こんなことまでできるの!? EC運用歴10年以上のディレクターも驚くShopify×CanvaのEC活用法!!

安藤 祐輔

世界で多くのユーザーに愛され、1億人の月間アクティブユーザー数を誇り、あらゆる人がデザインで輝ける社会をめざす『Canva』スライドやSNS用の画像などのイメージが強くECにはあまり関与できないようなイメージもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、Canvaをうまく活用しEC運営を効率化をしている、海外アパレル商品のセレクトショップ『WINÓW』の事例とともに、ECの豊富な知識と経験を持ち、Shopifyエキスパートでもある弊社のメンバーの中で、EC運用歴10年以上のディレクターが驚いた「CanvaとShopifyを活用したEC運営の効率化方法」を学びます。
ハックルベリーはShopifyを中心にECに関するマーケティング施策から商品設計、物流に至るまで皆様のEC運営に役立つ有益な情報をセミナーや自社メディアなどを通して発信しています。提供しているShopifyアプリでは日本国内No.1の実績を誇ります。


※注:この記事は、Canva(本社:オーストラリア・シドニー、パートナーシップ / グロースマーケター:木元 めぐみ )・WINÓW(本社:東京都江東区、ディレクター/バイヤー/インストラクター:石田 ひろの )のECサイト運営を支援する株式会社ハックルベリー(本社:東京都世田谷区、プロデューサー:小坂悠真)主催のセミナー「EC歴10年以上のディレクターも驚くCanvaとShopifyを活用したEC運営の効率化方法とは?」を記事化したコンテンツです。

今回の主役、「WINÓW」ってどんなブランド?

今回の主役、「WINÓW」ってどんなブランド?

WINÓWは、ニューヨークでフィットネスを学び、体を動かすことがウェルネスに繋がることを体感した石田ひろの氏が運営するECサイトです。”アクティブウェアを用いて人々にウェルネスを浸透させること”をミッションに掲げ、海外のブランドを中心にエシカル、サステナブルな商品を取り揃えています。


EC運用歴10年以上のディレクターが驚いた「WINÓW」のEC運営
WINÓWのEC運営に関して、弊社のEC運用歴10年以上のディレクターが驚いた点が大きく2点あります。

1 売上が伸びるにつれて増える顧客の声を効率的に拾い上げている点

サイトの規模が大きくなればなるほど顧客の声は増えていきます。そして、数が増えれば増えるほど、適切に拾い上げることは難しくなります。しかし、WINÓWは適切に顧客の声を拾い上げる仕組みを作り、運用しています。

2 拾い上げた顧客の声をクイックにコンテンツに落とし込んでいる点

顧客の声を拾い上げることができても、その声を実際にサイトに反映するのは工数面や費用面から非常に難しいです。
しかし、WINÓWはShopifyとCanvaをうまく組み合わせることで一連のフローを確立し、結果として、クイックに顧客の声を反映することを可能としています。

以上2点がWINÓWのEC運営における特徴になります。
では、これからより具体的にどんなサービスを使って実現しているのか説明していきます。

WINÓWがShopifyを選んだ理由

WINÓWがShopifyを選んだ理由

WINÓWの石田さんはコロナ禍において、どこからでも買える環境を整え、スポーツに限らずアクティブウェアを用いて人々にウェルネスを浸透させることを実現しようとECサイトを開設することを決断しました。しかし、ミニマムな知識しかなく、どのECカートで始めるか悩んだ末、Shopifyを選択したといいます。それはなぜなのか。石田さんはこう語ります。

本当にミニマムな知識しかなかった上で、初期費用を抑えられるだけでなく、操作の仕方も簡単で高い拡張性を丁寧に教えていただけたり、いろいろなことを感覚的に操作できる点。また、多くのテンプレートでサイトを作れるところが魅力でした。そういった部分を踏まえ、Shopifyでの構築を選択しました。
また、実装後も、売上の経理から配送状況まで難しいことがわからなくてもボタンひとつで確認できるのですごく使いやすかったです。(石田)

Shopifyの強みは高い拡張性での簡単でクイックな機能追加!

そんなShopifyは、2006年にカナダで誕生したECサイト構築プラットフォームです。
日本だけでなく、アメリカなど全世界で注目されていて、EC業界の概念を壊すほどの革新的なシステムは、世界で最も巨大なECサイトを運営する「Amazon」の存在をも脅かすと言われており、Shopifyは「Amazonキラー」と称されることもしばしばです。

ShopifyはEC初心者にとって直感的な操作で扱えることが大きな利点になるほか、必要に応じて機能をアプリで簡単に追加できることが魅力のカートシステムとなっています。
世界中のビジネスオーナーが自分自身のオンラインストアを簡単に立ち上げ、運営できるように設計されたECカートシステムであり、完成度の高いシステムを兼ね備えています。

その具体的な特徴としては、
①強固なインフラ
②簡単操作
③高い拡張性
が挙げられます。

1 強固なインフラ

同時接続20万人やオーダー処理が1分間に約10,149件と国内のECカートと比べてもかなり強固なインフラ環境が整っており、規模が大きくなったとしても安心して利用できます。

2 簡単操作

Shopifyは非技術者でも使いやすいように設計されており、直感的なインターフェースと豊富なテンプレートにより、自分自身のオンラインストアを短時間で立ち上げることが可能です。また、商品のアップロード、価格設定、在庫管理、注文処理などの基本的な機能はすべて簡単に行うことができます。

3 高い拡張性

Shopifyは「アプリ」という形で、EC運営に必要な機能をインストールでき、普通なら開発に依頼して何週間何ヶ月とかかる機能の追加を数分で、かつノーコードでも実現することが可能で、約10,000ものアプリの中から欲しい機能をすぐに導入することができます。

よってShopifyはEC初心者から規模の大きなストアまでどのフェーズでも満足できる機能と環境が整っており、WINÓWがShopifyを選んだ理由にも納得がいくのではないでしょうか。

CanvaとShopifyの相性はバッチリ!?

CanvaとShopifyの相性はバッチリ!?

ここまで、Shopifyについて説明してきましたが、ここからはCanvaについての説明とCanvaとShopifyを掛け合わせることのメリットについて説明していきます。

Canvaは最強のデザインプラットフォーム

Canvaとは、当時オーストラリアの1人の学生であった、「メラニー・パーキンス」があらゆる人がデザインを使って輝ける社会を実現したいという思いから生まれた、オンラインデザインプラットフォームです。

特徴としては、4つ挙げられます。
ほとんどの基本機能は無料で利用可能
デバイスの制限なくいつでもどこでも利用可能
80万点以上の豊富なテンプレート(https://www.canva.com/ja_jp/templates/
1億点以上の商用利用可能な素材

特に、「80万点以上の豊富なテンプレート」と「1億点以上の商用利用可能な素材」は特出している点だと思います。
今まで、テンプレートなしにデザインを作るのは、その道に詳しくない経験の浅い人間からすると非常に困難であり、専門性を伴うものでした。
しかし、そんな悩みをCanvaはプラットフォーム内で解決し、まさにあらゆる用途であらゆる人が自分の思ったことをデザインするための要素が詰まっていると言えます。

では、ShopifyとCanvaを組み合わせることで得られるEC運営のメリットについてお話していきます。

Shopify×Canvaのメリット

Shopify×Canvaのメリット

1 プロ並みのビジュアルをクイックに作成可能

EC運営において、ビジュアルの作成は、時間やコスト、コミュニケーションがかかる大変な作業の一つです。しかし、Canvaを使用することにより、専門的なデザインスキルがない場合でも品質の高いビジュアルを作成でき、加えてコストカットや工数の削減が可能です。デザインの工数が削減できるため、こまめな作成変更もできるようになります。

2 素材作成の省力化&完成度UP

こちらも一般的に、時間も工数もかかり、かつ専門的なスキルがないと一定の質を担保した素材を作成することは非常に難しくなります。
一方、Canvaのテンプレートを活用すれば、時間をかけずに効果的なマーケティング素材を作成することができ、SNS投稿、ブログ記事、メールマーケティングなどのビジュアルコンテンツを容易に作成でき、ブランドの露出を誰でも簡単に高めることが可能となります。

3 コンテンツの統一感を簡単に保てる

ShopifyのLPには、Canvaで作成したデザインを直接インポートすることが可能となります。これにより、異なるプラットフォーム間でのスタイルやブランドの統一性を保つことが容易になります。また、Canva内でブランドキットという機能を活用することで、ブランドの色、フォント、ロゴなどを保存することが可能となり、すべてのデザインが一貫したスタイルを保つことが容易になります。

すなわち、CanvaをShopify運営に活用することで、今まで時間もコストもコミュニケーションもかかっていたデザインが、全てCanva内で短時間で、しかもプロ並みのものを作成することができ、質の高いサイトを作成できます。

Canvaを使った効率化の秘訣はヒアリング×クイック改善!

これだけ魅力的な機能に溢れたCanva。
そんなCanvaをShopifyと組み合わせ、効率的にそして効果的にEC運営に活用したのが冒頭にも述べたWINÓWになります。
ここからは、実際の画面等も交えながらどんな取り組みを行ってきたのか説明していきます。

1 多様な手法を用いた顧客のヒヤリング

1 多様な手法を用いた顧客のヒヤリング

WINÓWはサイトにチャネルトーク(チャットボットやLINE、インスタグラムとの連携で顧客とのコミュニケーションを簡単かつ円滑にするShopifyアプリ)を用いており、その中で、直接声がけをしたり、LINEやInstagramのDMでサイズに関するカウンセリングを行いながら、顧客からの細かな要望を収集していったといいます。
顧客の声を集めることは、一筋縄には行きづらいのですが、Shopifyなら自分たちにあった機能を1万以上のアプリ中から見つけ出し、ノーコードで導入できるというのはやはり、大きな強みだと感じます。

2 顧客の悩みをCanvaでクイックに改善

2 顧客の悩みをCanvaでクイックに改善Canvaで作成した、商品紹介ページ

多様な手法で顧客の声を集めるWINÓW。もう一つの特徴は、Canvaを使った修正の速さです。実際の内容を踏まえて石田さんはこのようにCanvaを活用したといいます。

ほとんどのインスタや商品ページの画像、商品説明など、修正を入れたい部分に関してはCanvaを利用して修正していますし、お客様の同梱物の内容など変化があるとすぐにCanvaを立ち上げ簡単に修正できるためすごく助かっています。
また、どうしても海外製品は、商品に記載されているサイズと日本メーカーのサイズ企画が合わず、加えてブランドごとにもサイズの使用が異なるため、身長の表示を増やしたり、お客様の声を反映して、セットアップでは上がSでしたがXSの方がいいと訴求したりと、随時商品に合わせてCanvaでサイトやページを作り替えています。(石田)
Canvaを活用することで、一般的に時間も費用も工数もかかる作業をクイックかつ簡単にでき、その余剰分の時間を顧客のヒヤリングや他のマーケティング施策に活用できます。
一人・または少人数でShopifyを運営する事業者様にはとても心強いパートナーになるのではないでしょうか。

まとめ

EC運営において顧客の声はサイト改善、サービス改善のために必要不可欠です。EC事業者はメールやLINE、SNSなど様々な手段を用いてヒヤリングを重ね、顧客の声を集めています。これだけでもとても大変なことですが、加えてその声をクイックに実際のサイトや商品に反映するのは非常に難しい取り組みになります。しかし、Shopifyであれば、アプリを組み合わせることで顧客の声を拾いあげる仕組みを比較的簡単に導入することができます。また、一般的に工数も費用も時間もかかるデザインやビジュアルの作業が、Canvaを使えばクイックに高いクオリティのものを作成できます。
結果としてShopifyとCanvaを組み合わせることで、世界観を保ちながら機能に溢れたネットショップを簡単に作ることができます。
ただ、自由に機能拡張ができる反面、闇雲に導入しても、WINÓWのような結果には繋がりません。全体像を理解した上での「仕組み作り」に今回のような、CanvaとShopifyの相乗効果を生み出す本質があるのではないでしょうか。

自分たちだけで、適切な「仕組み作り」を行うのはなかなか難しい側面もあります。しかし、Shopifyのパートナー制度というものを活用すると、Shopifyの専門家であるShopifyエキスパートがあなたの挑戦をサポートしてくれます。
事業を大きくしたい、これからShopifyを使ってストアを立ち上げたいかたは、ぜひShopifyパートナーのご相談されてみてはいかがでしょうか。


著者

安藤 祐輔 (Ando Yusuke)

東京消防庁に入庁後、筑波大学体育専門学群へ進学。スポーツ経験のある学生の採用に特化した採用支援事業を学生時に起業し、ケンコーコム(現Rakuten Direct)へ。その後、海外向けEC事業などに携わり、Socketを創業して「Flipdesk」をリリース。代表を退いた後、「Shopify」向けアプリの企業であるハックルベリーを立ち上げた。計4度の起業。
ハックルベリーでは、「Shopify」向けの集客アプリの開発を行っている。

https://huckleberry-inc.com/