2016年までを振り返るEC業界年表~最新EC業界大図鑑を試し読み~

ECのミカタ編集部

 ECのミカタは、昨年に続く2作目として「2016年のEC業界を総まとめ!!最新 EC業界大図鑑」を発売しました。EC業界の基礎的な用語や概要〜最新のトレンドや重大ニュースをまとめた一冊になっています。今回は「最新 EC業界大図鑑」の中から1970年代から現在までを振り返る”EC業界年表”を特別に公開します。

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1993年以前は”パソコン通信”の時代

 1993年以前は、パソコン通信の時代と呼ばれていました。その時代は「ASCIInet」「日経MICS」「Nifty」「Serve」「PC-VAN」といったパソコン通信ホストのコミュニティが活発でした。人々は会員としてそこのコミュニティに参加し、交流を深めていたのです。まだECと呼ばれていませんでしたが、そこのネットワークで物も売られていた時代です。

 しかし1993年にインターネットが登場、1995年に「カメレオンTCP/IP」と「Net Scape Navigater」がWindows95に標準装備されてから本格的に人々がインターネットを使う流れとなったのです。パソコン通信の時代に人々が所属していた狭いコミュニティがインターネットの登場によって全てくっつき皆が自由になれ、広大な大地と化して一気に世界が変わりました。インターネットが登場し、世界が大きく広がりました。自分の家にいたと思ったら急に 目の前に大草原が広がったようなものでしょう。

ニッポンを支えた 「小売 / カタログ通販」の歴史

 最近、ECという言葉の定義が広くなっています。それもそのはず。もともと歴史ある小売企業もカタログ通販の企業も、最近は皆ECに参入してきているからです。そうしたことも踏まえ、ECの歴史をより深く理解し、考える上で、小売/カタログ 通販/ECという3つの視点で、その歴史をひも解くことにしたいと思います。

 日本の小売は、1904年、三越呉服店(現:三越伊勢丹)が始まりと言われています。それから遅れること、50年後、1954年に千趣会が誕生しています。その頃の千趣会はというと、企業に出向き、勤務している人にこけしを売っていました。その後、1970年代に入ると、日本染伝(現:ニッセン)、ディノスなどの設立とともにカタログ通販に脚光が当たります。千趣会もカタログ事業に乗り出したのはこの時期です。

 この動きと切っても切り離せないのが、1976年のヤマト運輸による「クロネコヤマト」の宅急便の誕生です。「電話1本で集荷・1個でも家庭へ集荷・翌日配達・運賃は安くて明瞭・荷造りが簡単」というコンセプトが当時は画期的でその成功によりさまざまな運輸会社が続々宅配業に参入し、カタログ通販の勢いに拍車がかかります。

 小売も負けてはいません。1979年にはダイエーが売上高1億円を突破し、その勢いを世間に見せつけました。1980年代になると、カタログ通販に、流通業、商社、輸送業、メーカー、などさまざまな企業が参入します。ある意味、そうした膨れ上がった通販をまとめる存在として、1983年に誕生したのが、日本通信販売協会(JADMA)です。

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カタログ通販の拡大と EC黎明期

 その後、カタログ通販は商品の訴求だけでなく、テーマやシーンを重んじるようになり、そこでヒットを掴んだのが「通販生活」です。きんさんぎんさんのTVCMは大いに話題となりました。1990年代後半に差し掛かると、インターネットの普及とともに、独学でホームページを作成して商売をする「岸本屋」や「家具のアオキ」「ナチュラム」と言った 存在がネットビジネスの雄として脚光を浴びます。

 1997年には、楽天が産声を上げたのですが、その時はまだ従業員は6名、わずか13店舗からのスタートでした。また、Eストアーが楽天な どの商店街的なスタイルとは一線を画して、独自ドメイン向けのASPカートを提案したのも1998年のことです。ヤフーショッピングは1999年スタート、アマゾンは2000年になってようやく本の販売を開始するなど、この時に今のECの土台となる部分が形成されています。

 とはいえ、動き出すのには時間を要し、実績を伴って結実し始めたといえるのは2003年頃になってからのことです。この頃になると、ZOZOTOWNといった専門性を持ったモールが登場します。ネットに大きな大志を抱き、そして稼ぐ人達が現れ始めます。ライブドアの堀江貴 文さんが脚光を浴びるのもこの時代です。かつて1996年ごろ独学で ホームページを作っていた釣具店「ナチュラム」中島成浩氏は、2007年にミベルヴァ・ホールディングスという会社を上場させ、ECでスタートした人たちに大きな夢を与えました。

ECも小売も カタログ通販も一つに。

 小売業のEC進出がみられるのもこの時期です。丸井の会員制通販サイト「マルイウェブチャンネル」の売上高が、2008年4月から2009年2月の累計100億円を突破したのもこの頃です。例えば、ECで買ったものを実店舗で受け取るなど、オムニチャネル戦略をみられるようになったのがこの時期です。

 スマホの浸透で、インターネットとリアルの距離が大幅に縮まりました。人々の感覚の中に、ECは当たり前に存在するものであり、いまやカタログ通販も当然、ビジネスになりうるこのECに参入して成果を上げています。そして、市場の拡大とともに、その割合は増えています。

 人々の感覚の中で、リアルにものを購入するのも、カタログで吟味して商品を入手するのも、ECでものを買うのも、意識としてはあまり大差なく、一緒になる時代が来るかもしれません。オムニチャネルと同様に、店とネットの垣根が消えたように、時代の進化とともに、限りなくこの3つの業態は1つの方向へ、そんな未来はすぐそこまで来ているように思います。


<「2016年のEC業界を総まとめ!!最新 EC業界大図鑑」より一部抜粋>

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