メルカリがザワットを子会社化。どうなるCtoC市場

ECのミカタ編集部

株式会社メルカリ公式HPより引用

 株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、2月17日付けで「スマオク」を運営するザワット株式会社(以下、ザワット)の発行済全株式を取得し、完全子会社化したと明らかにした。どのような目的があって、今回の子会社化に至ったのだろうか。

メルカリとスマオクでCtoC事業を強化

 ザワットが運営する「スマオク」は、中古のブランド品や世界でも人気を集めるアニメグッズの売買が世界中でできるオークション&フリマアプリだ。個人・法人問わずサービスを利用することができ、スマートフォンで写真を撮るだけでアイテムを世界中へ出品できる。

 また、毎晩21時に世界中からユーザーが集まり、LIVE感覚で100%商品に値段がついて売れる「フラッシュオークション」が人気なようだ。そして昨年11月には、海外ユーザーが購入した複数の商品をまとめて梱包・海外発送する機能を開発し、グローバルアプリとして更にサービスを充実させている。

 一方でメルカリは、スマートフォンを使って服から家電までどんなアイテムでも簡単に売買できるCtoCフリマアプリだ。最近では、テレビCMを使ったプロモーションを積極的に行うなどして、アプリのダウンロード数は日米合算6,000万、月間の流通額は100億円超にもなっている。

 今回、メルカリはEC分野におけるCtoC事業のさらなる発展・拡大に取り組んで行くため、ザワットをメルカリグループに迎え入れたとのこと。また、2016年より海外展開を強化しているザワットが国内外で認知を高めているメルカリの子会社となることは、両社の顧客基盤やノウハウを活かした越境ECサービスにも期待できる。人々の生活にCtoCアプリが身近な存在として位置付いている中、次はCtoCアプリによって越境ECが一般の人々にとって身近なものになっていくかもしれない。

記憶に新しい楽天のFablic子会社化

 また、忘れてはならないのが、昨年話題となった楽天株式会社(以下、楽天)による、株式会社Fablic(以下、Fablic)の完全子会社化のニュースだ。Fablicは、2012年7月に誕生した日本初のフリマアプリ「フリル」を運営しており、一方で楽天は、2014年11月よりフリマアプリの「ラクマ」を提供している。

 楽天がFablicを子会社化した目的として、少なくともメルカリの存在が影響していることだろう。2016年7月末時点で「フリル」と「ラクマ」の月間流通総額は、合計で数十億円にまで成長している。両社の連携によって、より効率的に顧客基盤の強化と拡大を行えることは明確であったのだ。

 このようにして各企業ともCtoC事業の拡大に力を入れており、争いが熾烈するなかで他社よりも進んだ戦略が重要となっている。そういった状況下で、今回、メルカリがザワットを子会社化したが、他社はどのような反応を見せてくるのだろうか。

 先日発表された、コメ兵が鑑定付きのブランド品フリマアプリ事業を今秋から開始するといったニュースからも解るように、これからはただ個人間でアイテムの売買が出来るというだけではなく、何かに特化した新たなCtoC事業が増えてくるかと思う。そういった意味でCtoC事業は、新たな局面を迎えているのかもしれない。

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