より健全なマーケットプレイスに。メルカリが安心・安全への取り組みを強化

ECのミカタ編集部

 フリマアプリ「メルカリ」は、発生していた現金の出品等の問題について、全社を挙げて対応していく意向を発表した。今後も、ガイドラインを適切に整備し、不正な取引については厳しく取り締まる姿勢だ。

 現金の出品等の問題について、メルカリは出品の禁止・削除対応などを進めている。

 誰もが簡単にものを売ったり買ったりできるフリマアプリ「メルカリ」は、サービス開始当初よりカスタマーサポートに力を入れてきた。しかし、貨幣やチャージ済みの交通系電子マネーが出品される問題が発生したのだ。

 貨幣や電子マネーを購入する人の目的は「クレジットカードの現金化」だと推測されている。借金の返済などで現金に困った人が、クレジットカードを利用して現金を購入することで、一時的に現金を入手することができるというものだ。しかしその場合、当然のことながら借金の総額は膨らむ。

 消費者庁はクレジットカード現金化に対して、詐欺罪に問われる可能性もあるとして警告を発している。また、カード会社はクレジットカードの現金化を規約で禁止している。

365日24時間のサポート体制を構築

365日24時間のサポート体制を構築

 こうした現状を受け、メルカリではユーザーが安心・安全に利用できることを目的として、200名で365日24時間のサポートを行う。現在、年中無休で問い合わせや規約違反への対応を行っている状況だ。

 受信した問い合わせについては12時間以内に対応する。加えて不具合・利用履歴の確認が広範囲にわたる事案についても、最長で24時間以内に対応するとした。
 そのうえ、規約違反が確認された商品は、違反の通報から30分ほどで削除等の対応を実施。ブランド等の知的財産権を保有する権利者からの削除要請についても、1〜2日以内に対処していく。

多重な不正対策で安心・安全を強化

多重な不正対策で安心・安全を強化

 ユーザーに関しては、登録時・取引時・現金の引き出し時と複数回に分けてチェックが行われる。

 まずは、ユーザー登録時に電話番号を認証し、さらに複数アカウントを登録不可にすることで、登録情報の正当性をチェックする。そして、出品された商品についてはその実態を確認し、出品・購入・発送日時の妥当性をチェックするといった対応を行う。また、取引内容をチェックして、振込申請の正当性を精査する。
 これらの幾重にも重なる対策によって、安心・安全がより強固になる。

 また、メルカリでは犯罪防止のために、警察・経産省・国民生活センター等と情報交換を行っている。そこで得た知見をカスタマーサポートに活用するのが狙いだ。これにより犯罪を未然に防ぐ体制を整備し、偽ブランド品などによる知的財産権等の侵害を防止する。

 ますます勢いを増しているCtoCビジネス市場だが、その拡大に伴って違法行為も発生しているのが現状だ。今回のメルカリの対策は、ユーザーが安心して使用できる、健全なマーケットプレイス形成の一助となるに違いない。

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