カリスマ店員のWEB接客 ”Fanplayr”がサイト利益を最大化

福島 れい

Fanplayr 取材はECのミカタ オフィスにて。
右:Fanplayr.Inc Founder Derek Adelman氏
左:JAMU(株)  CEO 上田 英明氏
中央:ECのミカタ株式会社 小林 敬介氏

 多くのECサイトが取り組んでいるWeb接客。ユーザーとの接点を大切にし、顧客満足度を高め、売上につなげようという施策だが、思うように成果は出ているだろうか。今回取材したのは、JAMU(株)が提供する金融取引システムの考え方をEC向けにアレンジした新しいWeb接客サービス「Fanplayr(ファンプレイヤー)」。他のWeb接客ツールと一味違うのは、「利益を上げる・儲けるためのWeb接客サービス」にフォーカスしている点にあり、徹底的に購買行動解析を行い、的確にセグメントを見抜き、リアルタイム・アクションにつなげることで利益を最大化するという。お話は、Founder Derek Adelman氏とCEOの上田 英明氏に伺った。

徹底的に購買行動を解析、利益を上げるユーザーを見極める

 「Web接客やMA(マーケティングオートメーション)で成果が出ないとすれば、それは取り扱っているデータにノイズが多いからだ。」とDerek氏は語る。ビッグデータを用い、解析を重ねれば売上につながる施策が見つかりそうな気がするが、闇雲に集めたデータを使ってしまうと、事実とは異なる結果を招き兼ねないのだという。Fanplayrでは、金融の売買取引で利用される考え方をECサイトに取り入れ、正しく集めた大量のデータをリアルタイムで解析。ユーザーの行動を読み解くのだ。

 すると、こんなことが実現する。まず、ユーザーは4種類。「購入意思があり、何もしなくても買う客」、「購入を迷っている客」、「離脱する客」、「アプローチしても購入しない客」に分けられるようになる。ではこのうち、クーポンの配信や、送料の値下げなど購入を後押しする施策を打つべきなのは、どのユーザーだろうか? 答えは購入に「購入を迷っている客」と興味のある「離脱する客」だ。

 多くのECサイトが実施しがちなのが、「購入意思があり、何もしなくても買う客」にクーポンを提示してしまうこと。割引をしても、しなくても購入するユーザーにクーポンを出す行為は、利益率を下げていることに他ならない。Fanplayrでは、ユーザーの購買行動を正しく解析し、ユーザーの状況に合わせたアクションを選択。この場合であれば、「購入意思があり、何もしなくても買う客」には、”何もしない”というアクションをとることで、利益を最大化するのだ。

来訪者の19%が購入金額の87%を占める

来訪者の19%が購入金額の87%を占めるFanplayerを導入したアパレルECサイトの事例

 あるECサイトの事例では、Fanplayrを導入した結果、全体の19%の来訪者が、購入金額の87%を占めるようになったという。

 その内訳は次の通り。来訪者の4%に過ぎない「購入意思があり、何もしなくても買う客」の購入金額が全体の56%、来訪者の6%にあたる「購入を迷っている客」の購入金額が17%、来訪者の9%にあたる「離脱する客」による購入金額が14%を占めるようになったというのだ。Fanplayrの強みはここにある。

 ユーザーの行動を正しく見極め、的確なアクションをとることでECサイトの利益を最大化しているのだ。Derek氏は、「pay for play(使用料金)ではなくpay for performance(成果の対価)でビジネスをしているのだ。」と強調する。つまり、WEB接客のツールを提供するのではなく、WEB接客による成果を提供するのがFanplayrなのだと。

 Fanplayrを導入すれば、データの収集・解析・アクションを実行し、手をかけずに利益を上げられる仕組みが整うことになる。Web接客に必要以上に手間をかけてないか、利益率を下げていないか、今一度見直してみてはいかがだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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