特別企画:ASPカートが見据えるECの未来【ショップサーブ編】

利根川 舞

今やモールとともに当たり前に存在する独自ドメインのEC店舗。その中でも更に手軽に始めることができるASPカート。

ASPカートで店舗を持つ意味、存在の意味、理解できていますか?

今回は、ASPカートのパイオニアとして「ショップサーブ」を提供し、EC事業者を支えてきた株式会社Eストアーの営業本部 営業1部 シニアマネージャー 佐藤 啓史 氏にお話を伺いました。

特別企画:「ASPカートが見据えるECの未来」目次
・【成り立ち】https://goo.gl/Gdljww
・【CARTSTAR編】https://goo.gl/jT8kuH
・【FutureShop2編】https://goo.gl/hlUZ30
・【MakeShop編】https://goo.gl/oEQZwK
・【カラーミーショップ編】https://goo.gl/JF9NmQ
・【ショップサーブ編】https://goo.gl/tjyoGN

ASPカートのパイオニア、ショップサーブ

 「ショップサーブ」を提供するEストアーは1998年、代表の石村 賢一氏によって創業、1999年2月に設立された。設立当時、最初に販売されたのはレンタルサーバーに決済の機能がつけられた”ストアツール”であった。しかし、【成り立ち編】で石村氏が語ったように、時代の先を行き過ぎたために全く販売数は伸びず、カートが付いていないレンタルサーバーばかりが売れていた。

 しかし2003年、”ストアツール”は好機を得ることになる。人々のインターネットで商品を販売するというニーズが増え、Eストアーは急成長を遂げたのだ。そして現在まで、ASPカートのパイオニアとして走り続けてきた。

 「ショップサーブ」の利用店舗数は2015年度の段階で12,592店舗、その他のシステム利用店舗を含めるとその数は18,682店舗にまでのぼり、その中には創業当時からの店舗もいるという。長い歴史の中での1億取引を超えるトランザクションと、流通額1兆円分の経験やノウハウ。その全てがEストアーには蓄積されている。

 EC事業者との関わりの中で、現在の「ショップサーブ」は作り上げられたのである。

使いやすい管理画面が売上アップへと導く

使いやすい管理画面が売上アップへと導くショップサーブ受注処理画面

 「お客様からいただくお話としては、売れた後の受注処理や決済の確認などが、一度に管理画面で見ることができ、それが時間短縮につながって業務効率が上がりましたというお話しを聞くことが多いです。」

 消費者の立場で”ECサイト”と聞くと、商品が並んでいるページや個人情報の入力画面などを思い浮かべることが多いのかもしれないが、EC事業者にとってはその裏側の方が業務に密接に関係している。だからこそ、いかに使いやすいシステムであるのかということもASPカートを選ぶ基準となり得る。使いにくいシステムに翻弄されるよりも、効率的に処理を行い、空いた時間で販促や企画の考案、ページの作り込みを行う方が売上につながる可能性は高い。

集客代行から運営代行までEC事業者をフルサポート

 Eストアーでは独自ドメインのサイトにとって、手間がかかる集客についてもサポートを行っている。モールであればそのモール自体のネームバリューや、セールなどで集客が見込めるが、独自ドメインであると各EC事業者のネームバリューに左右されてしまう。それを解決するために、EストアーではSEO対策はもちろんのこと、リスティング広告やアフィリエイトなどを使い、広告代理店としての役目も果たしている。

 また、独自ドメインで重要となるコンテンツの制作サービスも提供しており、バナーや商品撮影、キャッチコピーの作成など、多岐に渡った依頼をすることができる。こうした集客代行や制作代行のほか、運営代行など、オプションという形ではあるが、ワンストップ型のサービスを受けることが可能だ。そのため、独自ドメイン初心者にとってもECサイトを運営しやすいASPカートであると言える。

 これらの各種代行サービスの利用割合としては、直近の新規契約店舗のうち約44%が、契約当初から集客や制作の代行サービスを同時に契約している。初心者でも使いやすく、そして売上を上げていける環境をショップサーブで作り上げることができるのだ。

繁盛の条件はいい商品と情熱を持っている会社

繁盛の条件はいい商品と情熱を持っている会社毎年行われる「ネットショップ大賞」授賞式の様子

 ショップサーブを利用をするEC事業者の中でも、売上が高いEC事業者の特徴を伺ったところ、「いい商品と情熱を持っている会社」との答えが。多くのEC事業者が出店しているため、モールでは価格競争になることが多いが、独自ドメインでは”安さ”ではなく、”商品の持つ力”で勝負ができるため、”より良い商品”を持つEC事業者が売上を上げているようだ。

 とはいえ、いい商品を持っていたとしても、サイトのつくりが良くなければ、商品の購入につながらないこともある。商品ページへの導線はもちろんのこと、ページがいかに作り込まれているのか、商品の魅力や商品が持つストーリーを伝えきれているのかが重要だ。自由にページを作ることができる独自ドメインだからこそ、最大限に商品の魅力を伝えることができ、その商品や購入者への思いが、自社のファンを生み出すのである。

 そして、売上を伸ばすために大切なことは「情報収集」だと佐藤氏。それはECを始める際にモールを選ぶのか、ASPカートを利用して独自ドメインで運営していくのかを選択する上でも言えることだ。販売したい商品やターゲットに合わせたシステムを選ぶことが重要で、そのためにはまずはどういったサービスがあるのかを知り、その中から最良のシステムを選択する必要がある。

 そのようなことを踏まえ、Eストアーではショップサーブの利用を考えているEC事業者向けのセミナーを年に70回以上、北は北海道から南は沖縄まで、広い範囲で行っている。全国各地、そしてオンラインにおいてもセミナーを行っているのは、そこでショップサーブというサービスを、そしてEストアーという会社を理解してもらい、納得した上でサービスを利用してもらう、という考えがあるためだ。


そして、Eストアーが見据えるECの未来とは…?

Eストアーが見据える、ECの未来とは

Eストアーが見据える、ECの未来とは

 Eストアーが見据えるECの未来には、ASPカートのパイオニアであるからこその姿がある。それは、”カート屋”から、”ECソリューションカンパニー”への方向転換だ。

 「このままASPカートだけをやっていても淘汰されるのはわかっているんです。だから、パイオニアらしく、世の中の変化に対応していかなければならないのです。ただのカート屋とは違う、Eストアーを目指します。」と佐藤氏は語る。

 もともと、EストアーではEC事業者に対して電話でのサポートに力を入れており、丁寧な問い合わせ対応が好評だ。その問い合わせの際にEC事業者からの生の声を汲み取り、サービスの改善に尽力してきた。

 問い合わせの中には集客や制作の代行を依頼する声が徐々に増え、2010年ごろからそれに応える形で戦略立案から集客、運営代行など、入り口から出口までをフルアシストする”ECソリューションカンパニー”へと徐々に方向転換を行ってきた。

 「Eストアー=ショップサーブの会社」というイメージはEC通販業界に浸透しており、本格的にEC事業者をフルアシストするとなれば、その変化は決して楽なものではないだろう。しかしEストアーは今後も、EC初心者からEC通販業界で数々の苦難を乗り越えてきた事業者まで、多くのEC事業者へ価値を提供していくという。ASPカートのパイオニアとして、EC事業者と共に長きにわたり突き進んできたEストアーだからこその決意がそこにはあった。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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