最終回 移り変わりの早いEC業界での取り組み。

藤井 玲

皆様、こんにちは。
アートトレーディング株式会社の藤井です。

リオオリンピックが始まり日本選手の予想以上の活躍に日本中が湧いていますね。正直、そこまで熱心な方ではないですが、やはり柔道、体操、水泳など日本が強いと言われている競技でメダルが獲得できるととても嬉しいですね。

さて、いよいよコラムも6回目を迎え、本日の更新が最終回となります。
少しでもEC運営者の皆様のお役に立てたでしょうか?

今回は、最終回という事で、趣向を変えて、移り変わりの早いEC業界で今後どう取り組んでいけばよいのか?について、お話をしてみたいと思います。

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第4回 成功店への仲間入りの証、月商1000万円達成!これからどうする!?
https://ecnomikata.com/column/10021/

第5回 1500万円~2000万円を目指す皆様へ。
https://ecnomikata.com/column/10276/

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スマホ経由の売上が圧倒的に増える。

そんなことは言われなくても知っている。EC運営者様なら当然です。
しかし、皆様が思っている以上にスマホ化されていますし、その勢いは止まりません。

私も仕事ではPCを使いますが、仕事を離れれば、スマホしか利用しません。
仕事で利用するSurfaceは持っていますが、家にPCはありません。
※平日Surfaceを職場に忘れて家に帰って、何かしらのトラブルがあった時は
さすがに困りますが、その他はほとんどスマホで事足ります。

何が言いたいかと言うと、分かっていると言っても、ECのスマホ化はまだまだ
注力不足の店舗が大半です。

モールのテンプレートのTOPページや、商品ページでは、充分ではありません。
特に、何度も言いますが、注力商品は、スマホ化が絶対に必要です。

もちろん作業時間が大幅に増えてしまいますが、ライバルに勝とうと思っていて
ライバルがそんなにスマホに注力していなかったら、これ以上ないというほどチャンスです。一気に巻き返せるかも知れません。

業態によっては一概に言い切れませんので、過激な発言は控えますが、PCサイトを作り込むよりもスマホをやる方が良いという商品はたくさんありますので、自社の事を改めて見直してみてください。

Amazonの台頭

海外の誰かの記事だと思いますが、「数年の間にAmazonで買える商品を扱っているECサイトは、全てAmazonにとってかわられるだろう。」

かなりショッキングな意見ですよね。
でも、一理あるなと率直に感じました。

実際に私もAmazonを一番利用しています。

【Amazonの魅力】
サイトをまたいで面倒な検索をする必要がない。
1発で、適正な価格で、提示してくれる。損をしないという安心感。
プライム会員であればほとんど送料無料で、圧倒的なスピードで運んでくれる。
素晴らしいサービスです。

もしかすると女性は、それじゃつまらないかもしれませんが、恐らく多くの男性は、Amazonのシンプルで便利という魅力にハマっていると思います。

でも、全てのビジネスがそうじゃない。そんな簡単な事ではないと私は思います。

では、これからどういう傾向にあるでしょうか?
それは、ずばり、専門店化されたECサイトです。

オフラインでもそうですよね?
昔は何を買うにも百貨店に行きました。
しかし、今は、家具を買うなら、百貨店ではなくニトリなどの家具屋さんに行く。
という人も多いのではないでしょうか?

さて、話をECに戻しますと、色々な商品を展開するという事は、ついで買いを誘発し、ロングテールで売上をあげていくというセオリーではありますが、Amazonと同じことをやっても絶対に勝てません。

その為、「ターゲットを絞る。」という事が求められてきます。
専門店化しターゲットを絞り成功しているモールやサイトはたくさんあります。

有名どころで言えば、ZOZO TOWN、MAGASEEKと言ったファッションモール。
今後は、どんどん世代ごとや求めるファッションによってターゲットが更に絞られたモールが誕生していくでしょう。

続いて特筆すべきは、モノタロウです。
工場、工事現場、物流などの「現場を支える」というキャッチフレーズで大変な成功を収めています。

恐らく、どこでも売っている商品なのでしょうが、この「現場」で必要という見事に絞られた市場では圧倒的なシェアを獲得しているのだろうと思います。

以上の通り、これから目指すは自社の得意な狭い市場であり、それはニッチであればあるほどシェアを取れると思います。

まだまだ、AmazonにECが独占されるなんてことはありません。

物流の重要性

またまた、Amazonが関係してきますが、お届けに関するお客様の要求が高くなってきています。

私もいつも子供の必需品をAmazonで買うのですが、たまに、楽天の店舗で買うと、妻から遅いね!いつ来るの?と必ず聞かれてしまいます。

購入してからいつ届くんだろうという心配をすることがない程、Amazonの物流のサービスレベルは高いと言わざるを得ません。

つい先日、大手の自転車屋さんのネットショップで自転車を購入しました。
翌日、注文メールがきて、2日経過して、メーカーの在庫がありません。
2週間待ってくれますか?というメールが来ました。

遅い!遅すぎます。
自転車という商品の性質上、次の日に届かなくても良いかもしれませんが、今時ありえないと私は思いました。せめて、その日中に納期は知りたいと思います。

※自転車なので、利用開始後のメンテナンスの事を考え、店舗を構えている会社のECサイトで購入しましたが、もっと安く、もっとサービスの良いお店はたくさんありました。

これは、私だけでなく、一般ユーザーの心理がこうなってきているという事です。

配送が遅ければ、いつ届くの?という問い合わせが増えます。その対応をする作業が増加します。
長らく待ってやっと届いた商品に傷があった。商品が間違っていた。なんてことになったら大きなクレームになります。更に、再配達の商品が届くのにまた、何日もかかるなんて事になれば。。。

Amazonが一般化してしまった配送レベルにあわせろ!とは言いませんが、努力していかなければ間違いなく淘汰されていくでしょう。

もちろん外部委託しないでも、自社でも仕組みさえ作れれば、プロと同等レベルで出荷することが可能です。

EC業界は競争が激しいが、未だに成長を続けている市場

以上、ECサイト運営者の今後の取り組みについて簡単にお伝えしました。

本当は、今年は、越境ECイヤーだろうとも思うのですが、私の専門的なところでお伝えすることが十分にありましたので、他の方にお任せしたいと思います。

終わりに、、、

全6回の私のコラムもこれで終わりになろうとしています。

購読頂いているECサイト運営者様に何か、少しでもお役に立てるアイデアをお伝えできたでしょうか?

心配は尽きませんが、私が毎回、事あるごとにクライアント様にお伝えていることや、実際にご相談を頂いてお応えしていることなどを踏まえて、現場経験者の意見としてお伝えさせて頂きました。

私は、この15年近く、ECの運営に携わってきましたが、ECには切っても切れないものがあります。それは、在庫の管理と物流業務の管理です。

その上で、ECの運営をするには、EC向けに開発された物流システムが必要だと感じていました。
それが世の中になかったので、当社がECの運営のお仕事を受ける為に、どうしても必要だったのでスマロジの開発に着手し、現在EC運営者様にご提供をさせて頂いております。

正直、長らくあまり理解されませんでしたが、最近になって一気に注目を浴びるようにになってきたと肌で感じています。
それは、やはり前述の通り、各社のサービスレベルが上がっているからだと思います。

今後も、どんどん色々なサービスが当たり前になり、そのサービスレベルに到達できないECサイトは、お客様から選ばれなくなります。正直、大変厳しい世界だと思います。

しかし、市場も右肩上がりで成長している大変魅力ある市場と私は感じています。

この厳しいながらも魅力ある市場で、私は、皆様の成長をご支援させて頂くというとてもやりがいのあるエキサイティングな仕事をさせて頂いていることに感謝しております。

では、また、どこかでお会いできるときを楽しみにしております!
長い間ご購読頂きまして誠にありがとうございました。

アートトレーディング株式会社
藤井


著者

藤井 玲 (Akira Fujii)

2002年に自社の直営店として、輸入雑貨のECサイトをまだまだ小さな会社だった楽天市場に出店。以降、Yahoo!店、Yahoo!オークションストア、ビッダーズ店と自社店舗を経験。

その後、東証一部上場企業のファッション系ECサイトの運営全般のサポート業務を行うことになり、自社運営サイトを全て閉店し、EC運営代行事業を開始。

EC運営代行事業を行っていくなかで、EC運営には、ECに特化した受注や物流、在庫管理の問題を解決する仕組みが必要だと痛感し、EC特化型在庫管理システム【スマロジ】を開発し、提供を開始した。

自身も小売業出身の為、小売業の皆様の気持ちが一番分かるITの専門家として 難しい専門用語をなるべく使わずにご説明、ご提案することをモットーとしている。