メルカリが高級路線も展開「メルカリ メゾンズ」で見せる確かな戦略性

ECのミカタ編集部

 メルカリ子会社のソウゾウが8月21日、「メルカリ アッテ」「メルカリ カウル」に続く第3弾アプリとなる新アプリ「メルカリ メゾンズ」を発表した。ブランド査定付きのフリマアプリで、同日からiOS版およびAndroid版での提供を開始した。

 「メルカリ メゾンズ」は、ブランド品に特化したフリマアプリだという。「メルカリ」での販売実績や中古市場などのデータを活用するため、出品したいブランド品を撮影し、色やデザイン、商品状態を入力するだけで、出品前に売却価格の相場を自動査定することができる。希望の金額に満たない場合は出品しないということも可能だ。

 ガイドに沿って撮影・情報入力するだけで、ブランド品を高く売るために必要な情報を全て入力することができるので初心者でも悩まずに出品できる。また一度査定したアイテムはマイページに保存され、いつでも出品できるほか、相場が変化し高値で売れやすいタイミングを知らせる通知機能も備わっている。

 メルカリにも同時出品され、「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」といった配送サービスなどメルカリの機能を利用することもできる。また、偽ブランド撲滅のためのサポート体制を完備。万が一、届いた商品が偽ブランド品だった場合は補償を行うとしている。

「安さ」から「高級路線」へ。メルカリの緻密な計算

 メルカリは2月にブランド品に特化したオークションサービス「スマオク」を運営するザワットを買収している。今回はその第1弾プロダクトのようだ。査定の仕組みにはAIを用いているという。撮影した写真をもとにアイテムのブランド、デザイン、柄を特定(公開時は「ルイ・ヴィトン」と「シャネル」のバッグと財布のみ対応)。その上で、メルカリの売買データと照らし合わせて最適な販売価格帯を提示してくれる。

 メルカリは、今までは「安さ」をベースにしてきた。使い古したものを、フリマ感覚で、販売するところにメルカリの価値があったのだ。今回の「メルカリ メゾンズ」に関しては、しっかりとした高級品路線を打ち出し、AIを駆使して適切な査定を行い、相応しい価格で提供しようとするものとなっている。

 国民的な認知を誇るレベルになって、会員のデータベースも揃い、かつ使いやすさ親しみやすさもあるメルカリが、新たな幅を持たせることで、ヤフオクやコメ兵と同じような土壌においても、スピーディで広範囲なリーチが狙える。そこにメルカリのしっかりとした戦略性を感じる。

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