サイバーエージェント、柔軟なECサイトやアプリ開発が可能な「ヘッドレスコマース」を推進  UI/UXデザインから開発・運用まで一気通貫で支援

ECのミカタ編集部

株式会社サイバーエージェントは、小売企業のECサイトやアプリにおけるシステムの「ヘッドレス化」を行う開発専門組織「次世代ヘッドレス開発室」を設立したと発表した。

フロントエンドの柔軟な開発を可能にするシステムの「ヘッドレス化」から、UI/UXの改善提案、開発・運用まで一貫した支援を行うことで、ECサイトやアプリなど各種プラットフォームを通じた最適な顧客体験の実現を目指すという。

サイバーエージェント、「次世代ヘッドレス開発室」設立

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751、以下「サイバーエージェント」)の販促革命センターは、小売企業のECサイトやアプリにおけるシステムの「ヘッドレス化」を行う開発専門組織「次世代ヘッドレス開発室」を設立した。

本組織では、小売企業とユーザーとのタッチポイントであるサイト・アプリの操作画面デザインや機能といった、フロントエンドの柔軟な開発を可能にするシステムの「ヘッドレス化」から、UI/UXの改善提案、開発・運用まで一貫した支援を行うことで、ECサイトやアプリなど各種プラットフォームを通じた最適な顧客体験を実現するとしている。

「次世代ヘッドレス開発室」設立の背景

コロナ禍における購買行動の変化に伴い、デジタル上での顧客接点の強化やオンラインと実店舗のシームレスな顧客体験の重要性が高まり、小売企業のDXは一気に加速した。

特に、自社ECサイトの強化やアプリ導入が進められている中、アメリカ企業が取り入れている「ヘッドレスコマース」というシステム構造への注目が集まっている。

従来のシステム構造は、ユーザーの操作画面デザインや機能を担う「フロントエンド」と会員情報や商品情報などのデータが管理されている「基幹システム」が一体化しているため、一部の改善にも両方の開発が必要となり柔軟な運用が困難であった。

一方、「ヘッドレスコマース」では、「フロントエンド」と「基幹システム」を分離させる「ヘッドレス化」という手法を導入することで、フロントエンドの柔軟なUI/UXデザインやスピーディな開発が可能になる。

このような背景から、サイバーエージェントでは「ヘッドレスコマース」を実現させるヘッドレス開発専門組織「次世代ヘッドレス開発室」を設立。開発体制を整えるのが難しい小売企業に対し、同社のUI/UXデザイン力や技術力、開発ノウハウを活かし、最適な設計から運用までを一気通貫で支援するという。

「次世代ヘッドレス開発室」の主な支援内容

「次世代ヘッドレス開発室」の主な支援内容

①システム構造のヘッドレス化
ID-POSや会員情報、決済情報などの必要なデータシステムのAPIを開発することで、既存の基幹システムを活かしたヘッドレス化を行う。

②UI/UXの改善・運用
小売企業ごとの目標に沿ったUI/UXデザインの提案や実装、その後の運用まで一貫して支援する。

③各種外部ツールとのAPI接続
APIを介すことで、必要な機能や情報システムとの連携がシームレスに行えるようになる。そのため、分離されたフロントエンドはECサイトやアプリだけではなく各種プラットフォームへの容易な展開が可能となる。

ヘッドレスコマースは、基幹システムに影響されることなく、フロントシステムを柔軟に変更・拡張することができるため、特に複数のフロントサイトをもつ事業者にはメリットの大きいシステム構造だ。

さまざまな仮想技術等が普及するこれからの時代、ヘッドレスの環境においては、ますます複雑化していく顧客体験に柔軟に対応することができるようになる。

サイバーエージェントの「次世代ヘッドレス開発室」設置が、日本におけるヘッドレスコマース普及の起爆剤になるか、注視したいところだ。

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