EC業界News1週間まとめ〜Amazon Payとその先の未来/KDDIがDeNAからEC事業を買った理由とは?

石郷“145”マナブ

2/19〜25のEC業界Newsをギュギュっとまとめました

こんにちは。
メディア編集部石郷です。

一昨日、誠悦ながら、ECとは、というテーマで、日本郵便で150名を前に、講演させていただきました。ECが日常に浸透し、あらゆる立場の人が、この業界に関心を強く持っていることを痛感した次第です。気を引き締め、今日も記事を書きました。

さて、今週、読まれた記事はこちらです。
Amazon Pay定期購入で何が変わる?
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13582/
3年で5倍成長の裏にはオムニチャネル〜メガネスーパー川添氏語る
https://ecnomikata.com/ecnews/13597/
Amazon、「プレミアムフライデーストア」開設
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13605/
「楽天スーパーSALEあるある?」の巻~ネットショップあるある 4コマ漫画~
https://ecnomikata.com/ecnews/13618/
KDDIと連携のマルイがバックアップ「Wowma! 」に勢い!〜Brand Square、OPEN!
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13589/

「Amazon Pay」の本質を思えば、定期購入の高実績も予測できそう

 今週、話題になったのは、今まで「Amazonログイン&ペイメント」と呼ばれていたものが正式に、「Amazon Pay」となりました、というものです。日本独自の呼び名で、店舗が理解しやすいように、つけられたものであり、全世界統一してこの呼び名にしていこうという流れがあってのことです。

 改めて、色々な話を聞くと、「Amazonログイン&ペイメント」が与えた功績というのは大きくて、独自ドメインをやられている店舗であれば、取り入れることで売り上げが伸びているのは事実です。Amazonの方の話を聞いていて、すごく思うのは、ログイン情報の正確さがいかに重要かということです。

 これを読まれている店舗の多くも会員を抱えているとは思いますが、そのお客様の正確なものかどうかは、そのお客様がそのサイトで購入し続けない限り、維持できないということなんですね。1年前に買って以来、今は購入していないとすれば、もしかしたら、引越しもしているかもしれないし、結婚して名前が変わっているかもしれない。

 その点、Amazonは比較的、日々購入し続けている環境である可能性が高く、保有する情報が常に、ショッピングにおいて必要な情報に“更新”される続けているということで、改めて、ECにおける顧客情報の重要さとそれを維持し続けることの意味を感じたわけです。

 また、例えば、メガネスーパーなどにおいては、定期購入を、会員登録をした人のみを対象としており、とはいえ、お客様の中には、会員登録をしなくても、定期購入したいという人もいました。昨年から始まった定期購入「Amazon Pay」は、非会員を主に対象としていて、そういう層を巻き取ることに成功していて、結果的に、定期購入者の増加に寄与しています。

ショッピングといえば、Amazon。そんな時代が来る?

 メガネスーパーの事例で言えば、実は、メガネよりも買い替えが多くなるコンタクトレンズの方がEC向きであり、それらが定期購入において力を発揮されています。実際に、Amazon Payを始める前から、定期購入の増加は見られましたが、Amazon Payの導入により、そちら経由で、定期購入をされているという事実があり、しかもそれが伸びています。もともとその伸びは6%だったのが、そちら経由は12%となっています。

 こういうことを踏まえて考えると、Amazon Payは、Amazonという会社にとっても、うまく考えられた優れたシステムだなと強く思います。Amazon自体が、出品型ですから、基本、欲しい商品を求めて、Amazonのサイトに足を踏み入れるわけです。でも、出品型ゆえ、どうしても出店型とは違って、店に惹かれて買うという要素は、Amazon会員にとって得られる経験ではないのです。でも、Amazon Payによって、「店自体をフックにして、商品を見つけ、購入に至る人」の気持ちもフォローしているわけです。Amazon Payがあれば、「そういうお買い物をされる方にもお手伝いができます」というわけですよね。全方位的に、買い物をする人たちの、利便性を向上させるための存在として、Amazonはその地位を着実に築いていると思います。

 そして、その先には、リアルの店舗での利便性と、革命もあるように思えます。今アメリカでやっているAmazon GOはそれに近いんじゃないんでしょうか。ショッピングをする可能性の高い人たちの今の情報をデータで持ち、そして、そのデータを持ってして、自らのマーケットプレイスへと導き、新たなマーケットプレイスを作り出す。だとしたら、ショッピングはAmazonを通すことが当たり前になります。この事実、どう受け止めますか。

KDDIのWowma!の誕生は、時代に必要な流れだったのではないか?

KDDIのWowma!の誕生は、時代に必要な流れだったのではないか?

 続いて気になったのは、Wowma!の話題です。
 SoftBankも最近Yahoo!ショッピングと連携して、自分たちの付加価値をあげるよう、工夫していますが、携帯キャリアとECの距離感が近づいてきているように思います。そんな中での、KDDIによるDeNAショッピング事業の買収です。おのずと、その期待は高まります。ただ、両社はその性質が異なるように思います。

 SoftBankはIOT事業への出資などにも見られるように、インターネットを軸としたインフラの構築に力を入れているように思われます。一方で、KDDIはもう少し、ネットにとらわれず、コンテンツの強化にも力を入れていて、通信にありがちな硬いイメージから脱却して、エンターテイメントを含めた人々のライフデザインの構築に力を入れようというイメージが強いです。

 僕は、実は、KDDIのこの辺の動きに興味を持っています。Syn.という会社がKDDIの傘下にありますが、Syn.アライアンスといって、いくつかのコンテンツとの連携を密にしているんです。そのコンテンツは食べログ、nanapi、monipla、音楽ナタリー、コミックナタリーなど、魅力的なものばかりです。でも、多くの人は、KDDIをみて、「ああ、携帯会社ね」いうのはあると思うんですが、このラインナップを見たら、どちらかというと、コンテンツにも力を入れているんだな、と感じると思うのです。

 そして、KDDIコマースフォワードが運営するWowma!が誕生した。だから、正直、僕はこの一件のニュースを耳にして、驚きというよりは、やっぱりなと思いました。

今まで作れなかった価値をWowma!には期待したい

 いずれ、このエンターテイメント要素はなんらか関連性を持ちながら、もちろん、ECにも影響を及ぼすものと僕は見ています。KDDIはこれらエンタメ要素の持っているコンテンツの数々を紐づけて、イメージを変えていくべきだと僕は思っています。それが通信にとらわれることのない、新しいKDDIのイメージを映し出す。

 さて、その中で、Wowma!を見てみると、他のモールとの姿勢の違いが見えてくるように思います。そんな風にして、人々の生活に何かしらの気持ちの盛り上がりを与えるようなサービスにしていこうというニュアンスがあります。

 最近、KDDIはau経済圏とか、ライフデザイン構想、というものを公言しだしました。なんかこれはこれで、今までのECとは違った可能性を、Wowma!にも感じるし、それこそ、DeNAショッピングでいたらできなかったであろうその価値観を提案してくれそうです。

 ただ、まずは足場を固める意味で、「Wowma! Brand Square」 というコーナーを用意しました。ここにマルイグループが参画しています。マルイとしては「マルイウェブチャンネル」というものがあり、このノウハウと商品群をここに生かしていくとしています。商品群で、まだまだ他のモールから遅れをとっていることもあるから、ここら辺は、こういう連携などで、一気にシェアを取りに行けるような動きも活発化していくことでしょう。auユーザーを囲い込むという意味においても、4月の新学期シーズンを前に、このじきに、こうしたアピールをして、若年層をターゲットに、勝負をかけることに、意味はあるように思います。

さぁ、何が起こるか・・・。

というわけで、今日はこの辺で。
どうか笑顔あふれる素敵な一週間でありますよう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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