越境ECの可能性を広げる「アリペイ」の魅力を伝えるカンファレンス開催

ECのミカタ編集部

 アント フィナンシャル ジャパンは2017年6月23日、加盟店・加盟検討企業向けに、「アリペイ」の機能・特徴を説明する「アント フィナンシャル ジャパン カンファレンス」を開催した。このカンファレンスにはコンビニエンスストアや百貨店、空港、ディスカウントストアなどの分野から約200名が参加。アリペイのサービスや魅力について詳しく語られていたのでご紹介しておきたい。

 アント フィナンシャル ジャパンの代表取締役社⻑ 岡玄樹 氏は、アリペイが提供するサービスや、日本での最新導⼊事例について紹介。アリペイは、アント フィナンシャル グループが運営・提供するデジタル決済型のライフスタイルプラットフォームで、中国では 5.2 億人以上のアクティブユーザーを有し、世界26カ国で利⽤が可能である。日本では2015年10月にサービス展開を開始し、現在までに導⼊店舗は2.5万店にまで広がっているという。

多角的に広がっているライフスタイルに関するサービス

多角的に広がっているライフスタイルに関するサービス

 ライフスタイルに関するサービスの応⽤分野は多角的に広がっており、中国ではアリペイだけで数ヶ月生活できると言われるほど、日常生活に浸透しているという。レストランの予約から支払いまでの一連の流れがアリペイ上で完結する他、タクシーの配⾞から決済、バーコードをスキャンすることで電気・水道・ガスなど公共料⾦の支払いが可能になるなど、さまざまなライフスタイル関連サービスに紐づいている。

 ⾦融サービスにおいては、ユーザー数3.2億人、運⽤資産規模20兆円にも及ぶ資産形成サービスの「余額宝(ユエ・バオ)」、個人の信⽤⼒を点数化した「芝麻信⽤(ゴマ・シンヨウ)」など、中国においては社会インフラとなりつつある様々な⾦融サービスも提供している。

訪日前から訪日後まで。中国人の生活に寄り添ったアリペイのサービス

訪日前から訪日後まで。中国人の生活に寄り添ったアリペイのサービス

 日中の時節のイベントに合わせ、日本の加盟店と連携し、様々なキャンペーンを展開しており、訪日中国人観光客にとってもアリペイを使⽤するメリットとなっている。アリペイ上には、「ディスカバー(発⾒)」という日本の旅⾏・トレンド情報を閲覧できるページがあり、訪日前からどこへ旅⾏に⾏き、何を体験するかなど、事前の情報収集が可能だ。

 日本での「ディスカバー」ページは、ローンチ直後にもかかわらず、月間のユニークユーザー数は100万を突破したという。日本の加盟店でもアリペイ導⼊による成功事例は増えており、百貨店では、アリペイでのキャンペーンを展開することで新規顧客が13%増加し、ディスカウントストアではキャッシュバックキャンペーンにより、一人当たりの購買額が20〜30%増加するなどの効果が⾒られたという。

導入済みの大企業においても多数の成功事例をみせている

導入済みの大企業においても多数の成功事例をみせている

 このカンファレンスでは「アリペイ」導入企業を代表して、成田国際空港、ドン・キホーテ、ローソンが導入事例を発表した。

 成田国際空港では訪日観光客による売上の半数以上を中国からの観光客が占めていたため、中国の人たちの利⽤率が⾼い「アリペイ」が必要不可⽋と捉え、導⼊に至ったという。中国の大型連休である国慶節や日本の花⾒シーズンなど、訪日中国人観光客が増加するタイミングに「アリペイ」でキャンペーンを実施し、売上を大きく伸ばすことに成功した。

 同様にドン・キホーテやローソンでも一定以上の成果が見られており、導入に満足している様子がうかがえた。訪日中国人は未だ衰えを見せない。日本に来た観光客が中国に戻った後でも、日本の製品が買えるような越境ECのインフラも整備されてきており、日中の距離はますます近づいている。

 日本を体験したユーザーが日本のECサイトを訪れることも少なくない。昨今、越境ECプラットフォームや決済システム周りに関してのインフラは整備されてきているので導入の仕方はたくさんのサービスの中から選ぶことができる。このインバウンド需要は各方面に広がっていくはずなので、これから導入を検討している事業者の方は早めに体制を整えることを推奨しておきたい。

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