互いの人生に敬意を払い、節目を彩る~今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方。あなたは知っていますか?

ECのミカタ編集部

 ギフト、それは贈られる側はもちろん、贈る側もあたたかい気持ちになることができる“魔法のツール”。以前は実店舗にて商品を見て選び、手渡しでギフトとともに“気持ち”を伝えていた。その中には、日常とは違った特別なコミュニケーションがあり、そんな場面をギフトは作り出していた。

 しかし現在において、ギフトを贈る際にECを利用する人が増えてきた。インターネットを挟んだギフト選びやギフト贈進には、アナログとはまた違った場面が存在しているはずだ。今時のギフトECは、ギフトを贈る現場においてどのようなコミュニケーションを生み出しているのだろうか。

ミニ特集企画「今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方。あなたは知っていますか?」

<目次>
・今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方~概論編
https://goo.gl/Ye23vr
・日常の会話をリッチにする、コミュニケーション
https://goo.gl/jriUA8
・互いの人生に敬意を払い、節目を彩るコミュニケーション
(本記事)
・非日常体験という“思い出”から発生するコミュニケーション
https://goo.gl/7AIOlB
・番外編:特別な日をより特別に変化させるコミュニケーション
https://goo.gl/uiS3L4

another life.が作り出す、ある家族のコミュニケーションに密着

 株式会社ドットライフ(以下、ドットライフ)が提供する、「another life.〜想いを伝えるギフト〜」というサービスをご存知だろうか。

 このサービスは「人生が本になる」という体験型のギフトである。サービスサイトにて、注文を入れるとドットライフの記者が取材へ訪れる。その後、自身の半生が物語になった1冊の本が誕生する。退職・卒業・結婚・出産・長寿祝いなどといった人生の節目に、大切な人へ贈るにはぴったりのギフトだ。

 今回、息子が結婚と海外転勤を節目に「another life.〜想いを伝えるギフト〜」を利用し、両親へ想いを伝えるということを聞き、とある家族のもとへやってきた。息子の名前は及川 言(おいかわ げん)さん。今年で31歳を迎えた。彼は自身の結婚と海外転勤のタイミングで、両親に感謝の気持ちを伝えるべく、及川さん自身の人生をまとめた本を贈る。

 感謝を伝えるギフトに、自身の半生をまとめた本を選んだ理由として、及川さんは「結婚と海外転勤の節目に、思い出したんです。実家を出てから、今までの自分の人生を話してなかったことを。そこで、自分の人生を物語にして感謝とともに伝えようと思い、本を贈ることを選びました。」と語る。

 及川さんの実家は、東京都内のとある教会だ。産まれたときから父は牧師で、志が真直な父と、笑顔が素敵な母のもとで育てられた。そして18歳の時に実家を出て、生活している。実は及川さんの父は、1年半前に生死の境を彷徨っていた。その際、母を一人にさせないように実家に戻り、生活していた。父の病状の心配と、母とその時暮らした時間から、及川さんはより一層人生の節目について深く考えるようになり、同時に両親へ感謝を伝えたいと強く感じたそう。その想いから、今回両親へ自身の物語を贈るまでに至った。

息子の人生を知る、両親の想いとは?

息子の人生を知る、両親の想いとは?

 今回、実際に及川さんが両親へ本を渡すところを見届けるべく、実家の教会へお邪魔させていただいた。部屋には及川さんの幼少期の写真が飾ってある。その写真からも、大切に大切に育てられたことが感じられる。「実は今日、ある物を渡したくて会いに来ました。」と及川さんが切り出す。

 そして両親へ本が贈られた。白を基調とした、世界で1つしかない、オリジナルの本だ。1ページ1ページ開く両親の顔からは、自然と笑みが溢れ出す。その姿はまるで、今までの子育て人生を振り返り、思い出を強く噛み締めるかのようだ。

 そこから暫くは思い出話に花が咲く。話題は本に記載されている過去のこと、そして現在のこと、未来のことと移り変わっていく。父は「息子の言の結婚は、とても嬉しかったです。そして同時に、どっと肩の荷が下りる気がしました。言のことを一番に想ってくれる人が、自分たち以外の他にも出来たんですから。」という真の想いを語る。そして「本がなければ振り返りませんでした。言の人生も勿論ですが、自分の人生について振り返るきっかけになる良い機会でした。」と続ける。

 また、母も語る。「言の人生について、初めて知る内容がありました。言と私の人生を照らし合わせながら、懐かしくなったり。胸の奥をくすぐられるような、ね。」と。

 過去のことを振り返り、そして沸き立つ家族の会話は、本がなければ作り出されなかっただろう。本は及川さん一家に、過去をさかのぼり、現在の共有をし、未来の夢を語り合うというような機会を与えたのだ。

人生を綴った本がもたらしたコミュニケーション

人生を綴った本がもたらしたコミュニケーション

 自身の両親へ、人生を綴った本を贈った感想として「両親にはまだ言えていなかった、小さい頃の出来事やその時感じていた気持ちも伝えられました。そして、自分の人生のストーリーを贈ることで、これまで育ててくれたことに対する感謝も同時に伝えられました。
」と言う。続けて「自分の人生の物語を読んでもらうことがきっかけになって、逆に親の方から初めて話す話、僕にとっては初めて聞く話がたくさんありました。その話から、これからの自分の人生への気づきを得るきっかけになりました。」と語る。

 本は、お互いの人生を振り返るきっかけになった。そしてまだ知らなかったことも、その時の想いも、本で人生を表現することで共有することができた。新たな家族の一面を見て、深く知る機会をもたらしたのだ。

 「another life.〜想いを伝えるギフト〜」は本という物体を贈るだけでなく、本に綴られているストーリーによって新たなコミュニケーションを生むものでもある。そして贈られた本を読み、人生を共有し、会話をすることで相手の人生を深く知り、そこへ尊敬の意を表すことができる。その尊敬の意は、本によって発生した新たなコミュニケーションであり、そのコミュニケーションが人生の節目を彩るのだ。

 新たな旅立ちを迎える家族。本によってもたらされたのは、お互いの人生へ敬意を払い、人生の節目を彩るコミュニケーションだった。そしてこの本が家族にとっての再出発となって、一家の物語はこれからも続いていく。


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