EC業界News1週間まとめ〜タワーレコードniceなEC活用/アスクルがヤフー連携しLOHACOに賭ける意味

石郷“145”マナブ(編集長)

こんにちは。
メディア編集部の石郷です。

今週、読まれた記事は、こちら。
2016年Google検索ランキング、1位に輝くワードとは【Google調べ】
https://www.ecnomikata.com/ecnews/12716/
今更聞けないネット通販〜Amazon/楽天/ヤフーは何が違う?
https://www.ecnomikata.com/ecnews/12647/
アスクル17年5月期2Q決算〜LOHACOの今後は?岩田社長に直撃/ヤフー連携の意義
https://www.ecnomikata.com/ecnews/12765/
いきなり!ステーキに聞く!ECへの誘導率6倍のファン化施策
https://www.ecnomikata.com/original_news/12418/
R∞活用のCRM施策、タワーレコードの売上向上の秘密
https://www.ecnomikata.com/ecnews/12033/

タワーレコードで、ECにできることの意味を思う

 今回の読まれた記事を見ていて感じることは、ネット通販においては、いかに接客が重要か、ということです。まずタワーレコードの事例においては、R∞を活用し、クーポンの活用の仕方一つにおいても、R∞を使った事例においては、お客様が商品購入20日後にメールを送り、それでも未購入だった場合、45日後になって初めて、クーポン付きのメールを送るというのです。画一的にお客様にアプローチするのではなく、ネットの強みであるデータを活用して、お客様の気持ちに即したプロモーションができるというわけです。

 つまり、ここに実店舗とは違った差別化要因があるとして、ECでの施策も、実店舗同様に重きを置いていると言って良いでしょう。ただ、これもそういうメリットがあることを前提とした中であることで、なんでもネット通販を使えば、売上が上がるというのではなく、ネット通販における役割をしっかり、タワーレコードが理解した上で、活用していることが大きいと思います。

 いきなり!ステーキの事例においても、そうです。同店では肉を食べれば食べるほど、食べた肉のグラム数が溜まっていき、それが肉マイレージとして換算されていきます。ありがちな店に行った回数、金額ほど、ポイントが貯まるというのではなく、敢えて、食べた分量という基準にして、肉への愛を推し量るわけです。

 でも、客観的に見れば、肉マイレージカードもまた、通常の肉を食べるという行動をデータ化し、それをエンタメ化しているところが見事だと言えます。食べれば食べるほど、そのマイレージがたまり、今度はたまったマイレージをランキングして、お客様の気持ちを盛り立てます。アプリを開く回数も増え、店に行く回数も、食べる量も増えていきます。

 CRMとはお客様をいかに飽きさせず、気持ちを途切れさせないで自分の店へと惹きつけ続けられるかというところにありますが、それは決まりがあるわけではありません。これもまた、この店らしい惹きつけ方でネットの強みを生かしたナイスアイディアだと思います。また、そこにEC機能を添えることで一層の顧客単価向上を見込めるといえるでしょう。

アスクル岩田社長と話して見えてきたLOHACOのホンネ

 あとは、アクスルの決算に関する記事もよく読まれました。連結業績の概要(17年5月期2Q累計)に関しては、売上高は1650億9000万円で前年度同期比で110%となっていて、過去最高です。売り上げ純利益は371億8100万円で売上高に対して占める比率は22.5%となり、当初の予定より若干の未達。販管費は335億3900億円で、営業利益が36億4100万円で計画よりも4億円増、経常利益は35億8500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億500万円となっています。

 この決算の後に、岩田社長と話す機会があり、改めて、企業とは常に現状に甘んじることなく、成長し続ける姿勢にこそ、意味があるんだと思いました。アスクルはご存知の通り、BtoBで多くの事務用品などをメーカーから仕入れて、全国のありとあらゆる事務所に直接提供しています。ここまで成長していて、彼らが次なる成長戦略として選んだのが、まさにネット通販だった、というのを岩田彰一郎社長の言葉の節々に感じました。

 つまり、多くのメーカーとの繋がりを持つアスクルは、多くのメーカーが抱える流通の限界などを実感していたわけです。小売店の棚割りはメーカーごとに決まっていて、リアルの店舗では、当然、そのサイズにも限界があります。また、そこで企業として、多額の宣伝費用を使って、商品のブランド名を売って、それ故、そのブランド名を明らかにわかるように商品自体に記載していたりします。

 ところが、それが全てなのでしょうか。
全てではない。商品の持つ可能性はここにあった。それは次のページで

moogyの大ヒットが示す、新たな商売の可能性

 ネットがこれだけ普及してきた今、メーカーの持つ商品のポテンシャルをもっと違った手段で広げて、新たな商機を見ようとしたわけです。だから、ヤフーの子会社になって、LOHACO事業にも力を入れるわけです。

 アスクルは「LOHACO ECマーケティングラボ」という集まりを作りました。そこでは100社を超える企業が集まり、LOHACOお客様にまつわるデータをメーカーの垣根を越えて開示し、企業間の枠を超えて、本当にお客様に求められているものはなんだろうと追求したのです。

 そういう発想でいくと、キリンの麦茶「moogy(ムーギー)」という商品が生まれるわけです。それは飲み物でありながら、入っている容器が雑貨のようなのです。ロゴなど入っていないし、麦茶の麦の字も書いていない。これらが例えば、実店舗の売り場に並んでいたら、どうでしょうか。多分、店のスタッフは売りにくいとして、拒絶していたと思いますが。ネットでこれを販売したところ、広告ではなく、Instagramなどで多くの消費者から取り上げられ、大ヒットとなったのです。

ECにできる事を理解して初めて小売全体に影響力を持てる時代に

 僕はここがすごく大きなポイントだと思っていまして、今までのマスメディアと言われたマーケティグの手法とは違った形で、商品が売れているということなのです。これがアスクルの岩田社長や取締役の吉岡晃さんが言っていることなのだと思います。

 一番最初に、CRMの話に関連して、ネット通販の強みを生かしたビジネスがあるから、ネット通販はこれだけ伸びていろんな事業に活用されているという話をしましたが、まさに、このアスクルもまた、ネットならではの、新たな可能性を見て、LOHACO事業を立ち上げ、そして、ヤフーの圧倒的な認知と集客を通して、今まで成し得なかったことをやり遂げようとしているわけです。

 企業における、成長の飽くなき追求に、今ECが貢献できる時がやってきています。何も考えずに、実店舗がネット通販に置き換わるという単純な発想で、ネット通販の意味を語るのはナンセンスで、実店舗に成し得なかった潜在的な可能性をネット通販が発掘できる時代がやってきたという方が正しい。

 それは、今まで、実店舗でしか商品を買う一択だったところに、ネット通販が風穴を開けたわけですから、当然実店舗はその分、売り上げをネット通販に持っていかれることになりますが、それはテクノロジーの発展でお客様のニーズをこれまでになかった形で、汲み取り、顧客満足度をあげられるようになっただけに過ぎません。

 どんなにテクノロジーが発展しようとも、実店舗にはかなわないところはあるわけだと思っていて、EC、実店舗を分けて考えるのではなく、一体した「コマース」として、お客様の満足度、向上のために何ができるのかを考えた方がいいということなのではないかと思いました。

というわけで今日はこの辺で

 ちなみに、アスクルの話題は、今発売中の「EC業界大図鑑2016年版」にも掲載されていますので、よろしければ、書店でお買い求めください。(http://amzn.to/2hdziBq
もし読んで面白かったら、SNSでハッシュタグ「#大図鑑16今年も読まなきゃ」をつけて、シェアいただければ。

それでは、笑顔あふれる一週間でありますように。
また、来週お会いしましょう。

記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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