みずほ銀行 エムウォレット設立に見るFinTechとECの関係

株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社みずほ銀行、株式会社 メタップス、WiL LLC.の4社は、FinTechを活用した新たな決済サービスの提供を目的とする資本・業務提携契約を締結。ビッグデータを活用した新たな電子マネーのサービスを今夏から始めると発表した。

 ついに大手メガバンクがフィンテック業界に乗り出した。フィンテックとは金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、金融におけるITの活用を意味する。この度、みずほFG、みずほ銀行、メタップス、WiLの4社は、今年5月にもビッグデータを活用した新たな決済ウォレットアプリ事業を運営する新会社「エムウォレット」を設立するとした。

 大手銀行が電子マネーを主導するのは初めてのこと。スマートフォンを使用することを見据えた独自の決済ウォレットアプリを開発し、また、独自の電子マネーを発行し口座から直接、お金をチャージ(入金)することができ、現金を使わず簡単に支払いを完了させるという仕組みだ。

 利用者間で電子マネーを送金するサービスも検討しており、先行しているLine PayやYahoo!マネーを追従する形となっている。ビッグデータ解析をマーケティングに取り入れ、今後の商品開発などにつなげるとしている。フィンテックの最大の魅力である「横のつながりのシームレス化」を大手メガバンクがどれだけ進められるか、に注目が集まっている。

フィンテックサービスの台頭で一元化される金銭の流れ

 これまで日本の電子マネーといえばEdy、Suica、PASMO、nanaco、WAONなどといった「ストアードバリューカード方式」と呼ばれる、一種の「顧客の囲い込み合戦」であったが、これからの時代はIoT型の「サーバ型電子マネー」に徐々に移行するとみられており、現金を使わずにネットワーク上にて、既存の貨幣やシステムの手を離れて金銭をやり取りすることができる。

 今やフィンテックとして提供されるサービスの分野は、決済サービス、個人事業者向けサービス、資産管理・運用/家計簿サービス、セキュリティ関連サービス等、多岐に渡っていて幅が広い。これらのサービスをいかに横断的に、ネットワーク上のみで金銭のやりとりができるかがカギとなっており、スマートフォンひとつでお金の管理を一元化できる流れはすぐそこまで来ている。

 LINEやFacebook経由だけで決済や送金ができるようになったり、指紋認証だけで店頭での支払いができるようになったりと、一昔前では想像もつかなかったような世界が現実に起ころうとしている。

 非金融機関が提供するサービスが台頭を見せていて、金融機関という存在の希薄化が実際に進んできている。

フィンテック業界の成長を見据えた、これからのECサイト

 今回みずほ銀行は「他社と提携する」ことで、スピード化を図り巻き返しを図っている。銀行がAPI公開を推し進めた場合、さらにフィンテック業界の流れは早まり、一気に世の中を変えてしまうようなことも十分起こりうる。

 これから先のECサイト運営において、決済方法の間口を広げておくことは重要な案件だ。2020年の東京五輪でのインバウンド消費を見据えた決済インフラ(クレジットカード、デビットカード)の整備が進むと同時に、電子マネーの存在感もオートチャージ型の普及に伴って拡大し、銀行各社のATMと現金利用はいよいよ減少していくだろう。

 ビットコインをはじめとする暗号通貨や、今回のような新しい形の電子マネーでの決済システムの導入は避けられない見通しで、主にデジタル世代をターゲットとしたフィンテックサービスはIT・ネットワークの劇的な変化により、ますます加速していく。ある意味ではフィンテック業界や、IoT化の流れを、いち早く掴み自社のECサイトに絡めることで、大きなメリットを享受できるはずだ。フィンテックというバズワードから今後も目が離せない。

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