冷蔵倉庫や海外展開へのステップ。「オープンロジ」が総額7.3億円の資金調達

ECのミカタ編集部

 オープンロジは7月25日、Eight Roads Ventures Japanをリード投資家とし、Spiral Ventures、Infinity Venture Partners、SMBCベンチャーキャピタルの既存投資家、そのほかシリーズBラウンドで総額7.3億円の資金調達を実施した。

 オープンロジは面倒な物流業務を外注したい事業者とそれを請け負う倉庫会社を結ぶ、日本初の倉庫のシェアリングサービスとして物流業務のプラットフォーム「オープンロジ」を2014年10月から運営してきた。インターネットを利用し、誰でも簡単に商品を売ることができる昨今、販売後の出荷梱包作業や在庫管理などの物流業務は、社員数の少ない中小事業者ほど、自社で行っている。

 急成長するEC市場の多くを占める中小規模の事業者が、オープンロジを使うことで、煩雑な物流業務を、見積もりや問い合わせといったアナログな手続きをせずに、会員登録後、すぐにオープンロジ提携先の倉庫にアウトソーシングすることができる。

 サービス開始以来、口コミのみでユーザー数が増加しており、そのユーザー数は2500以上、売上も前年比730%増と成長しており、提携する倉庫数は十数拠点まで拡大している。今後は国内外合わせて60拠点まで拡大する予定で、中国やアジア圏の倉庫を増やしていく予定だという。

物流の伸び代をどこまで体現できるか。目指すは「開かれた物流」の実現へ

 オープンロジでは今回の資金調達により、サービスの体制基盤の強化や国内外の各種EコマースサービスとのAPI連携などを強化していく。さらに、冷蔵や定温倉庫との連携も進める。これに加えて、年内にはオムニチャネル向けの新規事業を展開するとした。

 シェアリングエコノミーの概念は物流面において大きな革新を起こしつつある。今回、社外取締役に就任したEight Roads Ventures Japanの村田 純一氏も「マクロレベルで労働生産性の改善は大きなイシューです。オープンロジは労働集約度の比較的高い倉庫業界に対し、シェアリングエコノミーのアプローチを通じて具体的な問題解決方法を提示しつつあります。資金面だけでなく、複数の成長SaaS 企業をご支援してきた我々の経験も活かし、同社が目指す「開かれた物流」のビジョンの実現に向け尽力していきたいと思います」とコメントしている。

 単純にEC業界から見て「オープンロジ」は使い勝手の良いフルフィルメントサービスであると強く感じる。社会的に見てもシェアリングエコノミーという概念を利用し、効率の悪いと言われている物流業界にメスを入れた功績は大きい。

 今回の資金調達でどこまでそのサービスを拡大できるか、また、深掘りできるか。APIの連携、冷蔵対応、越境EC、オムニチャネルと方向性は多岐にわたるが、それだけ物流にはまだまだ可能性が残されているという事の裏返しだろう。今後確実に注目度が増す企業であることは間違いない。

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