年間利用額は約11万円(JADMA調べ)

ECのミカタ編集部

 公益社団法人 日本通信販売協会(以下、JADMA)が、直近1年で通販を利用したことがある20代~60代の男女計10,000人を対象にしたインターネット調査を行った。この結果から、全国47都道府県ごとの通販利用の実態が見えてきた。

 またこの結果に対して、県民性研究の第一人者である矢野新一氏が、県民性の観点から通販利用状況分析した。 都道府県ごとの通販・EC利用の特性はどのようなものなのだろうか。

通販大好き県、第一位は東京!

通販大好き県、第一位は東京!1年間の通信販売利用額

 「1年間の通信販売利用額は総額でいくらぐらいですか?」という質問に対して、1位に東京都、利用額は114,025円という結果になった。全国の平均額が88,379円のため、東京都は平均額の約1.3倍である。続いて2位は千葉県、5位に埼玉県と首都圏が上位にランクインしている。一方、最も利用が少なかったのが石川県。1位と比較すると40,000円以上の差ができた。

 また、「通販をどのくらいの頻度で利用していますか?」という質問に対して、週3回以上・週1~2回程度・月に2~3回程度と回答した、購入頻度の高い「通販ヘビー層」の割合も東京都が1位で47.7%だった。さらに2位の京都府、3位の宮城県も、通販利用額では上位にランクインしているため、通販を好む県民性が伺えるだろう。

 矢野氏はこの結果について、年間通販利用額は東京都が1位で114,025円と、109,750円で2位の千葉県を大きく引き離している。東京都民の利用額が多い理由として、江戸時代以降に日本の中心地として栄え、目の肥えた人が多いため、 良いものを買っているためとコメント。

 また、2位千葉県、3位宮城県、4位京都府、5位埼玉県と上位に大都市を抱えた県が並んでいる理由は、東京と同様に目の肥えた消費者が多いためとしている。逆に、最も少なかったのは石川県で、加賀百万石を守るため、控えめで事を荒立てなかった歴史がある。そのため、行動や判断が慎重になる傾向があることが原因とのこと。

スマホで通販県、九州地方と沖縄地方が強し!

スマホで通販県、九州地方と沖縄地方が強し!スマートフォンでのネット通販利用率

 「ネット通販を利用する際、どのデバイスで利用することが多いですか?」という質問に対して、通販をスマホメインで利用している「スマホで通販県」の1位は沖縄で44.5%という結果になった。「スマホで通販派」は 全国平均で28.0%だ。続いて2位佐賀県、3位宮崎県、4位長崎県と九州・沖縄地方が上位を占めている。

 一方でパソコンをメインに通販を利用している「PCで通販県」は、1位北海道で82.7%と高い数値が出る結果に。「PCで通販派」の全国平均は68.0%。「PCで通販県」の2位は愛知県、3位埼玉県、4位兵庫県、5位神奈川県と大都市を抱える県が高い傾向が見られる。まだ「スマホで通販派」よりも「PCで通販派」の方が多いが、現在スマホからのインターネットアクセスが増えているため、今後はさらに差を縮めていくのではないだろうか。

 また、北海道でのスマホ派は14.8%に留まり47位に、逆に沖縄のPC派は51.8%とやはり47位となった。都道府県の県民性によって、利用率の高いデバイスがはっきり分かれることが判明した。

 この結果に対して矢野氏は、沖縄県のネット通販でのスマホ利用率が高いのは、沖縄県のスマホのキャッシュバック競争の影響が大きいとコメント。沖縄県は2012年の夏商戦以降、「家族4人で41万円」といった高額キャッシュバック競争が発生。これにより盛り上がり度全国N0.1と言われる沖縄県民がノリに乗ってスマホが一気に普及したためだという。

 また、沖縄県や九州地方の人はおおらかな性格が多い。操作が難しそうなパソコンよりも、簡単に扱えるスマホが県民性に合っている。そのため沖縄県や九州地方はスマホ利用率が高いと分析。逆に北海道の人たちは几帳面な性格が多く、特に支払いなどについてはしっかりしているため、スマホよりもパソコンを利用しているのではないだろうか、とコメントしている。

通販でギフト県、第一位は三重県!

通販でギフト県、第一位は三重県!通販でのギフト経験率

 「この1年間に通販でギフトを贈りましたか?」という質問に対して、「贈った」という回答が多い「通販でギフト県」の1位は三重県で52.5%となった。全国平均は46.4%という結果に。全国平均でも半数近いため、日本国民はギフトを贈るのに積極的に通販を利用していることがわかる。

 また、1年以内に通販でギフトを贈った人に「どのイベントで通販ギフトを贈りましたか?(複数回答)」と質問したところ、「誕生日(全国平均 48.3%)」が最も高かった。続いて「母の日・父の日(全国平均 33.0%)」、「お歳暮・ お中元(全国平均26.3%)」が上位に。日本はイベントでギフトを贈る機会が多いため、様々なイベントで通販ギフトを積極的に利用していることがわかった。その中で、最も高いイベントである「誕生日」の都道府県別での1位は香川県で60.2%という結果になった。

 この結果に対して矢野氏は、通販でのギフト経験率1位の三重県は津や四日市などの地域によって気質が異なるが、ルーツはいずれにしても伊勢商人。経済観念が発達しており、通販ギフトの方が“お得さや手早さを感じる”からではないかとコメント。

 また、誕生日でのギフト通販利用率1位の香川県については、女性教育が盛んだった背景から女性は何事にも積極的で自立志向が強い。そのためプライドが高く海外のブランドなどの高級品が大好き。男性は女性の誕生日に、それなりの商品をプレゼントをしているのではないだろうかと分析。そして家族団らんを大切にする県民性のため、親から子への誕生日プレゼントが盛んなんのではないかと考えている。

県民性を理解し、商いすること

 今回の調査結果で、都道府県によって全く違う県民性があり、それが通販・ECの利用にも反映されていることが判明した。

 今後インターネットを使って商品を売るには、こういった県民性を理解し、都道府県ごとに適性な戦略を立てていくことが重要になるのかもしれない。そうすることで消費者の心におもてなしの対応や商品が突き刺さり、いつまでも愛されるサイトへと成長していくのではないだろうか。


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