訪日中国人の消費行動が変化!今年の人気商品1位は【トレンドExpress調べ】

ECのミカタ編集部

 10月1日~7日は中国の大型商戦期「国慶節」であった。この期間は中国国内はもちろん、訪日中国人による影響で日本でも売上が上がる傾向にある。株式会社トレンドExpressでは、この国慶節における訪日中国人の消費動向の調査を実施した。

日本でしたこと「買い物」と同率で「食事」

日本でしたこと「買い物」と同率で「食事」国慶節に日本で買ったものランキング データ出所:トレンドExpress調べ

 今回の調査は、中国SNS上で国慶節に日本に訪問したと思われるユーザーの投稿を収集・分析することで行った。

 調査結果によると、ユーザーのうち約3割が6日間に渡り日本に滞在しており、次いで5日間、4日間と、国慶節の大半を日本に滞在するユーザーが多いことが判明した。さらに、モノ消費に関するものとコト消費に関するものを比較すると、6割を超える投稿がコト消費に関連したものであり、滞在期間が長期化するほど、コト消費に費やす時間が増加することが推測される。

 また、中国SNS(新浪微博)上で国慶節に「日本で○○を買った」と書き込まれた投稿を収集、集計しランキング化したところ、1位は「コスメ・美容」であり、次いで「ベビー・キッズ」、「医薬品」が続いた。中国では、“二人目ブーム”ということもあり、ベビー・キッズ用品の需要が高まっているようだ。

国慶節に日本でしたことランキング データ出所:トレンドExpress調べ

 さらに、トレンドExpressが訪日中国人を対象に訪日前後でヒアリング調査を実施したところ、国慶節に日本でしたことの1位は、同率で「買い物をした」「日本料理を食べた」、3位は「着物を着た」という結果になった。また、訪日前に「日本で○○したい」と考えていた希望の実現について、「買い物をする」「日本料理を食べた」に加え「お寺に行く」「遊園地に行く」等の観光スポットを訪れるものは、計画通り実現しやすいことが明らかとなった。

 一方、「日本の伝統家屋に泊まる」「屋形船に乗る」「ろくろを回して壺を作る」等の事前予約が必要なものは、実現しづらいようだ。

持ち運びができ、お手頃価格の商品が人気

持ち運びができ、お手頃価格の商品が人気カテゴリー別の「日本で○○を買った」と書き込まれた投稿数推移 データ出所:トレンドExpress調べ

 中国SNS上で「日本で○○を買った」という書き込みは、今年の1月から国慶節がある10月に近づくにつれ増加傾向にあり、1月と10月を比較すると2倍以上も増加している。目立った特徴としては、爆買いのイメージがある「家電」カテゴリーもいまだ増加傾向にあるが、リピート訪日の増加や、旅行スタイルが団体旅行から個人旅行へと変化しつつある影響を受け、大型家電は以前に比べると買われにくい傾向にあるようだ。

 逆に、「食品類」「カルチャー」「生活雑貨」のように、移動時の持ち運びに不便を感じにくく、購入しやすい価格帯の商品は、投稿数が4〜5倍と大きく増加しており、好まれる傾向にあるようだ。さらに、「日本で買った」と投稿される商品数が1月は428種類だったことに対し、9月には526種類まで増加しており、購入される商品が多様化していることも判明した。

ソーシャルバイヤー アカウント数の推移 データ出所:トレンドExpress調べ

 また、爆買いの火付け役とも言われていたソーシャルバイヤー(※)の存在にも変化が見られる。中国SNS上で今年の初めには約2,800あったアカウントが10月には1,000件程度と、ほぼ3/1に減少した。その要因に、今年4月の課税強化が挙げられる。
※中国語で「代購」、日本で人気の商品を仕入れ中国国内でSNS等を介し販売する人たちのこと

 爆買いのイメージが強かった訪日中国人の消費行動だが、今回の調査から分かるように、”モノ消費”だけでなく”コト消費”も重視されるようになっているようだ。また”モノ消費”のニーズも多様化しており、より日常的な商品が好まれるようになっている。越境ECに進出している、またはこれから参入を検討している場合は、こういった変化に対応するコトが求められるだろう。逆に、これまではチャンスが低かった企業にとってもチャンスが広がっていると言えるかもしれない。


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