「2017年ネットバズワードランキング」で考える「流行の自分ごと化」【イー・ガーディアン調べ】

ECのミカタ編集部

 イー・ガーディアン株式会社(東京都港区)は、Facebook、Twitterなどインターネット上で話題となった事象や傾向を独自に調査し、その結果を「2017年ネットバズワードランキング」(2017年1月1日~2017年11月15日)として発表した。

 イー・ガーディアンは、投稿監視、風評調査、ソーシャルリスニングのリーディングカンパニーとして、安心・安全なインターネット環境の実現に向けサービスを提供している。イー・ガーディアンが日々のソーシャルリスニングで蓄積したデータをベースに、今年広く報道されたワードを選出し独自で調査し、発表しているので3位から順に見ていきたいと思う。

第3位「ビットコイン」

第3位「ビットコイン」

 第3位にランクインしたのは「ビットコイン」で約3万件を記録。投稿数が最も多かったのは、11月12日の「価格暴落」の瞬間で、8月1日の「ビットコイン分裂」や9月15日の「中国仮想通過取引所閉鎖」などのタイミングでも投稿数が急伸しており、ビットコイン関連のニュースが投稿件数に与える影響の大きさが伺える。

 2017年前半はビットコインそのものに対する疑問や興味、使用可能な店舗や使い方に関する話題が全体の半数以上を占める結果となったが、その後6月以降は相場の盛り上がりと連動し、価格・値動きといった投機関連の話題が徐々に増加し、ビットコインが最高値を更新し続けた10月以降は大半が相場に関する内容となるなど、投稿内容にも変化が見られた。

第2位「◯◯に使っていいよ」

第2位「◯◯に使っていいよ」

 第2位にランクインした「◯◯に使っていいよ」。今年2月にアイドルが様々なシチュエーションで「彼女と◯◯なうって使っていいよ」という定型文で投稿を続けたことがきっかけとなりワードが拡散された。

 その後5月、声優がラジオ番組内で「彼氏とデートなう。に使っていいよ」と投稿したツイートが、19万リツイート36万いいねを記録し更に話題化、以降数日間に渡り声優やタレント、企業の公式アカウントが相次いで投稿する一大トレンドとなり、6月2日には調査期間中最高となる約27万件もの投稿数を記録した。

第1位は「プレミアムフライデー」

第1位は「プレミアムフライデー」

 第1位の「プレミアムフライデー」は、毎月末の金曜日には必ずTwitterのトレンド入りをする等、継続的に一定量の投稿数をキープしたことが順位に影響したと考えられる。また、「プレミアムフライデーなのに残業だよ…」「毎日忖度ばかりしている。一度は忖度される側になってみたい」といった日々のつぶやきや愚痴として “自分事”化しやすいワードが上位にランクインする傾向が見られた。

 一方、政治関連で話題となった「このハゲー」「一線は越えていません」は、政治批評やネタ的に使用されるケースが中心となり、日常のシーンで使いやすい言葉では無かったのかランキングでは下位に沈んだ。

第8位にランクインした「AIスピーカー」

第8位にランクインした「AIスピーカー」

 第8位にランクインしたのは「AIスピーカー」。9月までは大きく話題になることはなかったが、9月12日の大手IT企業の製品発表に合わせ投稿数が急激に増加、その後もワードが広くメディアで取り上げられるタイミングで件数を大きく伸ばした。

 また、「AIスピーカー」が流行語大賞にノミネートされた11月9日には投稿数が約9千件を記録し今年最多となった。投稿内容を「音楽」「会話」「読み上げ」といったAIスピーカーの代表的な機能に対するポジネガで比較したところ、機能ごとの投稿傾向には大差がなかったという。

 商品自体が発売直後や発売前ということもあり、使用の感想に関する投稿はほとんど無く、期待や興味、疑問の声が大部分を占めていた。

 つまりワード自体は聞いたことがあるもののまだ“自分ごと”として捉えられていない状況であることが伺える。今後更なる認知拡大やユーザー数増加が予測されることから来年度以降の投稿数増加に期待出来そうだ。

「常にECに繋げていく」というイメージを

「常にECに繋げていく」というイメージを

 近年、「流行」のスピードが格段に上がっており、話題に上るジャンルも幅広く、それを追いかけることは非常に骨が折れる。しかし、どういったものが話題になっているのかをチェックしておくだけでも、それに関連したものからECに活かすことができるはずだ。

 プレミアムフライデーにセールを打ったり、広告に「◯◯に使っていいよ」と一言入れてみる、将来はビットコイン払いにも対応したほうが良いのか?、AIスピーカーが普及した時に勝てる商品は何だろう……。などなど。少し安直だが、こういったことをイメージしていくだけで思わぬヒントに繋がったりもする。

 「常にECに繋げていく」という発想を持つことで、オリジナリティ溢れるショップ作りに活かすことができるはずだ。流行をただ眺めているだけでは何も生まれない。

 それらを使って、どういう展開を見せればお客様が興味を持ってくれるか。また、楽しんでくれるか。ちょっとした心のゆとりと、ものごとの捉え方ができれば、きっとECは面白いものになっていくのだと思う。

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