電話応対で注意すべき点は?一目でわかる10カ条付き!【ネオマーケティング調べ】

ECのミカタ編集部

 総合マーケティング支援を行う株式会社ネオマーケティングは、2016年10月17日〜11月10日の25日間、化粧品通販会社大手6社に対しミステリーコールを実施した。電話による接客対応はEC店舗にとっても欠かせないだろう。今回は、どのような点に注意をする必要があるか考えていく。

調査内容

調査内容

 では、まず6社がどのような商材を扱っていて、どのような問い合わせをされたのか見てみよう。上の表を見てわかるように、主に化粧品やサプリメントなどの商品を扱っている化粧品通販会社が今回の調査の対象となる。問い合わせの内容は「おすすめ商品はあるか」や「どのような成分が入っているか」や「商品のデメリット」など、細かく多岐にわたる。

 そして、問い合わせ題材を元に、「つながるまでの回数」、「つながるまでの時間」、「つながるまでの時間(ガイダンス)」、「待たせた回数」、「待たせたそう時間」、通話時間(通話時間=発信~終話まで)」、「応対時間(「通話時間」から「つながるまでの時間(ガイダンス含む)」、「待たせた総時間」を引いたもの)」を6社5サンプルの平均で比較したものが上の表だ。

 6社の傾向としては、A社・ターゲット層重視型、B社・お客様寄り添い型、C社・コンシェルジュ型、D社・応対品質重視型、E社・注文電話重視型、F社・独自性重要視型ということである。

 この中で、「待たせた総時間」があったのはE社のみだった。さらに、「つながるまでの待ち時間」もE社は平均48.4秒と最も長く、ガイダンスの時間を含めると49.2秒という結果となった。

 次に、「話し方好感度」や「応対マナー度」などの『応対品質』を表にしたものが上の通りになる。「話し方好感度」や「応対マナー度」などの『応対品質』の各項目を見ると、最も平均が高いのはC社となった。

 「名乗り」や「好感度」、「あいさつなど電話の初期応対全般」の『基本動作』と、「話し方好感度」や「応対マナー度」などの『応対品質』の点数の平均を見てみると、『基本動作』の平均点が最も高かったのはC社D社。『応対品質』はC社が最も高い結果となっています。総合得点をみると、C社が最も高くなりました。

 これらをもとに、分析して見ると、各社の強みと弱みやどんな改善点が必要なのかが、見えてくると言っていいだろう。次項では、各社の弱みと強みを紹介するので、自社はどの型に当てはまるか考えつつ、各社の強みや改善点を参考にしてほしい。

各社の強みと弱み

では、各社の強みと弱みを紹介する。

A社・ターゲット層重視型
強み:言葉遣いが丁寧(応対マナーが教育されている印象)
弱み:言葉遣いが丁寧だが、抑揚がなく相槌が単調なため、事務的な印象
改善点:クッション言葉や相槌の種類を増やすと、お客様と距離が近づく

B社・お客様寄り添い型
強み:質問に素早く答えられる(知識がある)・積極性のあるオペレーターがいる
弱み:繋がりにくい(6社中唯一)・早口
改善点:応対時間の確保が必要(繋がりにくい原因は、一人ひとりへの対応が長いため)で、そのためにもシフト配置などを見直す必要あり

C社・コンシェルジュ型
強み:積極性のあるオペレーターがいる・お客様の満足で終わる
弱み:オペレーターによって応対レベルに差があり、物足りないオペレーターに当たると目立つ
改善点:トークスキル・説明スキル・質問スキルなど、スキルの差を埋めるといい

D社・応対品質重視型
強み:言葉遣いが丁寧・保留なしのスムーズな回答
弱み:相槌が単調で事務的な印象を与える・積極性がなく、+αの回答がない
改善点:積極的に悩みを引き出し、解決案を提示するフロー構築をするといい

E社・注文電話重視型
強み:テレビを見て商品を決めたお客様の「注文口」を強調していて対応が消極的
弱み:注文以外の「問い合わせ」は、お断りという印象・表現が冷淡
改善点:この会社には「問い合わせ」にはお断りというフローがありそうだが、表現のバリエーションを増やし、お客様を不快にさせないことが大切

F社・独自性重要視型
強み:電話だが、出だしが「いらっしゃいませ」でインパクトがある・暖かい雰囲気・声のトーンが優しい
弱み:特定のオペレーターは物足りない・トークが受け身で最小限の回答
改善点:オペレータースキルの均一化が必要

 以上のように、応対の質的面で各社の様々な特徴がある。この中の型に当てはまると感じた企業も多いのではないだろうか。

 次ページでは、これらをまとめた一目でわかる良い電話応対10カ条を披露!

一目でわかる!良い電話応対10カ条

敬語表現などの言葉遣いができる
②丁寧な言葉遣いの中にも抑揚を!
相槌のバリエーションを増やす
④質問に答える知識をつける
⑤積極的に悩みを引き出して解決案を提示
ゆっくり話す
⑦オペレーター間のスキル差を埋める
⑧「わからない」などのお断りも丁寧に
⑨「いらっしゃいませ」など独特の表現でインパクトと親しみを与える
⑩応対時間を確保するためにオペレーターのシフト配置を考える

 以上の10カ条を参考に、お客様一人ひとりに寄り添った接客を実現してほしい。一歩踏み込んだ接客を考えることがお客様の満足につながり、売上向上にもつながるはずである。


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