テモナが本日、東京証券取引所にてマザーズ市場に上場

石郷“145”マナブ

 テモナ株式会社が、東京証券取引所にて、マザーズ市場に上場を果たした。創業から8年、今こうして新たな幕開けとなった。彼らの志は高い。彼らの視線の先には、この二つがある。より確実に、より効率的に商品を販売したい事業者。そして、より便利に、より自分に合った商品を購入したい生活者だ。

 彼らは、この二つの間において、自分たちの存在意義を考えている。そこで出した結論は、「販売のしくみ」と「購入のしくみ」を変えていくこと。そこで、具体的に着目したのが「リピート」という行動パターン。事業者が提供する商品をリピート販売しやすくすることで、事業者のビジネスは更に向上する。一方で、生活者が必要とする商品をリピート購入しやすくすることで、生活者の暮らしは更に便利になる、ということだ。

 この考えにたって「リピートIT」 に特化したテクノロジーとサービスを提供しており、この上場によってどのようにまた、新たな価値を生み出していくかに期待がかかる。

 事業としては、説明するまでもないが、ショッピングカート付き通販統合web システム「たまごリピート」を展開している他、「ヒキアゲール」というサービスで、オンラインでのオフラインと同じような接客「ウェブ接客」など、長く買ってもらえるノウハウがここにはある。

リピートのテクノロジーの進化は、EC業界の時代の要請

 「たまごリピート」は、定期購入に必要なノウハウがすべてシステムに凝縮されているもので、顧客管理や決済などの機能が幅広く揃っているショッピングカート付き通販統合web システムだ。また、豊富な機能を使いこなすためのサポートも充実しているため、必要な機能を安心して利用することが可能。

 また「ヒキアゲール」は、リピート通販の店舗にはお馴染みで、コンバージョン率アップのツールだ。性別や年齢、購入履歴などの閲覧者の情報を判別し、あらかじめ設定したシナリオに沿って、成約へと繋げる。ECサイトにおいては、LPや広告等、各々はクオリティの高いところであっても、実は、全体の流れとしてその一つ一つを結びつけて考え、それぞれの価値を最大限引き出せているかというとそうであるとは言えない。

 特に、リピート通販においては、導入時に効率よくお客様を獲得して、どういう過程で成約に繋げるか、この一連の流れがきちんとできているかが重要。ここに重きを置いたのだ。

 同社はテクノロジーにおいては着実に、しっかりとした土壌を築いてきた。しかし、より多くの人に利用されるためには、テクノロジーの向上と、かつ、それらサービスの理解が深まるための人員的な投資も必要になってくるだろう。EC業界において、今までは、自転車操業的な運営をする事業者も少なくなかったが、一人のお客様をいかに長く買ってもらえることの重要さは、多くの店舗の間で広まってきて、今こそ勝負をかける時なのかもしれない。年々リピート通販への高まりは、この上場にとっても追い風で、かつ、EC業界の発展にも意味をなすだろう。上場で風穴を開けてほしい、テモナ。

ECノウハウ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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