SBI AXESから「SBI FinTech Solutions」へ。金融とITが融合したFinTechでもたらす新たな価値とは

ECのミカタ編集部 [PR]

SBI FinTech Solutions株式会社 代表取締役社長 三文字 正孝氏 SBI FinTech Solutions株式会社 代表取締役社長 三文字 正孝氏

 EC業界でも金融とITが融合した「FinTech(フィンテック)」を活用したサービスの話題を頻繁に耳にするようになってきた。FinTechがもたらす新たな技術やサービスとはどのようなものだろうか。

 直近の動きとして、7月1日には、インターネット草創期よりクレジットカード決済をはじめとしたオンライン決済サービスを主軸として事業を展開してきた決済サービスプロバイダのSBI AXESが、「SBI FinTech Solutions」に社名を変更。同社は、4月1日にFinTech領域のサービスを手掛けるSBIグループ3社を子会社化している。FinTechをいち早く取り入れて社会に付加価値をもたらすビジネス展開を目指し、求められる革新を追求し創造し続ける同社の代表取締役社長 三文字 正孝氏にお話を伺った。

ECトータルソリューション企業から「総合FinTechソリューション企業」へ

—SBI AXESからSBI FinTech Solutionsへ。まずは社名に込めた想いと意気込みをお聞かせください。

三文字氏: 当社はインターネット草創期よりクレジットカード決済をはじめとしたオンライン決済サービスを主軸として事業を展開してまいりました。また2012年以降は「ECトータルソリューション企業」へと事業領域の拡大を図り、EC事業者様の様々なニーズに応えることで共に成長する企業を目指して価値あるサービスの提供を推進してまいりました。

 そのようななか、金融とITの融合による新たなテクノロジー、いわゆるFinTechという言葉がメディアを賑わし、金融業界のパラダイムシフトに留まることなく個人の日常生活や既存のビジネスを大きく変革する、不可避かつ不可逆的な現象として世界中で注目を集めています。

 これまでもSBIグループの一員として、巨大なFinTech市場の発展を見据え、いち早く時代のニーズに合致した利便性の高いサービスの拡充を図るべきと考え、パイオニア精神を持って取り組みを進めてまいりました。今回、社名変更に至ったのは、「FinTech関連事業会社を複数有する立場から、総合的なFinTechサービスの提供を目指す」ためです。グループの総合力を活かし連携することで、相乗効果を発揮し、FinTechの魅力である「早い・安い・便利」に加え、「安心」なサービス提供に努めてまいります。

 また、同時にFinTechベンチャーやIoT技術を活かした事業展開を行う企業との連携を図ることで、EC事業者様のニーズにいち早く対応していこうと考えております。

3社の集約で狙う相乗効果

3社の集約で狙う相乗効果社名変更した経緯とFinTech事業の今後について語る 三文字 正孝氏

—4月1日には新たに「SBIソーシャルレンディング」「SBIレミット」「SBIビジネス・ソリューションズ」の3社を集約したと伺っています。その狙いと、期待される相乗効果についてどのようにお考えでしょうか。

三文字氏: 今回、当社グループ内に3社を迎え入れ、社名変更に至った背景には、「FinTech」が大きなキーワードになっております。前身のSBI AXESが営んできた決済事業との親和性が高いFinTech事業会社を集約することで、総合的なFinTechサービスを提供できる体制を整備し、更なる成長を目指します。今回3社を迎え入れたことにより、FinTech分野において、6つのサービス領域を持ち、多様なサービスの提供が実現します。

 SBIソーシャルレンディング株式会社は、インターネット上で「お金を借りたい人・企業」と「お金を貸したい人・企業」を結びつける融資仲介サービスを提供しております。「ソーシャルレンディング」はクラウドファンディングの一種として、銀行預金の低金利が続く中、運用コストを抑えて、高利回りを実現できる商品設計で、個人を中心に年60%以上の水準で拡大している超優良市場です。同社では貸倒ゼロの実績をもち、融資運用残高は100億円を超えております。さらに、一例として外国人技能実習生を支援するファンドを組成するなど、社会貢献度の高い「ソーシャルリターン」の創造も目指しているところに特長があります。

 SBIレミット株式会社は、世界200の国と地域に拠点を置くマネーグラム社取扱店のネットワークを通じた海外送金・国際送金サービスを提供しており、国際送金の送金累計額が3,000億円を超える日本最大級の送金事業者です。特長は、インターネットを主とした効率的な送金処理システムを用いた運用により、業界最低水準の手数料を実現していることにあります。現在、アジア各国、南米各国では銀行口座宛ての送金も可能としている他、日本とタイ王国間では初となる、分散台帳技術を活用した、リアルタイムかつ最低水準の手数料での海外送金サービスも提供開始いたしました。また最近では、韓国で国際送金の規制が緩和されることを受けて、ブロックチェーンやBitcoin領域の事業を展開するCoinplug, Inc.(コインプラグ社)と共同で、韓国と世界各国間の国際送金事業を展開すべく合弁会社SBI Cosmoney Co., Ltd.(SBI コスマネー社)を設立しました。

 SBIビジネス・ソリューションズ株式会社は、経理・財務業務のアウトソーシング、業務システムのASP(SaaS)サービス、IPO実施支援、ビジネス・テンプレート提供など、企業のバックオフィスのサポートを中心に様々なサービスを提供しており、メガバンクをはじめとした金融機関や上場企業にご利用いただいております。さらなる顧客利便性を追求した例としては、銀行APIとの連携により、振込データを「総合振込サービス」にシームレスに連携できる「総合振込API連携サービス」があります。また、日本最大級のパーソナルファイナンスサービスである「マネールック」を提供するなど、様々なFinTech関連技術を活用した積極的な展開を推進しております。

 これら3社と顧客基盤・ノウハウを相互に活用することで、営業活動や提供サービスの強化はもちろん、サービス領域や顧客基盤のさらなる拡大が期待できます。またFinTech領域における新たなソリューションの提供や開発についても検討を進めております。

「決済代行事業」+「FinTech」でEC事業者の成長に貢献を

—これまでSBI AXESとして提供してきた決済代行事業はどのような位置付けになるのでしょうか。

三文字氏:  今後も決済代行は当社の主要事業として引き続き注力してまいります。当社は、創業当初からEC事業者様のニーズにお応えできるようきめ細やかなサービスを提供しており、例えば、24時間365日コールセンターを運営しているのは業界では当社のみ、またグループ会社のビジネスサーチテクノロジ株式会社より提供している画像付き検索アシストツール「ポップリンク」も大変好評いただいております。
 このように決済代行を主要事業としながらも、決済面にとどまらずEC事業者様の成長に貢献するサービス提供を続けてきた結果、全国に10,000サイトを超える導入実績があります。今後もEC事業者様に安心してご利用いただけるサービス提供を続けていく所存です。

ー決済代行事業の提供を続けていく上で、「FinTech」というキーワードはどのように発揮されるのでしょうか。

三文字氏: 決済代行事業におけるFinTechの取り組みの一つとして、SBIグループの住信SBIネット銀行株式会社と中小企業向けトランザクションレンディング「レンディング・ワン」を2016年10月より提供開始しております。

 「レンディング・ワン」は、企業の成長に必要な資金を、最短で当日融資するという、これまでにないスピードで融資を受けられるサービスです。通常、金融機関から融資を受ける際には、借入申込書や決算書など複数の書類提出や窓口などでの面談が必要で、融資までに時間がかかりがちです。「レンディング・ワン」では、決済代行業という特性を活かし、EC事業者様の店舗におけるトランザクションデータを用いた金融機関とは異なる評価基準で与信を行っており、よりスピーディーな対応が可能となります。

ー銀行代理業の許可を取得し、新サービスの提供を開始されると伺いました。
三文字氏: 銀行代理業を開始することにより、株式会社ゼウス加盟店様向けに従来の商品ラインナップである「レンディング・ワン」に加えて、入金サイクルを大幅に短縮する毎日入金サービス「ペイメント・ツー」の提供を開始しました。

 「ペイメント・ツー」は、入金サイクルを大幅に短縮し、毎日入金が可能となるサービスです。対象となるのは、決済サービスプロバイダの株式会社ゼウスのクレジットカード決済サービスをご利用頂いているEC事業者様で、売上が計上された日の2営業日後に、同売上金から所定の手数料を控除した金額の入金を行います。これは、住信SBIネット銀行株式会社とのシナジー効果を発揮し、同社がもつ高い資金調達力およびノウハウを活用することで実現しました。EC事業者様の資金ニーズに柔軟にお応えできるよう、EC事業者様に向けた独自の審査基準を設定しております。このサービスにより、EC事業者様はキャッシュ・フローの確保をいち早く行い、機動的かつ戦略的な店舗運営ができるようになると確信しております。EC事業者様を資金調達の面から支援することで円滑な経営に貢献するとともに、顧客満足度の向上に努めてまいります。
 ※「レンディング・ワン」「ペイメント・ツー」は住信SBIネット銀行株式会社の商品です。
  ご利用いただく場合、住信SBIネット銀行株式会社にお申込みいただく必要があります。


 顧客ニーズにいち早く対応し、早い・安い・便利・安心に利用できるサービスを追求する同社が辿りついた「FinTech」への集中という選択は、EC事業者をはじめとする多くの企業にとって使いやすく、価値を提供するものとなることだろう。特に「ペイメント・ツー」は資金繰りが事業の成長を大きく左右するEC事業者にとって、大きな価値を持つ。「ペイメント・ツー」の詳細については、近日改めて取材を敢行する予定だ。今回の取り組みがIT・金融面から、EC業界の発展の一翼を担うことに期待を寄せたい。


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