越境ECなら「Magento」、EC-CUBEからの移行事例

ECのミカタ編集部 [PR]

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 世界で認められたeコマースプラットフォーム「Magento」。ベリテワークス株式会社(以下、ベリテワークス)では、Magentoを活用したクロスボーダー・ECサイト構築サービスを提供している。

 ベリテワークスは、Magentoの日本国内で唯一無二のカンファレンス「Meet Magento JAPAN」を毎年開催している。今年のテーマは、「Magento2」と「知識と経験の共有」であり、多数の講師によるセミナーが開催された。

 今回は、株式会社オーキスト(以下、オーキスト) 有賀和輝氏のセミナー「Magento2でモダンなECを手に入れろ!EC-CUBE2からの引っ越しのアレコレ」を基に、日本で最も成功したECのオープンソースと言われるEC-CUBEから、あえて「Magento2」に移行するのはなぜなのか、そのために何が必要なのかを考えていく。

世界から注目の的「Magento」の特長

 Magentoとは、Magento Commerce, Inc(以下、Varisen)が開発したオープンソースEコマースプラットフォームである。VarisenはZenCartやOsCommerceのカスタマイズ導入を手がけていたが、より良いアーキテクチャを追求し、自社が目指すEコマースのあり方を体現するためにMagentoを2007年にベータ版として発表した。

 2008年3月には正式リリースされ、以来世界中で急速に注目を集めており、2016年10月にはMagento2がリリースされた。

【Magentoの特長】
・優れたアーキテクチャと拡張性
 様々なECに対応するため、考え抜いたアーキテクチャを元に開発。他のプラットフォームでは難しいカスタマイズも、簡単に実装できるなど柔軟で安全な構造をしている。
・充実の標準機能
 Magentoには標準で多くの機能が備えられている。多言語・多通貨対応は当然ながら、マルチサイトや複雑な条件式を組み立てられるプロモーション機能なども最初から揃っている。
・数多くの導入事例
 全25万サイト以上の導入実績を誇り、日本でも特に著名な企業のサイトが数多く含まれている。海外企業では設立して間もないEC企業がMagentoを採用し、スピーディーにビジネスを成長させるケースが増加。

 こういったMagentoによるECサイト構築から保守運用、カスタマイズなどを手がけているのがベリテワークスやオーキストなのだ。

Magento2の活用事例「会員向け車両部品EC」

 有賀氏のセミナーでは、実際に「Magento2」を使用した「会員向け車両部品EC」の事例が紹介された。このECサイトでは元々EC-CUBE2.10を使用していたが、サイトのリニューアルを機にMagento2への移行を行った。

 移行を検討するにあたり、以下のような要望が挙げられた。

【要望】
・将来的には海外顧客へのオンライン対応を視野に入れたい
・スマートフォン・タブレットに対応したい
・ニュースレター機能を活用したい
・PDF納品書出力を活用したい
・サイト内検索ルールを調整していきたい
・自由度の高い送料区分設定(郵便番号でフィルター)をしたい
・開発支援・設計を良くしたい
・開発環境の同梱一式が入っていてほしい
・自動でバックアップしてほしい

 「Magento2」であればこれらの要望に応えられるということで、EC-CUBEから移行することとなった。移行に際して、商材とユーザー情報はCSVで移行することができる。

 気を付けなければいけないポイントとしては、まずはメモリー不足の問題がある。Magento2はdeveloper・production2の2モードという概念がある。production時には全てのモジュールに含まれるテンプレート類をコンパイルするため、公式推奨メモリーは2GB以上となっている。また、コンミューターの環境の問題もある。コンピューターの状態によってはデータが重く、インストールやアップデートが止まる恐れがある。この対処法としては、packagist.jpやhirak/prestissimoを使う方法がある。

 こういった移行に関して必要な様々な点は、ベリテワークスやオーキストのような企業がサポートしてくれるので、日本でも「Magento」を採用する企業が順調に増えているようだ。

Magento2を活用して日本語化する手順

 MagentoおよびMagento2のデフォルトの設定は英語なので、日本の事業者が導入する際にはまず日本語化をする必要がある。手順としては、初めに日本語化パッケージと小数点以下の計算エクステンションをインストールする。続いて、都道府県の追加や姓名・住所の逆順の修正行う。そして、i18nが適用されない箇所や日本語幅で崩れる箇所の修正を行う流れとなっている。

【手順の詳細】
・日本語パッケージ
 ベリテワークスが6000字程を日本語化したため、ほとんどが機械翻訳で問題ないが、気になる表現は随時修正していく。
・小数点以下計算エクステンション
 「1.00円」の小数点を消して綺麗に表現する。
・都道府県追加
 エクステンションを使用せず、直接インポートする。
・姓名の逆順修正
 パターンが多いが、諦めずに個別に対応していく。
・住所の逆順修正
 パターンが多く、英語圏仕様で難しい点。取り急ぎcustomer_eav_attributeのsoft_order編集で対応していく。
・i18nが適用されない箇所の修正
 修正箇所を見つけ次第、自分で上書きしながら修正していく。
・日本語幅で崩れる箇所の修正
 修正箇所を見つけ次第、自分で上書きしながら修正していく。

 越境EC、グローバル展開に強い分、日本語で対応できるようにするにはやや手間がかかるが、そこでこそベリテワークスやオーキストのサポートを活用すべきだろう。有賀氏によると、「Magento2は、日本語できちんと動かせばとても優秀であり、EC-CUBEの出番が無かった。」とのことだ。

 訪日外国人や海外ユーザーの増加もあり、越境ECに進出するEC企業は増加を続けている。しかし、日本の環境をベースに作られたシステムでは海外での対応が難しく、進出を諦めてしまう企業も少なくないだろう。そこに提示された新たな選択肢が「Magento」なのだ。海外をベースとした作りで、越境ECに必要な機能が充実しており、安全に使用することができる。

 自社で扱いきれるか分からないといった不安にも、ベリテワークスやオーキストのような企業が登場していることで、簡単に使用することが可能となった。今回のカンファレンスに始まり、こういった動きが越境ECを視野に入れるEC企業の背中を押していくことになるだろう。


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