ペイパル第3四半期決算発表。日本での取り組みも活発に

ECのミカタ編集部

ペイパル、第3四半期決算の詳細

 ペイパルが第3四半期(2016年7月1日~9月30日)の決算を発表した。詳細は下記の通りだ。

収益
26.67億ドル、18%成長(FXニュートラル:21%)

アクティブアカウント数(年に1回以上利用するユーザーの数)
1.92億人、11%成長

1アカウントあたりの決済件数
年間平均30件、13%成長

合計決済件数
15億件、24%成長

取扱高の総合計
870億ドル、25%増加(FXニュートラル:28%)

 収益、アクティブアカウント数、1アカウントあたりの決済件数など、どれを取っても成長している印象だ。この伸びの要因としては、モバイル決済における持続的な成長、継続的なマーケットシェア及び顧客基盤の拡大、そして顧客とのエンゲージメントの強化が挙げられる。

顧客の選択拡大および顧客とのエンゲージメントの強化

 アクティブアカウント数は11%成長、1.92億に到達した理由の1つである顧客の選択拡大および顧客とのエンゲージメントの強化について、ペイパルは顧客及び事業者の双方に差別化価値を提供することにより、一通りの買い物体験から顧客が感じる価値を改善し続けているという。

 また第3四半期において、計15億件の決済がペイパルを通じて処理されている。12カ月間ベースでは1アカウントあたり30件の決済件数に到達しており、前年対同期比13%と大きく増加している。ここから顧客とのエンゲージメントも例のないほど高まっていることが分かる。

 そして顧客の選択拡大において、ペイパルはエコシステムにおける重要な、新たな戦略的パートナーとしての役割を担っている。当四半期中にペイパルは、Visaとマスターカードとの合意し、アリババとの契約の延長として、アリババのグローバル小売市場であるAliExpressの支払いのオプションの一つとして加わった。そのため、次回決算において今期以上の伸びが期待できそうだ。

ワンタッチを通じて革新的な製品の体験

 今回の成長はワンタッチ対応も大きく影響していると言える。第3四半期の時点で、3,200万以上のアクティブアカウントと400万のアクティブマーチャントアカウントはワンタッチに対応している。日々その数は増加中だ。そしてペイパルは2016年が終わるまでに、500万以上のアクティブマーチャントアカウントが3,600万以上のアクティブアカウントにワンタッチが対応すると予想している。ワンタッチを通じて革新的な製品の体験を提供しており、その結果として今期の伸びにも繋がってきているのだろう。

 ペイパルは「グローバル決済においてのプラットフォーム及びテクノロジーリーダーとして、継続的なパートナーシップの拡大、及び革新的な製品およびサービスの提供を通じて、顧客の選択肢を更に拡大していくことにコミットしています。」とコメントしている。

 ペイパルの日本での動きとして、2016年6月に一般社団法人 日本旅館協会(以下、日本旅館協会)の会員施設が自社サイトでペイパル決済を導入できるよう全面的にサポートしていくことを発表している。急増する訪日外国人観光客への決済時におけるサービスの向上の一環だ。2020年の東京オリンピックに向けてさらに訪日外国人観光客が増加していくと予想されている中での本取り組みは、日本の文化や商品を知ってもらうチャンスとも言える。

 第3四半期におけるペイパルの成長の勢いは、今後日本旅館協会との取り組みを始めとして日本へさらに影響をもたらしていくだろう。今後の展開が楽しみである。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事