ユナイテッドアローズのサイト多言語化に迫る【WOVN.io】

ECのミカタ編集部

株式会社ミニマル・テクノロジーズ(東京都港区)が提供するWEBサイト多言語化開発ツール「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」が、『UNITED ARROWS LTD. ONLINE STORE/ユナイテッドアローズ オンラインストア』(以下、UAオンラインストア)に導入され、2017年4月5日より英語・中国語ページが公開された。

 これまで㈱ユナイテッドアローズでは一部の「ブランドウェブサイト」でのみ英語や中国語による多言語対応をしていたが、欧米・中華圏の訪日客がより豊富な情報を得たいというニーズがあり、この度「WOVN.io」を導入し「UAオンラインストア」全体を英語と中国語でも公開した。

 インバウンド需要の拡大に伴い、様々なシーンでの多言語対応が迫られていて、ECサイトにおいてもそれは例外ではない。従来、ECサイトのように商品点数が多く、更新頻度も高いWEBサイトの多言語化には、数百万〜数千万円に及ぶ開発費用と数ヶ月の開発期間が必要で、さらに日本語サイト更新の都度エンジニアに依頼し多言語サイトも更新する必要があり、導入面・運用面においてもハードルが高いとされてきた。

 様々な障壁のあるECサイト他言語化だが、なぜユナイテッドアローズは「WOVN.io」を選んだのか。どのようなメリットがあるのか掘り下げてみたい。

ユナイテッドアローズが選んだ「WOVN.io」導入のメリット

ユナイテッドアローズが選んだ「WOVN.io」導入のメリット

・開発初期コスト・運用コストを最小化
 上記でも触れたように従来、ECサイトの多言語化には、膨大な開発費用と数ヶ月の開発期間が必要だとされてきた。「WOVN.io」の最大の特徴は「1つの元ソースを多言語に切り替えるシステム」が採用されている点だ。つまり、システムの改修やデザイン・文言の更新作業は日本語ソースのみとなり、大幅な工数のカットに繋げることができる。これによって人件費や開発費用を格段に抑えることができるとしている。

・英語・中国語ページでも、日本語サイトと同じ内容がリアルタイムで閲覧可能
 「1つの元ソースを多言語に切り替えるシステム」ということは日本語サイトを更新すれば、自動的に英語・中国語ページも編集される。また、ユーザーのブラウザ言語設定に合わせて言語ページを表示するため、日本語ユーザーには言語切替のウィジェットなどは表示されない。英語・中国語の方がサイトに訪れた際には各言語ページがはじめから表示され、言語切替のウィジェットも表示される形になっていて、ユーザビリティにおいても使いやすく設計されている。

・プログラミング知識のないメンバーでの運用が可能(エンジニアの工数不要)
 HTMLファイルを言語別にわざわざ作成する必要がないので、サイト構成やサーバ設定などに変更を加える手間がないのも大きなポイントだ。海外SEOにも対応しているので外国語で検索しても、ちゃんと検索結果に表示される。これはEC運用面において非常に大きなメリットと言える。

サイト他言語化へ。「WOVN.io」を味方に

サイト他言語化へ。「WOVN.io」を味方に

 WOVN.ioはECサイトのような更新頻度が高く、ログイン認証やレコメンド機能のような複雑な作りのサイトであっても利用できる。運用フェーズにおいてもシステムエンジニアを介すことなく、管理画面にて簡単に翻訳文書の編集・更新が可能となり、低コスト且つ短期間で多言語化を実現した。

 今回のユナイテッドアローズのサイトはブランド名・ストア名・各ブランドコンセプト・利用規約などはニュアンスを含め人力翻訳で実施しているそうだ。その他の日々膨大な更新がある商品情報においては、費用対効果を勘案し、ニューラルネットワークを活用した機械学習による機械翻訳を採用していて、人力と機械をページ毎にうまく組み合わせている。ECサイト運営者にとって今回のユナイテッドアローズの導入事例を参考にしない手はない。

 今後、世界との距離は縮まっていき、こうしたシームレスなWEBサイトの需要は確実に増えていく。費用や開発費など、これまでの常識はどんどん塗り替えられていく。リリースから僅か2年で8,000を超える利用があるなど、実績も十分の「WOVN.io」というサービス。ECサイト運営者にとって力強い味方になってくれそうだ。


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