オークファンがBtoCに強いネットプライスを 100%子会社化

ECのミカタ編集部

「オークファン( aucfan. com、国内最大級のショッピング・オークション一括検索・比較サイト) 」を運営する株式会社オークファン(本 社 :東京都渋谷区 、代表取締役 :武永 修一 、以下「オークファン」)は、2017年12月1日、BEENOS株式会社(以下 、「BEENOS」)が保有する株式会社ネットプライス(以下、「ネットプライス」)の株式を100%取得し、子会社化することを決議した。

EC業界の「老舗」であるネットプライス社

EC業界の「老舗」であるネットプライス社

ネットプライス社は、「日本一おもしろいECサイト」を目指して1999年に事業を開始した「老舗」のEC企業で、現在でも250万人を対象にEC事業を展開している。ネットプライス社の特徴は、「ネットプライスでしか購入できないお買い得品」が多いことだ。その裏付けとなっているのは、プライベートブランド商品の開発と販売、自社企画商品の販売、ギャザリング(共同購買)等、主にコンシューマーに向けたECソリューションを多数展開してきたことによる。その事で同社の商品企画のノウハウの蓄積、オリジナリティの高いアイテムやサービスへ提供へとつながり、消費者の心をつかんできた。

オークファンが見据える市場規模

オークファンが見据える市場規模

オークファン社は、創業開始以来の取引データを活用したマーケットプレイス事業を積極的に展開していて、滞留品・返品などのワケアリ品の流動化支援事業『リバリュー』や国内最大級のBtoB仕入れサイト『NETSEA』を中心に大規模なサービスを手がけている。特に、オークファングループが主力市場として考えている法人在庫の流動化市場(滞留品、返品、アウトレット品等)は、約22兆円の市場規模があると見込まれていて同社にとってビジネス拡大の可能性があるとみている。

完全子会社化の戦略的意義

完全子会社化の戦略的意義

ネットプライス社がオークファングループに加わることになり、そのことでプライベートブランド商品の開発や販売、新規メーカーとの営業機会、また250万人の消費者に直接リーチして「お買い得品」を届ける新たな販売経路が獲得できる。これが意味するところは「オークファン社がBtoC EC事業に進出する」ということだけにとどまらない。BtoB取引を中心とする『NETSEA』、『リバリュー』事業にとって、比較的商品販売単価の高いBtoCの販売経路を持つことは、既存の法人クライアントへの提案の幅を広げることにつながり、より幅広くかつ柔軟性の高いソリューションの提供が可能となるのだ。

BtoBの分野を中心に流動化支援事業や国内最大級のBtoB仕入れサイトを運営してきたオークファン。同社が「老舗」EC企業のネットプライス社をグループの傘下に招いたことで、その商品開発力と250万人以上のコンシューマーへの販路を獲得したことになる。その効果は既存のBtoB事業の強化という文脈ばかりでなく、今後のEC市場全体における法人向け事業とコンシューマー向け事業の融合の流れを占う上でも注目すべき出来事だと言えるだろう。


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