佐川急便 他3社、新たな物流実現に向け共同トライアル

ECのミカタ編集部

生鮮品などの鮮度を保つ輸送へ

 株式会社ジェイアール貨物・南関東ロジスティクス(以下、ジェイアール貨物・南関東ロジスティクス)、一般社団法人日本事業者団体連合会(以下、日本事業者団体連合会)、株式会社O′s&Tec(以下、O′s&Tec)、佐川急便株式会社(以下、佐川急便)の4社は、リノベーションコンテナ「氷感SO庫」・「SORAコン」の共同トライアルを開始したことを発表した。2016年11月28日より実際に運用されている。

 「氷感SO庫」とは、食材を凍らせずに鮮度を保つことができるコンテナである。このコンテナのメリットとしては鮮度キープが長期にわたって出来る点にあるだろう。そのため、長距離配達の際にも、良質な状態で顧客へと商品を届けることができるのだ。これが実現する理由は、汎用コンテナに冷却システムと氷感システムを付け加えているからだ。保管時は外部電源、輸送時は蓄電池によって低温管理を可能にしたため、コンテナひとつで保管と輸送を具現化している。

 そして「SORAコン」とは、24時間換気することができるコンテナである。特殊塗装を施した汎用コンテナに太陽光ソーラーパネルを設置することで、コンテナの中のファンを作動させる。そのため、時間を問わずに換気し続けることができるのだ。そして換気扇によって空気を強制的に循環させることにより、コンテナの中の温度と湿度を安定させる。結果、輸送する際も保管する際も、常温で積載物の品質を保つことができるようになる。

 10月にプレゼンテーションイベントを行ったときに、コンテナ輸送での「氷感SO庫」と「SORAコン」の稼働テストは成功。そして今回、共同トライアルをするに至った。そして今回の共同トライアルは、「氷感SO庫」で東京~北海道、および東京~九州間での生鮮品や花卉などの輸送検証を行う。そして2017年4月から量産化並びにサービス提供を目指すとしている。

 日頃、ECサイトが顧客へ送る商品を配送している佐川急便。このトライアルに参画することにより、鉄道輸送を利用した新しい保冷輸送を構築することになるだろう。特に鮮度が重要になってくる商品を販売しているECサイトにとって、顧客の満足度を向上させていくようなサービスなのではないだろうか。顧客へ、1番良い状態の商品を送る手段が増えるのだ。佐川急便らの本トライアルは、配送の未来だけでなく、ECの未来までも切り開いていくものだと思う。


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