ヤマト・佐川・日本郵便が「ウケトル」アプリで再配達ゼロに?

ECのミカタ編集部

株式会社ウケトルが提供しているアプリケーション「ウケトル」を利用すると、『不在配達を1割(全体の3%)減らす』ということが同社のデータ分析の結果、判明した。

ユーザーと宅配ドライバーのメリット

 「ウケトル」というアプリは、発送や不在などをユーザーに通知する『荷物状況通知』、ほぼワンクリックで再配達が依頼できる『ワンクリック再配達』、注文した商品が一覧で表示され発送状況がわかる『荷物追跡』、配達完了や再購入などの『履歴管理』といった機能がある。
 他にもAmazonと楽天で注文した商品を自動で登録・追跡する機能や、ワンタッチでお問い合わせ番号をコピーできる機能などがあり、ユーザーへの心遣いが多く見られる。

 「ウケトル」を使うことで、EC通販利用者は注文した商品を一括で管理することができ、発送の状態確認や再配達依頼を非常に簡単に行えるようになる。
 
 また、EC通販利用者が「ウケトル」の機能で、注文した商品の発送状況を意識・管理することにより、勘違いや不注意による再配達が減る。宅配ドライバーは再配達が減少した分、無駄な往復をする必要が無くなり、不必要な残業をせずに済む。

“再配達問題”の実態

 株式会社ウケトルの調査によれば、再配達率は20%となっており、5個に1個が再配達という割合になる。繁忙期の12月は再配達率が30%まで上昇し、約3個に1個は、あらためて配達しなければならない。宅配ドライバーにとって非常に過酷な状況である。
 
 一見、再配達に掛かるコストは我々に関わりの無いものだが、再配達により余分に発生した二酸化炭素のコストを炭素税という形で社会が負担し、消費者が税金としてお金を払っているので、再配達問題は我々に直接関わる問題であり他人事ではないのである。

再配達問題に対する取り組み

 昨今、多くの企業や組織が再配達問題に対する取組みを行っている。配送サービスを提供する企業であるヤマト運輸は、『Myカレンダーサービス』という、再配達を減らすだけではなくユーザーにもメリットのあるサービスを実施している。事前に荷物を受け取りやすい日時を利用者に登録させ、その時間を優先して配送するサービスだ。

 また、大手メーカーのパナソニック株式会社も再配達問題に向き合い、宅配ボックスの実証実験などを地域のプロジェクトに参画して行っている。これにより、宅配ボックスが再配達率を下げることや、宅配ボックスの課題などが明らかになりつつある。
 
 上記のような、各企業の課題への取組みが積み重なることで業界の抱える課題は改善されていくだろう。

配送の今後あるべき姿とは?

 日々発展しているEC業界が、今日まで成長し続けることができたのは、再配達問題で話題になっている「宅配」だけでなく「メーカー」「サイト構築」「通販物流」「カート」「コールセンター」「決済代行」「一元管理」など様々なEC支援企業の支えがあったからだ。

 EC支援企業の支えが無ければ、私たちの生活はここまで便利で豊かなものにはならなかったはずである。
 EC通販企業は、より良い経営をしていくために、EC支援企業に対し“効率的であるか”“利益に繋がるか”といった厳しい目で見ることが多々あるだろう。
 
 しかし、EC支援企業が大きな課題を抱え苦境に立った時、共にEC業界を発展させ、支え合ってきた仲間として、業界の課題に対し自分たちに何ができるのかを考え、アクションを起こしていくべきではないだろうか。
 再配達問題に限らず、EC業界で起きた問題を他人事にせず、同じ業界にいる組織として課題解決に協力し、お互いに助け合うことでさらに大きく発展していく。そんなEC業界になって欲しいと心から思う。

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