【2020年振り返り】ヤフーニュースまとめ~物流の強化と今後の展望~

森田 春香

2020年の振り返り、今回はヤフーのニュースを振り返る。今年はどの業界も、コロナウイルスの影響を大きく受けた。EC通販の需要は増え続け、市場は大きく拡大した。

ヤフーは今年も大きな施策を打ち出してきた。ある意味で特別となったこの1年を振り返り、来年に向けてどのような動きが出来るのか。また来年、ヤフーはどのような成長をするのか、予想を立てよう。

上半期の主なニュース

上半期の主なニュース

物流の強化 Amazon、楽天とともに3大モールと呼ばれるヤフー。市場のトップを目指すため、まずは物流に注力した。この連携により受注から出荷までをヤマトが担うこととなり、ヤマトの持つ膨大な拠点、物流ノウハウをそのまま使うことが出来る。物流品質の大幅な改善、ストアの負担軽減を実現した。

ヤフーがヤマトと提携し物流強化、Zホールディングスのさらなる取り組み

外出自粛中に売れたものとは

Yahoo!ショッピングのデータから、4~5月ゴールデンウイーク明けの期間に集計されたランキング。今年のゴールデンウイークはどこにも行けなかった人、近場に出かけた人がほとんどだったのではないだろうか。「お家時間」の増加に影響されたランキング結果となっている。

緊急事態宣言下で消費が伸びたもの・減少したものは?「Yahoo!ショッピング」のデータから分析

Yahoo!おトク宝箱の提供開始

「Yahoo!ショッピング・PayPayモール・ヤフオク!」などの、eコマース関連サービスで提供しているクーポンやセール、ボーナスなどの「お得情報」をまとめてユーザーに届けるサービスを開始し、これまでサービスごとにしか確認できなかった情報を一元化した。 蓄積されたビッグデータを活用し、その人に合ったお得な情報を掲載する。これによりユーザーは、常時数千件掲載されているクーポンのなかから、興味関心にあった情報を探しやすくなる。

ヤフーが『Yahoo!おトク宝箱』の提供を開始 「Yahoo!ショッピング・PayPayモール・ヤフオク!」などEC関連サービスの割引・クーポン情報をまとめてユーザーに届ける

下半期の主なニュース

下半期の主なニュース

ネコポス送料の値下げ

ヤマトとの連携を強化したことにより実現したサービスは多岐にわたる。

9月1日からは、ポスト投函型配送サービス「ネコポス」を、出品者による送料負担の場合、従来の全国一律195円から、個人間取引の中で「ネコポス」最安の全国一律170円に、送料を落札者負担に設定する場合も、210円(従来225円)に変更した。

一般的なポストに投函できるサイズの送料を値下げすることにより、今後もニーズが高まり続けるであろう非対面配送が、より手軽に利用できる。

[ヤマト運輸 × Yahoo!]非対面配送の連携を強化 ネコポス送料の値下げ(全国一律170円で提供)など、さまざまな施策を実施

バーチャルフィッティング機能の追加

ヤフーが運営するPayPayモール上で購入できる、イヤリングやメガネなどに近い3D画像化サンプルを自分の顔写真に合わせ、着用のイメージが簡単にできる「バーチャルフィッティング」機能が追加された。

これによりECでの購入が難しかった、顔周りにつけるアイテムの購入のハードルがぐっと下がった。またコロナ禍において、複数の人が手に取る商品を試着することに抵抗があるユーザーにとっても、画期的なサービスとなった。

[ヤマト運輸 × Yahoo!]PayPayモール、3D試着できる「バーチャルフィッティング」機能を追加

決算発表

増収増益となった第2四半期。上半期の業績を大きく引っ張ったのはコロナ禍でのEC需要の増加だった。

Yahoo!ショッピング、PayPayモールでの新規購入者・出店者が増加したほか、政府のGoToトラベルキャンペーンによってO2O事業はV字回復したが、Yahoo! JAPANカードのオフライン使用や、広告売上は減少した。

コロナ禍で利用者急増 Zホールディングス増収増益

2020年間売上ランキングの発表

11月に発表された年間売り上げランキング。夏に減少傾向にあったコロナウイルス新規感染者数も、本格的な冬を迎え増加傾向にある。また長引く自粛の影響で、先の見えない不安やストレスを解消したい、癒されたいと考えるユーザーの心理が反映されたランキングとなった。

Yahoo!ショッピングが2020年間売上ランキングを公表。1位は芸能人に人気のあの商品!

超PayPay祭で発生した不具合

オフラインとオンライン、双方において大規模セールなどを展開する国内最大級の“お買い物の祭典”として例年11月11日を中心に開催していた「いい買物の日」キャンペーン。装いを新たに、「超PayPay祭」と名前を変え、10月17日~11月15日まで開催された。

期間中には様々なキャンペーンを打ち出し、結果として大盛況だった。しかしアクセス急増の影響で、11月15日には以下のような不具合も発生した。

・注文履歴に遅れて反映される
・注文確認メールが遅れて送信される
・PayPay残高支払いが完了し、PayPayアプリ上で支払い完了の状態になっている
・注文確定ボタンを押した後、カート一覧画面に移動し、エラーの表示およびPayPay残高払いが実施される

盛況のうちに終わった超PayPay祭。年に1度の大きなキャンペーンのため、ユーザーからの期待値も高い。今後の再発防止向けての対策に注目したい。

超PayPay祭でアクセス急増による注文反映遅延が発生 重複注文要確認のアナウンスも|ECのミカタ

「トクプラ」のリリース

同企画の実施については、ヤフーが打ち出している「クロスセグメントECプラットフォーム構想」の一環と見られる。ソフトバンクグループの主要ECプラットフォームは、Yahoo!ショッピング、PayPayモールがあり、前者が知名度と圧倒的な商品点数を特長としているのに対し、後者は、「優良店」が中心に展開し、品質的にも差別化を図っている。これに加え、大きな割安感で訴求していくのが「トクプラ」と見ることが可能だ。

50%オフ以上のアイテムを1,000万点超、掲載 ヤフーショッピングの新企画『トクプラ』がリリース

より網羅的に、ユーザー目線のプラットフォームへ

2019年にZホールディングスへと社名を変更し持株会社体制に移行、ZOZOの連結子会社化など大きく変化したヤフー。会社の変化とともに新型コロナウイルスによる社会の変化にも対応し、増収増益という結果に収めた。

「私たちは検索、メディア、Eコマース、メッセージング、ペイメント、金融サービスまで広範囲にわたる事業ポートフォリオを構築し、さらに通信キャリアであるソフトバンク(株)のグループの一員でもあります。通信キャリア事業からインターネットの主要サービスのほぼ全てを網羅する企業グループは、世界を見渡しても他に類を見ません。この独自性を生かすことで、私たちは今までにないユーザー体験を提供できると考えています」とCEOの川邊氏は語る。

「Yahoo! JAPAN」「PayPay」という核を持ち、さらに2021年3月には「LINE」との経営統合を控える。今後、ヤフーは今後も「検索エンジン」からの脱却を図っていくと思われる。ユーザー毎にパーソナライズ、最適化したサービスの提供などを見据えた今後の動向に期待したい。


著者

森田 春香 (Haruka Morita)

山梨県の山奥生まれ。一番古い記憶は家の庭の花を狸が食べていたシーン。
アパレル企画を経て編集職に転身。今もたまに服を作っています。
好きな食べ物はいちご、カレー、うどん、いくら。
趣味は散歩、アニメ、漫画、ゲーム。道中立ち寄ったお店の名刺をファイリングしたり、
街で見つけた古いお店の看板やいい感じのフォントを見つけては写真を撮ってブログに載せています。
形から入るタイプなので、コーヒーと甘いものを用意してから暗い部屋でアニメ鑑賞をするのが至福のリラックスタイムです。