カゴメだけじゃない。EC事業をスタートさせた各企業

ECのミカタ編集部

カゴメ

カゴメ株式会社(以下、カゴメ)は、自社で運営するEC事業の中に新ビジネス「農園応援」を立ち上げた。EC業界内でも地方創生が注目されるなか、今回のカゴメの取り組みはどのようなものなのだろうか。合わせて、ここ数年でEC事業をスタートさせた企業の動きをみていきたい。

カゴメが新たに「農園応援」を立ち上げ

カゴメのEC事業の歴史は古く、1998年に「健康直送便」をスタートさせたことが始まりだ。「健康直送便」では、「お店では買えない特別なカゴメ」をコンセプトに、野菜ジュースやサプリメントなどを取り扱っており、現在では38万人の顧客、年間約88億円の売上(2015年度)を有している。

そして「健康直送便」が始まってから18年、今回新たに「農園応援」が立ち上がった。「農園応援」 では、カゴメが全国各地の生産者を訪ね、農産物を目利きし、青果や加工品を“いつ・だれが・どこで・どのように”という物語とともに顧客へと届ける。まずは「健康直送便」を利用している既存顧客に対して、オンラインショップやメールマガジンで同事業を案内するとのことだ。

初年度に展開する商品としては、山形県上山市にある「果樹楽園うばふところ」佐藤和愛さんの『ゴールド ラ・フランス(青果)』と、北海道余市町にある「水尻農園」水尻宏明さんが栽培したトマトを搾った『北海道余市トマトジュース』の2品をオンラインショップで販売する。17年度以降は、取扱い品目を拡大し展開していく予定だ。

ECが世間に定着するまでは、地方の商品を短期間で手にすることは難しかった。しかし、ECは私たちの生活へ確実に変化をもたらしており、これから更に様々な可能性を期待させてくれることだろう。そんなECに魅了され、ここ数年の間にも様々な企業がEC事業をスタートさせた。

三越伊勢丹、KDDI…ここ数年で始まったEC事業

三越伊勢丹、KDDI…ここ数年で始まったEC事業

 つい先日、オイシックス株式会社と食品配達事業の合併会社設立を目指すとのニュースでも話題となった株式会社三越伊勢丹だが、2011年に関連会社の株式会社三越伊勢丹通信販売が食品配達事業「エムアイデリ」の運営を開始している。食品配達事業は各社とも積極的に参入しているため、競争率も高い。そのため、どのようにして他社と差をつけるかが、今後EC業界を勝ち抜いていくために求められている。

また、2015年には株式会社KDDI(以下、KDDI)が「au WALLET Market」をスタートさせた。KDDIといえば、最近、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)が運営する「DeNAショッピング」事業を取得したばかりだ。

KDDIによるDeNAの事業取得に関しては、DeNAおよびKDDIとの協業で運営する「auショッピングモール」の両事業を吸収分割の方法により新会社に承継するという内容であり、DeNAがこれまで培ってきたショッピングモール事業の知見・経験の蓄積をもとに、今後「au WALLET Market」をはじめとしたEC事業が一層強化されることが期待できる。

このように、様々な企業が新たにEC事業へと挑戦しているが、どれも既存のEC企業と競り合っていくべく戦略的な参入を図っている。カゴメに関しても、他社とどのように差をつけ、自社の色を出していけるかが勝負となるだろう。


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