Yahoo!とブックオフのコラボビジネス 出品代行業「ヤフOFF!」で手軽にEC

渋谷と自由が丘の2店舗で開始する 業界大手二社の業務提携でニュービジネス

Yahoo!とブックオフコーポレーションは、ネットオークションサイト「ヤフオク!」と、中古買取り業に特化した「BOOK OFF」を連動させ、リアルとネットそれぞれの強みを活かした「ヤフOFF! BOOK OFF渋谷センター街店」を9月26日にオープンさせることを発表した。
両社は4月に資本・業務提携を締結しており、すでに全国のBOOK OFF店舗の在庫である中古品各種やCD、DVD、ゲームソフト、携帯電話などをヤフオク!内で出品販売する取り組みを展開している。2016年度までにヤフオク!で1000万点の中古品出品を目指すとしている。
「ヤフOFF! BOOK OFF渋谷センター街店」では出品代行専用の窓口を設置し、ユーザーがヤフオク!のID などを所持していなくても中古品の出品が可能になるサービスを展開。落札見込みが5,000円以上の商品で手数料は落札価格の25~45%という条件で、面倒な出品作業等をしなくても手軽にオークション出品が可能となった。窓口での必要事項の記入と身分証提示のみ行えば手数料を差し引いた金額がユーザーの口座まで振り込まれる。
そのほか、税込み価格108円の本を毎月3冊まで無料でもらえるYahoo!プレミアム会員向けサービスや、BOOK OFFが選んだ約5000作の商品レビューが見られる専用端末(タブレット)を設置したコーナーを設けるサービスなども開始し、会員が店頭を訪れるキッカケ作りに力を入れる姿勢がうかがえる。

また、自由が丘の「BOOK OFF自由が丘駅前店」では、ブックオフグループのハグオールによる総合買い取り窓口を設置し、書籍及びCDやDVD、ゲームなど従来のBOOK OFF店舗がターゲットにしていた中古品以外の買い取りも行う。「アパレル」、「服飾雑貨」、「貴金属」、「食器類」、「スポーツ用品」など取り扱い品目は多岐にわたり、古物商業により力を入れる方針を打ち出している。

大型のオールジャンルリサイクルショップ化 EC業社も多い古物商業へ与える影響と波紋

中古品市場において最も肝となる「仕入れ」を窓口の多さでカバー、全国展開しているチェーンの強みを活かせるであろう今回の新しい事業である。書籍やCD,DVDに特化した古物商業から、業界のシェアを全て取りにいきオールラウンドの中古品業社へ幅を広げる動きに加え、商品の流し先にヤフオク!を大々的に導入することにより、仕入れから販売までベストないいとこ取りをさらった結果となる。今後、前出の2店舗のみでなくチェーン全店で同様のサービス提供が実施され「ヤフOFF!」サービスが定着していけば、多くの古物商業社にとって非常に大きな脅威となっていくだろう。
「仕入れ(買い取り額)を低く抑え、適正価格で販売する」というビジネスモデルであったBOOK OFFだが、その適正価格をユーザーに提供するということは、買い取り業だけで今までどおりの利益を回せるかどうかが気になる所だ。この動きが進めば、店頭販売の利益を捨てて手数料ビジネスに特化した企業にチェンジしていくなど、今までの同社のイメージを一新する流れが生まれるかもしれない。