DM配送地域の可視化で費用対効果を最大限に

福島 れい

 7月14日、東京国際フォーラムにてピツニーボウズジャパン株式会社の最新ソリューションを紹介する「Pitny Bows Fair 2016」が開催され、「リアル&デジタル」をテーマに郵便物、特にDM(ダイレクトメール)をより効果的に、より効率よく発送するための製品やソリューションが多数紹介された。

 そもそもピツニーボウズは1920年、アメリカで設立された郵便関連機器を取り扱う世界最大級の企業だ。ピツニーボウズが提供する郵便関連機器は、現在世界130か国で使用されており、世界トップシェアを誇っている。 メールやインターネット広告などからの集客が普及した現在でも、DMはより多くの情報を伝えることができ、高い効果が期待できるプロモーション手法として人気があるのだ。

 郵便関連機器とは、下の写真のような郵便物の発送作業を軽減しスムーズに行うための機械だ。通常、DM等の発送時には、発送物を作成したあとの作業(紙折り、封入・封かん、宛名印字、料金計算印刷)や、届けられた郵便物の開封作業は手作業で行われる。しかしこれらを手作業で行うには、手間とコストの負担が大きいのだ。こうした負担を軽減するのが、ピツニーボウズの製品ということだ。


 ピツニーボウズはDMにかかる作業負担を軽減するだけでなく、より効果を発揮するためのソリューションサービスも提供している。なかでも注目したいのは、ロケーション情報を活用してDMの送り先の絞り込みができる「ロケーションインテリジェンス」というサービスだ。DMは効果が期待できるものの、印刷や郵送にかかるコストも比較的高い。そこで、DMの開封率を高め、費用対効果を向上させることで効率化を図る企業は多い。

 「ロケーションインテリジェンス」ではDMの配布先と、購入者のデータをマップ上に表示し、地域的な偏りを可視化。DMを配布していながらも効果が出ていない地域を避け、実績の高い地域を中心にした販促活動を行うことができるようになるのだ。マップ上に表示できるデータは、配布先と購入実績に限らず、国勢調査などの公的な統計値を活用した人口動態なども可能で、居住者の年齢層や家族構成、消費動向などを元に、売り込みたい製品の反応が良さそうな地域に送り先を絞り込むことができる。

 ここ最近「パーソナライズド」、「One to Oneマーケティング」など一人一人のお客様に合わせた販促や接客が求められるようになっている。これはDMにおいても同じで、商品を求めるお客様、商品のターゲットとなるお客様に、的確な情報を提供することによって購買率、お客様の満足度が高まるのだ。ピツニーボウズでは今後、コマース分野に注力したサービス展開も進めていくとのこと、引き続き注目していきたい。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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