アリババ2017年度決算発表 驚きの数字で堅調さをアピール

ECのミカタ編集部

 アリババグループが2017年3月31日までの第4四半期決算及び、2017年度の決算を発表した。それによれば、この第4四半期全体売上げは前年比60%増の385億元で、IPO以来、最高の伸び率を達成したとしている。中国小売プラットフォームは前年比47%増の315億元、アリババクラウドの売上げは前年比103%増の21億元と大幅に成長した。中国のEC市場は急激な成長を依然続けており、今回の数字はトップを走っているアリババグループの勢いを示している。

 第4四半期における中国小売プラットフォームの売上げのうち、85%はモバイル端末によるものだったという。以前からモバイルユーザーからのエンゲージを高めるために様々な施策を施してきたが、それが結果として現れた形だ。

 国際小売EC業務の第4四半期の売上げは約24億元に達し、前年比312%増と、これも大きな伸び率。この要因はAliExpressの売上げ大幅増加とLAZADAの決算が2016年4月から含まれることにも起因するが、アクティブバイヤーはAliExpressとLAZADAを合わせて約8300万に達し、中国越境ECの裾野の広さを改めて感じさせてくれる。

 コンテンツ配信ネットワークやデータベースなどのクラウドサービスの分野においてもアリババクラウドは高い伸び率を維持し、有料ユーザーは前年比70%増の合計約87万ユーザーに到達した。IDCのデータによると、売上げを基準とした場合、もはやアリババクラウドは中国最大のパブリッククラウドサービスとなっているという。

2017年度アリババ決算は「自他共に認める大きな成功」

2017年度アリババ決算は「自他共に認める大きな成功」

 2017年度のアリババグループの売上げは合計約1582億元、前年比56%増となった。この伸び率は一度、上方修正した年度売上げガイダンスの53%をさらに上回った。中国小売プラットフォームの年間流通総額は22%増の37,670億元に達し、TmallのGMVは29%増の15,650億元になったという。

 中国小売プラットフォームの流通総額の79%はモバイル端末によるもので、モバイル端末からの売上げは前年比80%増の907億元、中国小売プラットフォーム全体売上げの80%を占めており、上記でも述べた通り、モバイルユーザーへの様々な施策が爆発的な伸びを支えている。

 アリババグループCEOダニエル・チャン氏は「アリババグループは第4四半期と2017年度で大きな成功を獲得しました。プラットフォームを通じて5億のユーザーの消費活動を活発にし、利益へと転換するアリババの能力を証明しました。コアのEC部門は非常に大規模でありながら、顕著な成長とキャッシュフローを生み出し続けています。」とコメントを発表しており、2017年度は自他共に認める大きな成功を収めた年だったと言える。

 以前から高い水準で成長を続けてきたアリババグループだが、2017年度の決算においても、予想を超えてくる驚異的な数字を叩き出しており、中国が世界的市場である事を示した。中国への越境ECにおいては、規制緩和や法的な部分、技術的な部分でも参入障壁は大きく下がった。中国市場に乗り出す事を考えている事業者にとって夢のある2017年度のアリババの決済だったように思う。

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