ヤマトグループ、統合レポート2023を発表 物流2024年問題や今後4年間の戦略へも言及

ECのミカタ編集部

ヤマトホールディングスが統合レポート2023を発表した。レポート内では、物流の2024年問題への対応や今後目指す提供価値の拡大について触れられており、今回はその一部を紹介する。

営業所を約3300店から約1800店へ 集約、大型化が今後の鍵

ヤマトホールディングスが発表した「統合レポート2023」内では、価値創造の戦略としてネットワーク・オペレーション構造改革と法人ビジネス領域の拡大でサプライチェーンの「End to End」に対する提供価値の拡大を目指すとしている。

ネットワーク・オペレーションの構造改革として、代表取締役社長 社長執行役員 長尾裕氏のメッセージでは「特にこれからの4年間は、既存の宅急便ネットワークの強靭化に注力していきます」と記載されている。具体的には小規模・多店舗展開してきた営業所を現在の3300店から、最終的には約1800店に集約、大型化すること。背景には取扱数量の約9割が法人顧客かつその約半数を大口顧客が占めている点にあるようだ。

拠点数をむやみに削減するのではなく、地域や顧客ニーズに合わせた最適化や拠点間輸送などの工程の適正化によりネットワーク全体の生産性を高めていくという。

専用ネットワークの構築と拡大

また既存ネットワークの強靭化にあわせて、同社は専用ネットワークの構築と拡大を進めていく。「EC物流ネットワーク」においては都市部でECデリバリーセンターを順次開設・展開を進めており、2023年6月末時点で20拠点開設済みだ。パートナー企業との連携でEC事業者の販売機会拡大、EC利用者の注文から受け取りまでのリードタイム短縮等に貢献しているという。

また「保冷専用ネットワーク」では食品流通におけるEC化の進展(※1)、需要拡大により、1都3県を中心に2カ所の大規模集約拠点を立ち上げている。

※1出典元:令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書

ヤマトグループ 物流の2024年問題への対応

物流の2024年問題に伴うドライバーの働き方改革については、ヤマトグループ社員に対する働き方改革はすでに実施済みとしている。一方で、幹線輸送を担うパートナー企業についても働き方改革を進めるため、現在、輸送のあり方や契約体系の見直しなど協議を進めているとした。

企業間物流においては、契約外の荷役作業、荷待ち時間などの従前からの課題である非効率な商慣行の改善が特に必要ではないかと考えられる。こうした課題解決のためヤマトグループでは、培ってきた輸送の標準化のノウハウを活用し、輸送の標準化とドライバーのより良い働き方にも寄与していくとした。


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