佐川急便が2024年4月からの値上げを発表 物流の2024年問題への取り組みは

ECのミカタ編集部

SGホールディングスグループの佐川急便株式会社(以下、佐川急便)は、持続可能な物流インフラの維持と品質の向上を目的に、宅配便などの届出運賃を2024年4月1日より改定したことを発表した。

価格改定は2年連続、物流の2024年問題へ引き続き対応 

2023年10月27日、佐川急便は宅配便などの届出運賃を2024年4月1日より「飛脚宅配便」で平均7%程度のほか、「飛脚特定信書便」「飛脚クール便付加料金(対象は140サイズ〈30kg〉のみ)」「飛脚国際宅配便」での値上げをする。値上げは2年連続となる。

同社は2023年4月の価格改定において、パートナー企業との取引単価の見直しや、燃料補助金の支給、従業員の処遇改善などを実施してきた。現在も、エネルギーや施設・車両等の価格高騰および労働コストの上昇、
2030年の輸送力不足を見据えた従業員とパートナー企業の労働環境改善
、顧客ニーズに対応したサービス品質の維持・向上、省人化や業務効率化に向けた施設およびDXへの設備投資などの継続的な課題は続いており、持続可能な物流インフラの維持と品質の向上を目的に価格改定へ踏み切ったようだ。

価格改定の概要

飛躍宅急便、特定信書便は関東から関西へ配送した場合の料金、国際宅急便については日本からアメリカへ配送した場合の料金について表にまとめた。飛脚クール便の付加料金については140サイズ(30kg以内)のみが改定の対象となる。

改定率については、下記の通り。

■飛脚宅配便:平均7%程度
■飛脚特定信書便:平均5%程度
■飛脚クール便付加料金(対象は140サイズ(30㎏)のみ):220円の値上げ
■飛脚国際宅配便:平均6%程度

物流の2024年問題に対する佐川急便の取り組み

2024年4月1日から、時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、モノが運べなくなる「物流の2024年問題」(※1)。

同社が発行した、SGホールディングスグループ「統合報告書2023」によると課題解決に向けて「環境変化に対応した適正リソースの確保」、「宅配便インフラの強靭化」、「先端技術の活用による業務の効率化」の3つの施策を推進しているという(※2)。

これらの取り組みにより、宅配インフラの品質を落とすことなく、物流業界を持続可能なものにしていく考えだ。

2024年問題に対応した生産性の高い業務の委託については、スワップボディ車、高速フェリーへのモーダルシフトにより長時間運行を短縮する。また荷物を降ろす場所がないため、発生していた待機時間を、大型中継センターの建設により削減する。2026年2月に稼働予定の東京中継センターもそのひとつだ(※3)。

従業員の労働環境にあたっては、人員配置の見直しやデジタル化による生産性向上に取り組み、残業時間の上限である年間960時間は下回る水準だとしている。

※1出典元:知っていますか?物流の2024年問題
※2出典元:統合報告書2023
※3出典元:【佐川急便】東京中継センターの新設について


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