ネットショッピングの失敗談~被害を防ぐ為にできる事

ECのミカタ編集部

 ある日、たまたま見ていたテレビ番組の中で、ある女優さんが「私、ネットショッピングの失敗談を閲覧するのが好きなんだよね」と話していた。その言葉が気になり、続けて見ていると「ある投稿者が激安の収納ケースをネットショップで購入し、届いた商品を見たら『おもちゃの収納ケースだった』という書き込みを見て、ゾッとしました。」と。おそらく、小さいモノに寄って写真を撮ったため、大きく見えてしまったのではないだろうか。

 この話をきっかけに「ネットショッピングの失敗談」が気になり始め、調べたところ、様々な失敗談を発見した。また、それと同様に消費者庁が「ネットショッピングで被害に遭わないために」をと注意喚起をしていることに気付いた。これを主に紹介しながら、ユーザーとして被害に遭わないために、またショップとして被害を出さないために、気を付けるべきことをまとめていく。

ネットショッピングの利用率は7割超!

 ネットショッピングは、わざわざ店舗に行かなくても、ネットの中で買い物が済むため、現代人のライフスタイルに適して、利便性が高く、利用者が増加し続けている。総務省の「平成27年版 情報通信白書」によると、ネットショッピングの個人利用率は全年代平均で7割を超えている。年代別では、60代以上の利用率は30代や20代以下の利用率をやや上回っていることが判明した。

 なお、ネットショッピングを利用する理由に関しては、「買いたいものが検索機能等ですぐに探し出すことができ、時間の節約になるから」や「自宅に持ち帰るのが大変な重いものが手軽に買えるから」を理由として挙げる人の割合が、年代が上がるにつれて上昇する傾向にある。

 このようにネットショッピングの利便性が高い反面、冒頭でも述べた「ネットショッピングの失敗談」が存在することも事実である。楽しくショッピングをしている人の裏側に、ネットショッピングに失敗をして悲しむ人が居る。

商品のサイズが明確に分かるように工夫が大事!

 まず、冒頭にも述べた「写真」の問題。おそらく、購入者は「オシャレな収納ケースな上に安い!」という風に思い、購入したのだろう。しかし、商品が届くと、思ってもいなかった「おもちゃの小さな収納ケース」が届いた。

サイトには商品のサイズが掲載されていたはずだ。しかし、購入者はそれを見ずに、写真だけを見て購入してしまった。もちろん、購入者にも不備はあるが、急いでいる時や考え事をしながら閲覧していると、情報を見落とすことは起こりがちだ。

 こういった事態を防ぐために、商品のサイズが明確に分かる写真を撮ったり、写真のすぐ横や大きい文字でサイズを記載したりなど工夫をすると、「写真」による失敗は減少されるだろう。ユーザーに気持ち良く、楽しくショッピングをしてもらうためには、「工夫」が必要となる。

詐欺に遭わないために気を付ける点は?

 もう一つ、考えられる事例は「詐欺」によるものだ。例えば、「お金を支払ったのに、商品が届かない」や「商品が届いたらニセモノで、店舗に電話をしたら返答がない」などの被害が、実際に起きている。これは、前述のケースとは違い、ネットショップ側に悪意があって行われている。こういった状況を受け、消費者庁はホームページに以下の「インターネット通販における注意ポイント」、「サイトの注意点」を掲載している。

【インターネット通販における注意ポイント】
・所在地や連絡先、他の利用者の評価など事業者の情報をしっかりと確認しましょう。
・一般に流通している価格よりも大幅に安く販売されている場合など、購入する商品が模倣品でないか十分に注意しましょう。
・配送方法や配送時間などがどの程度掛かるかを知っておきましょう。
・クレジットカードが利用できず、支払方法が銀行振込のみしか用意されていない場合で、個人名口座の場合は十分に注意しましょう。
・サイズ違いなど購入後にトラブルに遭遇することもあるため、キャンセル・返品条件、利用規約は事前に必ず確認しましょう。
・支払後でも悩まず、速やかに各地の消費生活センター、警察等に相談しましょう。
※出典元:消費者庁ホームページ

【サイトの注意点】
・URLが不自然
・住所が番地まで記載されていない
・電話番号がなく、連絡先がEメールしかない
・字体(フォント)に通常使用されない旧字体が混じっている
・極端に値引きされている
・支払方法が銀行振込のみ
・機械翻訳したような不自然な日本語表現がある
※出典元:消費者庁ホームページ

多発する模倣品に手を出してはいけない!

 また、数あるネットショップの中では、「模倣品」を販売する悪質なショップも存在している。模倣品と知りながら購入して、「商品が届かなかった」、「思った以上に粗悪品だった」という被害に遭う人も多いそうだ。また、模倣品を扱っているようなショップを利用することで、個人情報の流出など様々な危険性がある。

 かつて、特許庁にて『「あなたと社会に、ニセモノは悪です」~インターネットショッピングを利用される方必見!ニセモノ(模倣品・海賊品)流通トレンドとその対策~』が開催された。そのセミナーには、一般社団法人ユニオン・デ・ファブリカン 専務理事・事務局長の堤隆幸氏、ヤフー株式会社 社長室コーポレート政策企画本部の上山達也氏、楽天株式会社 執行役員の河野奈保氏が登壇し、各サイトで実施している対策などを述べた。

 例えば、楽天では専門チームを設けて実際に商品をモニタリングしながら「ニセモノは無いか」などを常に確認しているそうだ。数多くの模倣品の中でも増加しているものは、日用品だ。さらに、人気ブロガーが使用していたもの、SNSで広がっていたものに女性が惹かれることが高く、それを狙っている模倣品が多発しているそうだ。

 特に海外のブランドは、直接手に取らないと本物が分からないため、見分けるまでに時間がかかる。そういったユーザーの声を大切にし、模倣品撲滅運動に力を入れている。

 ネットショッピングは楽しく、利便性が非常に高いものだが、気を付けて利用しないと被害に遭ってしまう。ユーザーは1度被害に遭うとトラウマになり、もうネットショッピングをしなくなる可能性がある。それを防ぐためにEC店舗にできることは、楽天のように常に「ニセモノがないか」を念入りにチェックをするなどできる対策を行っていくことが大切だ。もちろん、ユーザー自身も厳重に注意をする必要があるが、EC店舗でも対策を怠らないことがユーザーを守ることとなり、ネットショッピングの安全性に繋がっていくことだろう。

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