トライステージ、インドネシアMERDIS社を子会社化

株式会社トライステージ(以下「トライステージ」)は、当社持分法適用会社であるPT MERDIS INTERNATIONAL (本社:インドネシア国ジャカルタ、以下「MERDIS(マーディス)社」)を子会社化する事としました。

トライステージでは、今年2月にMERDIS社株式を26.0%取得し、以降同社の経営に関与してきましたが、同社経営陣との信頼関係が十分に構築されたため、8月に11.3%の追加出資を実行しました。今回は、既存株主より同社株式36.7%を取得することで合意しており、当社の出資比率は74.0%となります。

MERDIS社は、インドネシアにおけるトップクラスのテレビ通販向けベンダーです。同社の強みは、日常生活のランクアップへの憧れを訴求できる高感度な商品構成力と、市場の需給に対応できる商品供給力です。加えて、インドネシアを代表する財閥系企業との関係構築も進んでおり、事業の推進力となっています。

同社の主要な取引先は、インドネシア最大級のメディアグループEMTEKグループ(※1)であり、創業以来、傘下の有力テレビ局「SCTV」や「O channel」等複数のテレビ局に対して商品供給を行ってきました。また、韓国大手財閥であるGSグループ傘下の通販企業であるGS Home Shopping Incと、インドネシアの有力複合メディア企業であるMNCグループ(※2)の合弁企業であるテレビショッピング企業への商品供給も開始しました。

主要取引先のテレビ局「O channel」は、経済成長がジャカルタ一極集中から地方へ拡大する流れを掴み地方都市展開を開始、地方局ネットワーク「Smile Channel」も事業展開を加速しており、MERDIS社は両局との協業を進めています。

また、トライステージグループ企業であるタイ最大のテレビ通販企業TV Direct社に向けての商品提供を開始します。これは、同社にとっては創業以来初めての、国外に向けた商品卸売事業となります。

さらに、テレビ通販業界から一歩踏み出す取組みとして、EC向けの商品供給を推進します。取引先の1社はインドネシアの財閥Lippo Group傘下の流通グループであるMatahari(マタハリ)グループ(※3)が、2015年に開始したECサイト「Matahari Mall」です。また、アリババグループ企業である「Lazada」(ラザダ)にも商品を供給しています。インドネシアのEC市場の成長余力は大きいため(※4)、「アジアに残された最後の巨大市場」と評されていますが、中でも有力な2強ECサイトのビジネスパートナーとなることで、MERDIS社は同EC市場の重要なプレイヤーとしての地位を得ています。

インドネシアでは、経済発展に伴う経済中間層の拡大に加えて人口ボーナス期が重なることにより、リテール市場の高い成長が見込まれます。大きな成長可能性をもつMERDIS社を子会社とすることで、インドネシア以外の国においても協業が可能となり、当社グループ海外事業の拡大に大きく寄与することとなります。

なお、当取組みが今期の連結業績に与える影響につきましては軽微ですが、中長期的には当社業績の向上に貢献する見通しです。今後、業績に重要な影響を与える見込みが生じた場合は、速やかに公表します。

※1 EMTEKグループについて
会社名:PT ELANG MAHKOTA TEKNOLOGI Tbk

EMTEKグループは、インドネシア株式市場に上場しており、メディア事業、通信事業等を有するインドネシアのコングロマリットです。特にメディア事業は、SCTV、OChannel、Indosiar等のテレビ局を傘下に持ち、インドネシア全国240以上の都市において1億6千万人の視聴者を誇る、インドネシア最大級のメディアグループ。

※2 Media Nusantara Citra社について
会社名:PT Media Nusantara Citra Tbk

MNCグループのテレビ・ラジオ放送部門。運営会社地上波テレビ局全12チャンネル(政府系1チャンネル、民放11チャンネル)のうち、4チャンネル(RCTI, MNCTV, GlobalTV, iNewsTV)を保有し、他にも複数の紙媒体、ラジオ、広告代理店等を経営するインドネシア有数のメディアグループ。

※3 Lippo Groupについて
会社名:PT Lippo Karawaci Tbk

不動産、メディア、流通・小売、金融、通信、病院、ヘルスケア等を有するインドネシアのコングロマリット。Matahariは1958年より国内各地に店舗を展開してきた同国最大の百貨店チェーンであり、1995年からLippoGroup傘下。その高い知名度を活かして2015年3月EC事業に参入、「インドネシアのアリババを目指す」として「Matahari Mall」を開始する(百貨店の経営権は2010年他社に移転)。

※4 インドネシアのEC市場について

1.2012年時点のインドネシアEC市場規模はおよそ9億米ドルと推定され、年1340億ドルにのぼる同国の小売市場からみれば1%未満のシェアに満たなかったため、成長余力の大きい市場として注目されている。(出典:Roland Belger ASIA NEWSLETTER 飛躍 2013年12月号)

2.東南アジアのEC市場が2018年までに年平均成長率37.6%で成長東南アジア(6ヵ国)の2018年EC市場規模(B2C)は345億米ドルに到達すると予測。新興経済の成長に伴い、2018年にはインドネシアが全体の40%以上で、同市場の最大シェアを占めることが予測される。(出典:フロスト&サリバン ジャパン株式会社 2014年7月4日)

3.ASEAN諸国における小売事業の成功には、テレビでブランドや商品の認知を図り、商品を手に取って確認できる場としてリアル店舗を用意することが重要である。効率重視でEC事業だけに参入しても成長が難しいのがASEAN諸国の共通点と言える。一方、既存チャネルとのシナジーを創出しオムニチャネル化が実現できる企業は、ECでの成功確率が高いとみられている。
(出典:Roland Belger ASIA NEWSLETTER 飛躍 2013年12月号)