LINE Customer Connect、SBI証券も導入。広がる顧客対応の可能性

ECのミカタ編集部

 LINE株式会社(以下、LINE)は「LINE Customer Connect」において、株式会社SBI証券(以下、SBI証券)がLINE上でAIエンジンを活用した対話型FAQサービスの試験運用を開始したことを発表した。「LINE Customer Connect」の外部企業による導入案件は、本件で第2弾である。

「LINE Customer Connect」とは?

 「LINE Customer Connect」とは、LINEが提供するコミュニケーションアプリ「LINE」を活用した法人向けのカスタマーサポートサービスである。本サービスを利用することで、ユーザーと企業のコミュニケーションを円滑にし、利便性を躍進させることができる。また、企業にとって機会損失や人件費の削減を図ることができるのもメリットだ。これは、LINEのビジネスアカウントのオプションサービスとして来春を目処に本格的に提供開始される予定だ。

 「LINE Customer Connect」を導入することにより、自社サイトやLINEアカウントから届いた問い合わせに対して、LINEアカウント上で対応することができるようになる。今、日本ではメールよりもLINEでのやり取りが主流になってきている。そのため、LINEアカウント上で問い合わせに対応することができるというのは、ユーザーと素早く密なコミュニケーションを取ることが可能になるはずだ。

 また、本サービスと連携するシステムによって、普段カスタマーセンターで行っている有人の対応と事前に登録するFAQをベースとしたAIによる自動応答を相互に切り替えることができる。AIで行う対応においては、ユーザーが満足できなかった質問を蓄積していく。そして、随時FAQを機械学習や有人対応でアップデートしていくため、解決率を継続的に向上することが実現するのだ。

「LINE Customer Connect」の可能性

 そして今回、「LINE Customer Connect」のLINE上でAIエンジンを活用した対話型FAQサービスを試験的に運用する運びとなった。SBI証券が「SBI証券 カスタマーサポート」LINE公式アカウントを新たに開設し、「LINE Customer Connect」の連携パートナーである株式会社BEDORE(以下、BEDORE)の汎用型対話エンジン「BEDORE(ベドア)」を活用する。そしてLINE上で、AIエンジンを活用した対話型FAQサービスを使い、顧客応対を試験的に行っていくのだ。

 「BEDORE」を活用する「SBI証券 カスタマーサポート」LINE公式アカウントでは、ユーザーから問い合わせがきた際に、概して言語解析・処理が行われ、クオリティが高い適切な回答が自動表示される。また「BEDORE」には、ユーザーから届く問い合わせ内容を理解する自然言語処理機能の他にも、最先端の深層学習機能を搭載している。そのため、ユーザーからの問い合わせ内容と回答内容を検証していくことによって、自動学習を繰り返す。その結果、回答内容の精度向上が実現するのだ。

 LINEは現在、日本人口の約半数が登録しているサービスと言われている。もはやこのコミュニケーションアプリがないと、連絡が取れないという人も多いのではないだろうか。そんな日本人の生活と密接に関わっている「LINE」というサービスを利用し、「LINE Customer Connect」を導入してユーザーとコミュニケーションを取ることが、ECサイトとユーザーの絆を深めていく重要な一手になるのではないだろうか。そしてAIを活用した自動応答を取り入れることで、企業に負担をかけることなく運用することができる。

 今回第2弾の試験運用としてSBI証券が導入したが、今後も参加企業は増えていくのだろうか。導入したことによる多くの成功事例が出てくるのが楽しみである。


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